“かっとび”GPUを統合した「Core i5-661」の実力を正式発表“前”に検証するイマドキのイタモノ(1/3 ページ)

» 2010年01月04日 14時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

“32ナノ”以上にインパクトが強い“GPU統合”

 インテルは、チップセットが担っていた機能を次々とCPUへ統合している。Bloomfieldではメモリコントローラを統合し、LynnfieldではPCI Express x16インタフェースがCPUに統合された。このようにメモリコントローラやグラフィックスインタフェースをCPU内に統合することは、それぞれのバスのレイテンシが削減されて性能面のメリットにつながる。

 今回登場するClarkdaleで統合されたのは、グラフィックス機能(正確にはGMCH相当)だ。AMDもCPUとGPUを融合する「Fusion」を掲げているように、CPUにGPUを1つにまとめる動きはAMDとインテルのx86 CPUにおける進化路線と言える。2011年投入予定のFusionよりClarkdaleは1年先行することになるが、Fusionがワンシリコンと予想されているのに対し、ClarkdaleはCPUとGPUが別ダイのMCP(Multi Chip Package)なので、融合というよりは統合という言葉が当てはまるだろう。

Clarkdaleではグラフィックス機能とメモリコントローラがCPUに統合される(写真=左)。ClarkdaleはGPUを統合したCPUだが、実装方法はMCPなので、ヒートスプレッダの下には2つのダイがあって互いにバスで接続される

 Clarkdaleのメモリコントローラは、BloomfieldとLynnfieldのようにCPU側ではなく、グラフィックスコア側に統合されている。これは、グラフィックスコアがメインメモリの一部をフレームバッファとして用いるためだ。ちなみに、ディスクリートGPUをシステムに組み込んだ場合は、Clarkdaleのグラフィックスコアは省電力モードになって消費電力はほぼゼロになるが、メモリコントローラ部分は電力の供給を受けて動き続ける。

 興味深いのは、CPUとグラフィックスコアがそれぞれ異なるプロセスルールで作られていることだ。ClarkdaleのCPUコアは「Westmere」と呼ばれる32ナノメートルプロセスルールを採用する。一方で、グラフィックスコアは45ナノメートルプロセスルールで製造されたIntel GMA X3000系(Intel G965 Expressなどに統合されていた)を発展させたものになる。

 なお、プロセスルールが異なるため、1つのパッケージに実装された2つのダイは高さが異なることをインテルも認めている。デスクトップPC向けのClarkdaleではヒートスプレッダを被せることで高さの問題を解消しているが、ダイが露出するモバイルPC向けの「Arrandale」ではこの高さの違いを解消するための特別なクーラーデザインが必要になるという。

多彩で複雑なClarkdaleのラインアップ

 Clarkdaleが登場した当初は、Core i5-600番台、および、Core i3-500番台でラインアップを展開する。これらのモデルはデュアルコアを実装するが、ハイパースレッディング・テクノロジーによる4スレッド同時処理を可能にしている。CPU部分の構成トランジスタ数はLynnfieldの約半分であるのに加えて、プロセスルールが32ナノメートルに微細化したことで、グラフィックスコアの構成トランジスタを加えても、TDPは73ワット(グラフィックスコアの動作クロックを挙げているCore i5-661は87ワット)とLynnfieldより低い。

 さらに、Clarkdaleは最上位のCore i5-670で定格の動作クロックが3.46GHzだが、最下位のCore i3-530ですら定格で2.93GHzと、全体的に高い動作クロックが設定されている。Core i5シリーズとCore i3シリーズの大きな違いはインテル ターボ・ブースト・テクノロジー(以下、IBT)への対応で、Core i3シリーズでは利用できない。なお、Core i5-670を例に挙げれば、IBT有効時には3.73GHzまで動作クロックが引き上げられる。

Core iシリーズ Core i7
プロセッサーナンバー 975 965 950 940 920 870 860 860s
コードネーム Bloomfield Lynnfield
対応ソケット形状 LGA1366 LGA1156
規定クロック(GHz) 3.33 3.2 3.06 2.93 2.66 2.93 2.8 2.53
TurboBoost Technology 3.6 3.47 3.33 3.2 2.93 3.6 3.46 3.2
GPU統合
GPU コアクロック(MHz)
プロセッサコア数 4
Hyper-Threading Technology
スレッド同時実行数 8
L3キャッシュメモリ(MB) 8
メモリチャネル数 3 2
メモリサポート 1066 1333
VT-x
VT-d
Intel TXT
AES-NI
CPUプロセステクノロジ 45ナノメートル
GPUプロセステクノロジ
ダイサイズ(mm^2) 263 296
トランジスタ数(Million) 731 774
TDP(W) 130 95 82

Core iシリーズ Core i5 Core i3 Pentium
プロセッサーナンバー 750 750s 670 661 660 650 540 530 G6950
コードネーム Lynnfield Clarkdale
対応ソケット形状 LGA1156
規定クロック(GHz) 2.66 2.4 3.46 3.33 3.33 3.2 3.06 2.93 2.8
TurboBoost Technology 3.2 2.9 3.73 3.6 3.6 3.46
GPU統合
GPU コアクロック(MHz) 733 900 733 533
プロセッサコア数 4 2
Hyper-Threading Technology
スレッド同時実行数 4 4 2
L3キャッシュメモリ(MB) 8 4 3
メモリチャネル数 2
メモリサポート 1333 1066
VT-x
VT-d
Intel TXT
AES-NI
CPUプロセステクノロジ 45ナノメートル 32ナノメートル
GPUプロセステクノロジ 45ナノメートル
ダイサイズ(mm^2) 296 81+114
トランジスタ数(Million) 774 383+177
TDP(W) 95 82 73 87 73

CPU-Zから見たClarkdale(Core i5-661)の仕様。2コア/4スレッドで、2次キャッシュメモリの容量はコアごとに256Kバイト、共有の3次キャッシュメモリの容量は4Mバイトになる

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月13日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  3. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
  4. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  5. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  6. 新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終 (2026年03月13日)
  7. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  8. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
  9. エンスージアスト向けCPU「Core Ultra 200S Plus」登場 Eコア増量+メモリアクセス高速化+バイナリ最適化でパフォーマンス向上 (2026年03月11日)
  10. 新型「MacBook Air」はM5搭載で何が変わった? 同じM5の「14インチMacBook Pro」と比べて分かったこと (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年