実際の作業は、PCパーツの梱包を破るところから始まった。「めったに体験することがない“新品”を開ける喜びを味わってほしかった」と参加者に説明したように、組み立て教室で使われたPCパーツは、すべて新品が用意された。このあたりにも、「ユーザーに自作する喜びを知ってもらう」というMSIの想いが表れている。
MSIが用意したのは、Intel P55 Expressを搭載した「P55-GD55」、グラフィックスカードはRadeon HD 5770搭載の「R5770 PMD1G」などを用意。さらに、CPUにインテルの「Core i5-661」、電源ユニットに玄人志向の600ワットモデル「KRPW-V2-600W」など、協賛のPCパーツベンダー各社の協力を得たパーツが使われた。
組み立ては、マザーボードにCPUとメモリを載せ、PCケースにマザーボードを組み込んでからドライブと電源ユニットを載せるという手順で進められた。石岡氏は、「PCの組み立てに、難しいことはなにもない。ただ、面倒なだけ」と述べているが、その、面倒な部分もMSIのスタッフがサポートすることで、参加している初心者もPCの組み立てを楽しみながら進めていった。
各ステップの解説では、石岡氏やアドバイザーとして参加しているMSIスタッフから「ケースがコンパクトなので、マザーボードを入れるときは、こんな角度でするりと」といった、実に細微なTipsや、ここでは紹介できないような「業界事情」を交えたトリビアを説明しながら、大変明るい雰囲気の中、21時まで作業は進められた。
最後は、組み立てたPCにディスプレイとキーボード、マウスを接続して、1台ずつ電源を入れて動作するかをチェック。一部、動かないPCがあったものの、原因をその場で調べて、なぜ、動かないのかをTipsとして紹介した。ちなみに、今回動かない原因として挙がったのは、コネクタの緩み、そして、CPUソケットのピン曲がりなどだった。

参加者の多くはPCの組み立てが初めてというユーザーだった。マザーボードやCPUを見るのも初めてという彼らは、MSIスタッフの説明に従って慎重にパーツを組み込んでいく(写真=左)。組み立てが終了して電源を入れる。BIOSの設定画面が出てきたら無事成功だ。参加者からおもわず笑みがこぼれた(写真=右)募集段階から反響が多かった、MSIのPC組み立て教室は、これからも、月1から2回のペースで行う予定だという。すでに、第2回の予定も公開されている(詳細はMSI、第二回PC組み立て教室を開催――3月3日受付開始を参照のこと)。
会場の設営から受け付け、講師、サポート、そして、終了後の質問対応と撤収まで、すべて、自分たちで行った「手作り」感いっぱいのワンマンイベントは、リナックスカフェでおなじみの「ベテランパワーユーザー向けイベント」のような派手さはないものの、地道に自作PC業界を支えてくれるのは間違いないだろう。手間と時間と体力がいる大変な作業とは思うが、ぜひ、業界全体のためにも継続してもらいたいイベントだ。
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