PCパーツショップ・BLESS秋葉原本店が、7月24日にアキバ地区内で店舗を移転する。移転先はロックビルの2階(千代田区外神田3-11-2)で、ドスパラ秋葉原本店やクレバリー1号店などが軒を連ねる“PCパーツショップ通り”の1本奥側になる場所だ。神田明神通りにある現店舗では、7月21日まで営業を行う。移転に伴う閉店まで、入り口付近に在庫処分コーナーを設けており、ZOTACのIONマザー「IONITX-A-U」が2万5980円で売られるなど、多数の特価品に人だかりができていた。移転先でも「まだ具体的に決めていませんが、何かしらのセールをやる可能性はあります」(同店)という。
2000年から秋葉原で営業を始め、現店舗に移ったのは2002年。そんな老舗ショップの移転について、周囲のショップの反応を聞いた。BLESS秋葉原本店が移転するロックビルの1階に入店している「GENO OUTLET」は、「本当ですか? 知らなかったです」と驚きながらも「相乗効果を期待したいです。BLESSさんは新品のPCパーツを扱うのでウチと競合しませんから、人通りが多くなるというプラスの効果が特に大きくなるのではと思います」と肯定的なコメントを残した。
また、同じ通りの三月兎3号店も「ウチは雑貨屋の側面が強いのでどれだけ影響が出るのか分からないですが、人通りが増えるのは大歓迎ですね。BLESSさんの入店で、PCパーツショップ通りのお客さんがコチラの通りにもっと流れてくるようになれば幸せです」と歓迎していた。
ただし、新品のPCパーツを扱うライバル店のなかには、警戒心を抱く声もあった。某ショップは「老舗ショップなので、電気街での売り方や仕入れなどのノウハウは充実していますし、常連のお客さんも大勢います。そんな店舗が近所になったら影響は少なからず出ると思います。もちろん人通りが増えるといったメリットはありますが、何より価格の過当競争が発生するのが怖いですね。100円の価格差しかなくても、少し歩いて安いショップがあればソチラに行くというのが、PCパーツショップ密集地の常識ですから。そういう事態を避けるためにも、品ぞろえやサポートなどの独自性で勝負していければいいと思います」と語る。
そのほか、電気街全体の縮小化を懸念するコメントも聞いた。BLESS秋葉原本店の現店舗近くのショップで働くベテラン店員氏は「LAOXザ・コンピュータ館が閉店してから、神田明神通りを挟んだ人の流れが少なくなっているのは確実です。秋葉原駅側に建つBLESSさんが向こう側に行くことでコチラ側がすたれるのが怖いですね。PCパーツショップが集まるエリアが年々狭くなっているのはある意味仕方ないことですが、何とかしなければという思いを強くしています」と話していた。
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