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雷のせいでデータが消えたから原稿は遅れます……とは言わせない――APC RS 400(2/2 ページ)

» 2009年09月11日 15時00分 公開
[長畑利博,ITmedia]
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APC PowerChuteで停電時の動作設定を行う

 停電時にPC側をどのように動作させるのかは付属の「APC PowerChute Personal Edition」で設定する。メイン画面では、PCに給電している電力や停電時の動作時間、電源の状態といったステータスの表示やシャットダウンの動作設定、バッテリーモードに切り替わる電圧の感度(しきい値)設定や供給設定など細かな制御が可能となっている。

 例えば、停電してから一定の時間が経過後にシャットダウンする設定や、一定の容量までバッテリーを使い、そのあとにシャットダウンさせるといった調整もできる。PCの前にいないことが多い場合は前者を、いることが多い場合は後者を選ぶといいだろう。夜間にアラートを鳴らさないように指定できるなど、細かい設定ができるのも特徴といえるだろう。

 なお、本製品を利用するときは、Windows側の設定で休止モードを有効にしておきたい。これは、休止モードを指定していないと、APC RS 400は電源を完全にシャットダウンする設定であるため、無人の状態であった場合は、自動で行っている作業中のデータが失われてしまうからだ。

ステータス画面では現在の消費電力での動作時間(ランタイム残量)、接続している機器に供給している電力、電源の動作モードなどが表示される(写真=左)。バッテリーモードになった場合のステータス画面。コンセントからの供給電力(本ソフトでは商用電源)がバッテリーに変わっていることが分かる。またシャットダウンまでの時間も表示される(写真=中央)。バッテリーモードになると、本体側LEDもシャットダウンまでの時間がカウントされるようになる(写真=右)

UPSのバッテリーなどに異常がないかハードウェアの状態をチェックするセルフテスト。標準設定では2週間に一度自動的にチェックが行われる。手動チェックの設定も可能だ(写真=左)。ランタイム画面では、一定時間後にシャットダウンするか、バッテリーでできるだけ動作させたあとにシャットダウンさせるかといったバッテリー駆動時の動作状況を設定できる(写真=右)

夜間にUPSのアラートが鳴ると近所迷惑。この製品ではそうした問題を起こさないように、指定した時間にバッテリーモードになった場合はアラートが鳴らないようにできる(写真=左)。電圧画面では、商用電源の入力値が極端に高い場合や低い場合にはバッテリーモードに切り替えるように指定できる。日本では地域や家屋の構造によっては定格の100ボルトから80ボルト近くに電圧が落ちることもある。PCの安定動作には役に立つ機能だ(写真=右)

 アプリケーションを複数立ち上げたままでコンセントの電源を外すなどのテストをしてみたが、Windows Vistaの環境で安定して休止状態に移行できた。定格容量が気になるユーザーも多いと思うが、自作PCユーザーのハイエンド環境でも軽負荷であれば、消費電力が150ワットを超えることはあまりない。5〜6分程度の作業時間があればデータを保存してシステムを安全に終了させることができるはずだ。

 本製品はUPSとしては非常に多機能な製品だ。設定項目が多いため、使いかたが難しいように思えるかもしれないが、単にUPSとして使うのであれば、PCと専用ケーブルをつなげて専用ソフトウェアを導入すれば標準設定のままで十分に使える。マニュアルや付属ソフトのインタフェースも分かりやすい。実売価格は1万3000円程度と高機能UPSとしては低く設定されている。雷サージの危険性が意外と高い日本でこそ、PC1台に1台導入して欲しい周辺機器だ。

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