レビュー
» 2010年05月31日 12時40分 公開

直販/店頭/旧モデルをガッツリ比較:「VAIO P」2010年夏モデル徹底検証(後編)――“Z560+US15X”の真価を問う (3/5)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

3DMark06/05、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア

 VAIO Pは3Dグラフィックス性能を重視したモデルではないが、新採用のIntel SCH US15Xチップセットでは内蔵グラフィックスコアのIntel GMA 500が200MHzから266MHzに高クロック化される。そこで、3D描画性能を測定する3DMark06と3DMark05、定番ゲームテストのFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3も走らせた。

3DMark06(1024×768ドット)のスコア
3DMark05(1024×768ドット)のスコア
FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト3のスコア

 これらのスコアを見ると、確かにチップセットがIntel SCH US15XにアップグレードされるAtom Z560(2.13GHz)と256GバイトSerial ATA SSD搭載のVPCP11ALJ(ブラック)は、Intel SCH US15W採用の3台を一歩リードしており、チップセット内蔵グラフィックスの高クロック化が結果に現れた。

 とはいえ、高クロックになってもIntel GMA 500は、Netbook標準のグラフィックスコアであるIntel GMA 3150/Intel GMA 950より3D描画性能が低いため、総じてスコアは振るわない。DirectX 8.1世代の少々古いテストであるFF XIベンチ3の結果を見ても、解像度が低いLow設定で887にとどまり、プレイは困難といえる。Intel SCH US15Xによる3Dグラフィックス性能の強化はあまり期待しないほうがいいだろう。

Windows 7の各種動作時間

Windows 7の各種動作にかかる時間

 定番のベンチマークテストプログラムを一通り実行したところで、今度は実際にWindows 7の各種動作にかかる時間をストップウォッチで計測してみた。計測したのは、Windows 7の起動、スリープへの移行と復帰、休止状態への移行と復帰、シャットダウンの動作にかかる時間だ。Windowsの起動時間は電源ボタンを押してから「ようこそ」画面が出るまでの時間と、デスクトップ画面が表示されるまでの時間の2段階で計測した。

 VAIO Pの設定は基本的にデフォルトで、ACアダプタを接続した状態だ。各動作時間にはバラツキがかなりあるので、計測は10回以上行い、異常な数値が出た場合はそれを排除してから平均値を算出した。Windows 7のアップデートをすべて行った状態でテストしたが、当然ながらアプリケーションの追加などで、各動作時間は大きく変わる。

 測定結果には右上のグラフに示した通りだ。これまで実行したベンチマークテストのスコアから予想される通り、Atom Z560(2.13GHz)とIntel SCH US15X、256GバイトSerial ATA SSDを搭載したVPCP11ALJ(ブラック)がほかの3台よりわずかに高速だった。特にAtom Z530(1.6GHz)と64GバイトUltra ATA SSD搭載の標準仕様モデルに比べて、体感速度は結構違う。

 一方でデータストレージをそろえた場合、Atom Z560(2.13GHz)+Intel SCH US15Xの構成とAtom Z550(2.0GHz)+Intel SCH US15Wの構成では、体感速度に期待したほどの大差はない。プリインストールOSにWindows 7を採用したことにより、スペックが控えめな標準仕様モデルでもWindowsがそこそこ動くのだから、Atom Z560(2.13GHz)までアップグレードしなくても、Atom Z550(2.0GHz)と128Gバイト/256GバイトSerial ATA SSDを選択すれば、Windows 7の基本動作にストレスを感じるシーンが少なくなる。

Intel SCH US15Xを選択すると、グラフィックスコアの動作クロックを切り替えられる

 もっとも、Atom Z560(2.13GHz)+Intel SCH US15Xの構成は、Windowsやアプリケーションの起動、縦位置/横位置表示の画面切り替え、動画ファイルを開いてから再生されるまでの待ち時間などが少し減る場面もあり、システムとして余裕が出てくる印象だ。性能より携帯性を優先させたAtom Z搭載のミニノートPCであっても、パフォーマンスはできる限り高くしたいというユーザーは、検討してみるといいだろう。

 これは余談だが、Intel SCH US15Xを選択すると、「VAIOの設定」に「パフォーマンス設定」のメニューが追加され、グラフィックスコアの動作クロックを省電力優先(200MHz)かパフォーマンス優先(266MHz)に変更できるようになる。

 なお、Intel GMA 500における動画の再生支援機能は健在だ。Intel SCH US15Xと同US15Wで再生支援機能の違いはないという。この再生支援機能はグラフィックスドライバと再生ソフト側のサポートによって品質が大きく異なるが、ソニーによれば、現状でWindows 7上のWindows Media Player 12/Windows Media Centerで再生支援が効く形式はMPEG-4 AVC/H.264、MPEG-2、VC-1、DivXとなっており、VAIO Media Plusではこれらに加えてMPEG-4とDV-AVIにも対応するとのこと。また、Flash 10.1については既にドライバ側での対応はできており、アドビシステムズがAtom Z対応のFlash 10.1をリリースすれば、再生支援が可能になる見込みだそうだ。

 実際に試したところ、今回入手したIntel SCH US15X搭載の試作機ではドライバが不完全のようで、VC-1のHD動画再生時にカラーノイズが乗るなど問題があった。そのため、動画再生の詳しい検証は行わなかったが、製品版では改善されると思われる。YouTubeではSD(360p/480p)の映像ならば大抵実用レベルで視聴できるが、HD(720p/1080p)の映像になると厳しい。

Sony Style(ソニースタイル)

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