── 2010 International CESで注目を集めたIdeaPad U1 hybridで採用されたホットスワップ対応のドッキング技術は、非常に難しい挑戦だったとも思いますが、これを可能にしたブレークスルーとは?
デイビット レノボは、研究開発に対して多くのリソースを投入している。法人向けモデルは日本の大和事業所が、コンシューマー向けモデルはIdeaPadの開発部隊がそれぞれ担当するが、彼らは、ノートPC本体のサイズと重さのバランス、バッテリー駆動時間と性能のバランスを特に重視している。ThinkPad X100eや、ThinkPad T410sを見ても分かるように、これらのバランスを最適化した状態で製品になっている。
ノートPCの開発で、いま最も大きな課題は、ノートPCの性能を維持しながらスマートフォンの携帯性とバッテリー駆動時間を実現することだ。この解決のために、IdeaPad U1 hybridは、ディスプレイ部分を分離して軽量のタブレットデバイスとして使えるようにした。この開発で難しかったのは、PC本体とタブレットデバイスのそれぞれに搭載した2つのCPUと2つのOSを、どのようにして共存させるかだった。
── 同じく、2010 CESで注目されていたSkylightを含めた日本市場投入の可能性は?
デイビット IdeaPad U1 hybridもSkylightも“3G通信機能の内蔵”が重要になる。そのため、日本の通信キャリアと交渉を行っている。合意に至れば、その段階で日本市場への展開ができると思う。データ通信端末とセットで販売する可能性もあるだろう。
── 日本でSkylightを販売する場合、通信キャリアと連携した形態に限定されるのでしょうか。仮に本体単体を販売する場合、SIMロックフリーとするのでしょうか。
デイビット 通信キャリアとの交渉次第だ。SIMロックフリーにした本体の単体販売については現時点で何も決まっていない。
── 日本ではAMDプラットフォームで投入するThinkPad X100eとThinkPad Edge 13”には、開発段階でインテルプラットフォームモデルも検討していたと聞きます。このモデルを投入する予定は?
デイビット ThinkPad X100eのインテルプラットフォームモデルを投入する計画はない。パフォーマンスとバッテリー駆動時間のバランスを考えて、ThinkPad X100eにはAMDのプラットフォームが最適だと判断している。ThinkPad Edge 13”についても同じ考えだが、これから日本市場へ投入を検討している大型ディスプレイ搭載のThinkPad Edgeシリーズでは、インテルプラットフォームを採用したモデルを投入する。
── ThinkPad X300シリーズの後継を望む声もありますが、新モデルが投入されていません。ThinkPad X200シリーズも含めて、Xシリーズは“100”に集約されるのでしょうか。
デイビット ThinkPad X200シリーズは法人向けモデルという位置付けで、多くの機能を実装し小型軽量なのにパフォーマンスも高い。一方、シンプルな使い方にはThinkPad X100eが向いている。ThinkPad X300シリーズは継続販売する方向だが、ThinkPad T410sが好評であることにも注目していきたい。画面サイズがThinkPad X301より大きくなっても本体の重さがほとんど変化していないことは、モバイルPCにとって重要なことだ。
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