「VAIO P」2010年夏モデル徹底検証(後編)――“Z560+US15X”の真価を問う直販/店頭/旧モデルをガッツリ比較(2/5 ページ)

» 2010年05月31日 12時40分 公開

エクスペリエンスインデックス、PCMark05、CrystalMark 2004R3のスコア

 まずはWindows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスと、総合ベンチマークテストのPCMark05ならびにCrystalMark 2004R3(ひよひよ氏作)を実行し、システム全体のパフォーマンスを調べた。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア
PCMark05のスコア
CrystalMark 2004R3のスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は、4台ともプライマリハードディスクのスコアが最も高かった。64GバイトUltra ATA SSD搭載の標準仕様モデルで5.2、256GバイトSerial ATA SSD搭載のVAIOオーナーメードモデルでは6.2〜6.3までスコアが上昇しており、パフォーマンスに差があることが分かる。

 メモリは4.3〜4.4、グラフィックスは4.4〜4.6とほぼ横並びだ。グラフィックスのスコアはまずまずだが、実際の性能を正しく示しているとはいいがたい。VAIO PではWindows Aeroをオンにするとパフォーマンスが低下するため、Aeroはオフの状態で出荷されており、ソニーはそのままの状態での仕様を推奨している。Aeroをオンにすることも可能だが、Windowsフリップ3Dやタスクバーアイコンのプレビューといった動作は多少もたつく。

 一方、ゲーム用グラフィックスの値は一番低く、2.4〜2.6という結果になった。次に低いプロセッサは、Atom Z 530(1.6GHz)で2.2、Atom Z 550(2.0GHz)で2.7〜2.9、Atom Z 560(2.13GHz)で3と差が付いた。Atom Z搭載機なので全体的なスコアは控えめだが、Atom Z 560(2.13GHz)とIntel SCH US15Xを備えたVPCP11ALJ(ブラック)がわずかにリードしているのが目立つ。

 こうした傾向は、PCMark05とCrystalMark 2004R3でも同様だ。HDDのスコアを見ると、標準仕様モデルの64GバイトUltra ATA SSDと、VAIOオーナーメードモデルで選べる256GバイトSerial ATA SSDとでは大きな違いがある。64GバイトUltra ATA SSDに比べて、PCMark05のHDDスコアで4倍近く、CrystalMark 2004R3のHDDスコアで約1.6〜1.7倍の差が見られた。

 256GバイトSerial ATA SSDを内蔵した構成はCPUも少し速いので、厳密な比較とはいえないが、これくらいの動作クロックの差であれば、HDDテストに与える影響はごく少なく、HDDスコアの差はそのまま受け取って問題ない。

 対して、CPUのスコアはSSDほどの差が出ていない。PCMark05の結果を見ると、標準仕様モデルのAtom Z530(1.6GHz)に比べて、VAIOオーナーメードモデルで選べるAtom Z550(2.0GHz)は約1.3倍、Atom Z560(2.13GHz)では約1.4倍にスコアが伸びており、動作クロックの上昇に応じた順当な性能向上といえる。

PCMark05 HDDテスト、CrystalDiskMark 2.2のスコア

 性能の差が大きかったSSDの違いをより詳しく調べるため、PCMark05のHDD関連テストとCrystalDiskMark 2.2(ひよひよ氏作)も実行した。ここでは特別にVAIOオーナーメードモデルでAtom Z550(2.0GHz)と128GバイトSerial ATA SSD(デバイスマネージャ上では「TOSHIBA THNSNB128GMLJ」)を選択した構成のテスト結果も併記している。データストレージ以外のスペックは、Atom Z550(2.0GHz)と256GバイトSerial ATA SSDを備えた構成と同じだ。

 PCMark05のHDD関連テストは、実際の利用シーンを想定したデータの読み書きを行う。テスト内容は、XP Startup(Windows XPの起動をトレース/データのリードが中心)、Application Loading(アプリケーション6種類の起動をトレース/リードが中心)、General Usage(WordやIEなど標準的なアプリケーションの使用をトレース/リード60%、ライト40%)、Virus Scan(600Mバイトのウイルススキャン/データのリードが中心)、File Write(680Mバイトのファイル書き込み/ライト100%)の5つで構成される。

 CrystalDiskMark 2.2はシンプルにディスクのデータ読み書き性能を調べるテストだ。シーケンシャル/ランダムのリード/ライト速度を計測できる。今回は1000Mバイトの設定でテストした。

PCMark05 HDD関連テストのスコア
CrystalDiskMark 2.2のスコア

 結果はやはり128G/256GバイトSerial ATA SSDが、64GバイトUltra ATA SSDを大きく上回った。64GバイトUltra ATA SSDはとりわけデータのランダムライト速度が遅いが、128G/256GバイトSerial ATA SSDによって大幅に改善できている。また、旧モデルの256GバイトSerial ATA SSDより全体的に少し高いスコアを獲得している点にも注目したい。

 今回入手した新モデルが搭載していた128GバイトSerial ATA SSDと256GバイトSerial ATA SSDは同じモデルの容量違いで、テスト結果は同レベルだ。Ultra ATA変換のボトルネックによって、ドライブ自体のパフォーマンスは最大限に発揮できていないものの、それでも64GバイトUltra ATA SSDよりかなり高速だった。パフォーマンスを少しでも高めたいならば、VAIOオーナーメードモデルで128G/256GバイトSerial ATA SSDの搭載を検討すべきといえる。

Sony Style(ソニースタイル)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月27日 更新
  1. マウスコンピューターがPC全製品の受注を停止 法人向けPC「Mouse Pro」も購入不可能に 販売再開は2026年1月5日から順次 (2025年12月26日)
  2. そのアプリ、本当に安全ですか? スマホ新法で解禁された「外部ストア」と「独自決済」に潜むリスク (2025年12月26日)
  3. さらばWindows 10、ようこそ“画面付き”パーツ 古参も新規もアキバに集った2025年を振り返る (2025年12月26日)
  4. 25Gbpsインターネット時代の“モンスターマシン” ミニワークステーション「Minisforum MS-02 Ultra」を試す (2025年12月25日)
  5. Ryzen 7×GeForce RTX 5050 Laptop GPUの「ASUS TUF Gaming A16 FA608UH」がセールで16万9800円に (2025年12月25日)
  6. HHKB Studio専用の「木製」「アルミ製」キートップが登場 PFUダイレクトで1月5日発売 (2025年12月25日)
  7. 「買うならお早めに」が悲痛な叫びに変わった年末 猛暑の後に“価格高騰”の寒波が襲った2025年PCパーツ街 (2025年12月25日)
  8. 「テクノロジーが前面に出すぎていた」――アイロボットジャパン新社長が語る、ルンバ復権への“原点回帰” (2025年12月25日)
  9. ソースネクストが8万9800円(期間限定で7万4800円)の「Windows 11 Pro 15.6インチノート型PC 1TB」を販売開始――ストレージ容量を倍増 (2025年12月26日)
  10. 高コスパNASから小型スマホの救世主まで! 2025年にグッと来た「デジタル仕事道具」ベスト5 (2025年12月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー