日の丸IONノートも負けちゃいないぜ──ドスパラ「Prime Note Cresion NA」の実力を楽しむ(1/2 ページ)

» 2009年09月18日 11時00分 公開
[芝田隆広(撮影:矢野渉),ITmedia]

12.1型ワイドで13型ワイドクラスの表示能力を実現

12.1型ワイドディスプレイを搭載してIONプラットフォームを採用する「Prime Note Cresion NA」

 ドスパラ(サードウェーブ)から発売された「Prime Note Cresion NA」(以下、Cresion NA)は、NVIDIAのIONプラットフォームを採用したノートPCだ。IONは、AtomにGPU統合型チップセットのGeForce 9400M Gを組み合わせた構成で、Atomの省電力性能とGeForce 9400M Gの高いグラフィックス性能をノートPCで両立することが可能になる。

 Atomを搭載するNetbookでは、チップセットにIntel 945Gシリーズ+ICH7Mという構成を採用したものが多い。しかし、この組み合わせによるグラフィックス性能は、HD動画の再生などで性能が不足する感があった。これに対して、IONのGeFroce 9400M GはDirectX 10に対応しているほか、PureVideo HDをサポートするなどグラフィックス性能が大幅に向上している。また、利用できるメモリも、Intel 945GシリーズではDDR2-667までだが、IONではDDR3-1333まで対応する。

 Cresion NAは、IONプラットフォームを採用することで、Netbookに近い価格帯でありながら、3DゲームやHD動画の再生などで通常タイプのノートPCに相当するパフォーマンスを実現しているのが最大の特徴といえるだろう。

 Cresion NAが搭載するCPUはデュアルコアのAtom 330(動作クロック1.6GHz)、チップセットは前述のとおりGeForce 9400M Gを採用する。メモリは標準でDDR2を2Gバイト搭載し、HDDはSerial ATA接続で容量は320Gバイトになる。本体には光学ドライブを内蔵するが、購入時にDVDスーパーマルチドライブとBD-ROMドライブのどちらかを選択できる。

 液晶ディスプレイは12.1型ワイドとモバイル重視のノートPCで平均的なサイズだが、解像度が1366×768ドットと13型ワイドに相当する。もちろん、Netbookと比べて表示される情報量は格段に多い。ただ、重量は約1.92キロとAtomを搭載する2スピンドルノートPCとしてはやや重い。

 キーボードのレイアウトはゆったりとしていて、ほとんどのキーで均等ピッチ(実測で約19ミリ)を確保している(右上のバックスラッシュキーとカーソルキーのみ、幅が約15ミリとわずかに狭い)。低価格ノートPCながら打鍵感はしっかりしている。左半分のキーをグッと押し込むと、キーボード全体が沈み込んでたわむものの、気になるレベルではない。「ろ」と右シフトキーの間にカーソルキーの“上矢印”が配置されているのが変則的だが、それ以外は快適にタイピングできる。

 ポインティングデバイスはタッチパッドを採用する。最近の低価格ノートPCによく見られる左右ボタンがつながったタイプだが、パッドの横幅が65ミリと長いので使いにくくははない。また、タッチパッドとパームレストの間に溝があるほか、タッチパッドの周りに段差を設けているので、指先の感触だけでタッチパッドを認識できる。

 なお、最小構成ではOSが付属しないが、ユーザーは購入時にWindows Vista Home Basic/同 Home Premium/ 同 Business/同 Ultimate、Windows XP Home Edition/同 Professionalが選択可能だ。今回の記事で用いた評価機材は、DVDスーパーマルチドライブを搭載し、OSにはWindows Vista Businessが導入されていた。

1366×768ドットと12.1型ワイドのディスプレイとしては高解像度表示が可能(写真=左)。キーボードはごく一部のキーを除いて約19ミリの均等ピッチを確保している(写真=右)

映像出力に便利なHDMIを装備

 本体に用意されたインタフェースとして、左側面にアナログRGB出力、USB 2.0が2基、マイクとヘッドフォン端子があり、右側面にはHDMI、USB 2.0を1基備える。背面にはFAXモデム、ギガビットに対応した有線LAN、電源コネクタが、前面には10メディア対応(SDメモリーカード、SDHCカード、MMC、メモリースティック、メモリースティックPRO、High Speed SDカード。また、変換アダプタを使って、mini SDカード、micro SDカード、Mobile MMC、メモリースティック PRO Duo)のカードリーダーがそれぞれ装備されている。なお、無線接続には、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANとBluetoothが利用できる。

 PCカードやExpressCardのスロットはないものの、3基あるUSB 2.0が左右側面に分散しているので周辺機器が接続しやすい。また、HDMI出力があるので、HD動画を液晶テレビなどへ出力したいときに便利だ。特にBD-ROMドライブ搭載モデルを選択した場合は、高解像度で大画面映像を楽しめるので重宝するだろう。

前面には左寄りにカードリーダーを搭載し(写真=左)、背面にはFAXモデムと有線LANが配置される(写真=右)

左側面にあるのはアナログRGB出力とUSB 2.0が2基(写真=左)。右側面には光学ドライブとUSB 2.0が1基、HDMIが用意される(写真=右)

 底面には取り外し可能なフタが2カ所ある。1つがHDDベイ、もう1つがメモリスロット用だ。どちらもネジを外すと内部が露出するようになっており、増設やパーツ交換は比較的簡単に行える。メモリスロットは2基用意されていて、最大4Gバイトまで実装可能だ。ユーザーがメモリを追加するときに作業が簡単にできるだろう。なお、評価機材には2Gバイトのメモリが1枚組み込まれていた。

底面のカバーを開くとHDDベイとメモリスロットにアクセスできる。システムボードの状況も確認できるが、GeForce 9400M GとAtomがヒートパイプで連結してクーラーファンへ熱を誘導しているのが分かる(写真=左)。ACアダプタのサイズは117(幅)×44(奥行き)×29(高さ)ミリ、重さ187グラムと小型軽量だが、電源コードが太いのが難点だ(写真=右)

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