中国をよく知る中国メーカーが作った電子ブックリーダーを買っちゃった山谷剛史のアジアン・アイティー(1/2 ページ)

» 2010年07月28日 17時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

Kindleに似ているようで似ていない

これが中国製で一番人気の電子ブックリーダー「漢王のF30」だ!

 最近になって、中国のメーカーが開発した電子ブックリーダーを店頭で見かける機会が増えてきた。PC周辺機器メーカーの「愛国者」(aigo)や、ポータブルAVプレーヤーを手がける「OPPO」、そして、大容量USBメモリを主に扱う「台電」など、多くの中国メーカーが電子ブックリーダーをリリースしている。そのラインアップは、メジャーなE Inkを採用するものから、中国で独自に開発された(自称)電子ブックリーダー専用カラーTFT液晶パネルを搭載したものまでと多彩だ。

「Kindle」や「iPad」といった海外製品はさておき、中国の国内では、中国製の電子ブックリーダーが激しくシェアを争っている。その「中国独自開発の製品を巡る争い」の状況は、なにやら、Blu-ray Discが世界中で普及していく傍らで、EVDだCBHDだともめていた「次期光ディスクの中国独自規格」騒動を思い出すが、そんな中国市場をリードしつつある製品が、「漢王」というメーカーがリリースするモデルだ(EVDとCBHDについては、中国独自規格「CBHD」でHD DVDが復活する……のか?と、迷走する“EVD”を試しに購入してみた(後編)を参照のこと)。その漢王のラインアップで最も人気なのが、E Inkを採用したエントリーモデル「F30」だ。価格は1880元(日本円で2万5000円強)。ちなみに、漢王の直営店は上海や北京といった国際都市だけでなく、地方都市など中国全土に広く展開してる。

 中国のハードウェア製品にしてはちょっと高級なパッケージを開封すると、中には本体のほかに、“シンプルすぎる”説明書と、ケーブル類、そして、2枚のDVDが付属していた。本体の電源を入れると、まず最初に「本を読まぬ人、本を読まぬ国民に未来はない。温家宝」という、国務院総理(日本でいうところの首相)のありがたい言葉が表示され、それからメニュー画面が表れる。

パッケージはカラフル(写真=左)。中身はいろいろな意味で盛りだくさん(写真=右)。ただ、シンプルすぎる説明書に泣かされた

開封したパッケージからF30を取り出して(写真=左)、電源を入れると、国家首相のありがたいお言葉が!(写真=右)

 F30のディスプレイサイズはKindleと同じ6型で、その左脇に「ページめくりボタン」、ディスプレイの下にはキーボードを用意するなど、レイアウトもKindleに似ている。ただし、Kindleにあるポインティングデバイスやメニューボタンが、F30ではキーボードに収容されているなどの違いがある。このように、外見をKindleによく似せた一方で無線接続に対応しない。その代わりにmicroSD(中国ではTFカードという)スロットとMini USBを本体に用意しているので、読みたいコンテンツをPCなどの“母艦”にダウンロードしてからF30に放り込むことになる。

 無線接続をサポートしないのは、F30に限った話ではない。多くの中国メーカーが扱う多くの電子ブックリーダーでも同様だ。「電子ブックリーダーで読むコンテンツはいったんPCでダウンロード」というのが、中国における電子ブック利用のスタンダードとなっている。

液晶ディスプレイの下に搭載するキーボード。カーソルキーの脇にMENUキーがさりげなく用意されている(写真=左)。F30では、PDFファイルとテキストファイルのほか、Microsoft Wordで作成したdocファイルも利用できる(写真=右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
  2. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  3. 新型「MacBook Air」はM5搭載で何が変わった? 同じM5の「14インチMacBook Pro」と比べて分かったこと (2026年03月10日)
  4. リュック1つで展示会セミナーの音響セット構築レポ 現場で得た“2.4GHz帯混信地獄”を生き抜く教訓 (2026年03月11日)
  5. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  6. 最新Core Ultra X7 358Hの破壊力! 16型OLED搭載で内蔵GPUがディスクリート超え!? Copilot+ PC「Acer Swift 16 AI」レビュー (2026年03月10日)
  7. 「iPhone 17e」実機レビュー! 9万9800円で256GB&MagSafe対応 ベーシックモデルの魅力と割り切り (2026年03月09日)
  8. 「GeForce NOW」がサービスをアップデート Apple Vision ProやMeta Questで最大90fpsのゲーミングが可能に (2026年03月11日)
  9. 出張や通勤で荷物が増えても安心な「ミレー ビジネスリュック EXP NX 20+」が27%オフの1万3865円に (2026年03月10日)
  10. 自作PCを売却して「Mac Studio」へ ローカルLLMサーバ移行で得られた驚きの“ワッパ”と安心感 (2026年03月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年