「VAIO P」2010年夏モデル徹底検証(後編)――“Z560+US15X”の真価を問う直販/店頭/旧モデルをガッツリ比較(1/5 ページ)

» 2010年05月31日 12時40分 公開

後編は計4台のVAIO Pを横並びでテストする

ソニーの薄型軽量ミニノートPC「VAIO P」2010年夏モデル

 3回に渡ってお届けしてきた「VAIO P」2010年夏モデルのレビューもいよいよ最終回を迎える。

 先に掲載したレビュー前編では、一新されたボディデザインや基本スペック、キーボードとタッチパッドの使い勝手、液晶ディスプレイの視認性などをチェックし、続くレビュー中編では3つの内蔵センサー(加速度、地磁気、照度)がもたらす新機能やプレイステーション 3との連携について見てきた。

 今回のレビュー後編では、スペックが異なる3台の新型VAIO Pと従来モデルを用意し、パフォーマンスやWindows 7の基本動作にかかる時間、バッテリー駆動時間、動作時の発熱などをじっくりテストしていく。

 なお、PC USERではレビュー以外にも、実機を分解しながらの開発者インタビュー、製品発表会のリポートなど、新型VAIO Pに関連した情報を多数公開している。下記の囲みにある記事も併せてご覧いただきたい。


Z560+US15Xの構成をいち早く入手

 今回入手した3台の新型VAIO Pは、Atom Z560(2.13GHz)と256GバイトSerial ATA SSD搭載のハイエンドなソニースタイル直販VAIOオーナーメードモデル「VPCP11ALJ(ブラック)」、Atom Z550(2.0GHz)と256GバイトSerial ATA SSD搭載のVAIOオーナーメードモデル「VPCP11ALJ(オレンジ)」、そしてAtom Z530(1.6GHz)と64GバイトUltra ATA SSD搭載の店頭販売向け標準仕様モデル「VPCP119KJ/P(ピンク)」だ。また、比較用としてAtom Z550(2.0GHz)と256GバイトSerial ATA SSD搭載の従来モデル「VGN-P92LS」も用意している。

 レビュー前編で紹介した通り、128Gバイト/256GバイトSerial ATA SSDはUltra ATA/100変換アダプタ経由でチップセットに接続される。標準仕様モデルが内蔵するUltra ATA SSDとVAIOオーナーメードモデルで選べるSerial ATA SSDの性能差、CPUグレードを上げた場合のパフォーマンスアップが気になるところだ。

 特にVAIOオーナーメードモデルで新採用のAtom Z560(2.13GHz)を選択すると、チップセットがIntel SCH(System Controller Hub) US15Wから、同US15Xに変更される点は見逃せない(選択時の製品着荷は7月上旬以降を予定)。US15Xでは内蔵グラフィックスコアのIntel GMA 500が200MHzから266MHzに高クロック化されるため、CPUの高速化も合わせてどの程度パフォーマンスが改善されるのかが見ものだ(そのほかの機能は基本的にUS15Wと変わらない)。また、Atom Z550(2.13GHz)と256GバイトSSDを搭載した新旧モデルの比較にも注目してほしい。

 これら4台のスペック表とデバイスマネージャの画面は以下にまとめた。スペック表には重量の実測値も掲載しているが、いずれも600グラム程度と軽い。なお、最軽量となる約595グラムの構成は、ブラッククロコダイル以外のカラー、64GバイトUltra ATA SSD、無線WANなし、WiMAXなし、ワンセグチューナーなし、ノイズキャンセリングヘッドフォンなし、Webカメラなし、英字配列キーボード、Sバッテリーを選択した場合の値だ。

Atom Z560(2.13GHz)と256GバイトSerial ATA SSD搭載のVAIOオーナーメードモデル「VPCP11ALJ(ブラック)」
Atom Z550(2.0GHz)と256GバイトSerial ATA SSD搭載のVAIOオーナーメードモデル「VPCP11ALJ(オレンジ)」
Atom Z530(1.6GHz)と64GバイトUltra ATA SSD搭載の標準仕様モデル「VPCP119KJ/P(ピンク)」

今回テストした「VAIO P」
モデル名 VPCP11ALJ(ブラック) VPCP11ALJ(オレンジ) VPCP119KJ/P VGN-P92LS(旧モデル)
モデル区分 VAIOオーナーメードモデル 標準仕様モデル VAIOオーナーメードモデル
発売日 2010年5月22日 2009年10月22日
OS 32ビット版Windows 7 Professional 32ビット版Windows 7 Home Premium 32ビット版Windows 7 Professional
ボディカラー ブラック オレンジ ピンク オニキスブラック・モザイク
CPU Atom Z560(2.13GHz) Atom Z550(2.0GHz) Atom Z530(1.6GHz) Atom Z550(2.0GHz)
メインメモリ 2Gバイトオンボード(DDR2-533 SDRAM)
チップセット Intel SCH US15X Intel SCH US15W
グラフィックス チップセット内蔵(Intel GMA 500)
液晶ディスプレイ 8型ワイド(1600×768ドット)、LEDバックライト・低反射コート
データストレージ SSD 256Gバイト SSD 64Gバイト SSD 256Gバイト
無線WAN+GPS
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n IEEE802.11b/g/n IEEE802.11a/b/g/n IEEE802.11b/g/n
WiMAX 搭載 搭載
Bluetooth Bluetooth 2.1+EDR準拠
ワンセグ
NCヘッドフォン
Webカメラ MOTION EYE(有効画素数31万画素)
キーボード 英語 日本語(かな文字あり) 日本語・ダークブラウン
バッテリー Sバッテリー
本体サイズ 245(幅)×120(奥行き)×19.8(高さ)ミリ
重量(公称値) 約612グラム 約611グラム 約619グラム 約588グラム〜
重量(実測値) 約607グラム 約607グラム 約613グラム 約599グラム
価格 14万2300円 11万9800円 実売10万円前後 11万300円(販売終了)

VPCP11ALJ(ブラック)のデバイスマネージャ画面。256GバイトSSDはSerial ATAタイプ(Ultra ATA変換で接続)で、「TOSHIBA THNSNB256GMLJ」とある。IEEE802.11a/b/g/nの無線LANとWiMAXによるコンボカード「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」を搭載する

VPCP11ALJ(オレンジ)のデバイスマネージャ画面。256GバイトSSDはSerial ATAタイプ(Ultra ATA変換で接続)で、「TOSHIBA THNSNB256GMLJ」とある。IEEE802.11b/g/nの無線LANカード「Atheros AR9285」を備える

VPCP119KJ/P(ピンク)のデバイスマネージャ画面。64GバイトSSDはUltra ATAタイプで、「SanDisk pSSD-P2」とある。IEEE802.11a/b/g/nの無線LANとWiMAXによるコンボカード「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」を採用

VGN-P92LS(旧モデル)のデバイスマネージャ画面。256GバイトSSDはSerial ATAタイプ(Ultra ATA変換で接続)で、「Samsung MMDPE56GFDXP-MVB」とある。IEEE802.11b/g/nの無線LANカード「Atheros AR928X」が装着されている

左から、Atom Z560(2.13GHz)、Z550(2.0GHz)、Z530(1.6GHz)搭載時におけるCPU-Z 1.54のCPUタブ表示。Z560では動作クロックが2.13GHzまで達した

Atom Z560(2.13GHz)+Intel SCH US15X搭載時におけるCPU-Z 1.54のMainboardタブ表示。最新チップセットゆえ、ソフト上では名前が正しく認識されていない
Atom Z560(2.13GHz)+Intel SCH US15X搭載時におけるCPU-Z 1.54のGraphicsタブ表示。内蔵グラフィックスコアはほかと同じIntel GMA 500だ
Atom Z560(2.13GHz)+Intel SCH US15X搭載時におけるGPU-Z 0.4.3のGraphics Cardタブ表示。実際のGPUクロックは266MHzだが、この画面上ではほかと同じ200MHzだ

Sony Style(ソニースタイル)
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