液晶ディスプレイは画面サイズが20型ワイド(アスペクト比16:9)で、解像度は1600×900ドットに対応する。画面サイズと解像度のバランスがよく、初期状態でアイコンや文字の視認性は高い。フルHDとまではいかないが、エントリークラスとしては高い解像度を確保しており、広い作業領域が得られる。
表示品質については、輝度があまり高くなく、コントラスト、発色ともに落ち着いている。派手さはないが、目の負担が少ないため、映像コンテンツの視聴より、Webブラウズや文書作成に向いているような表示だ。ただし、ディスプレイの表面は光沢仕上げなので、設置場所によっては照明や周囲の風景が映り込みやすい。TN方式の液晶パネルなので上下方向の視野角は狭いが、正面近くから映像コンテンツを見るぶんには問題ないだろう。
画質の調整に関しては、ASUS独自のソフトウェア「Eee Splendid」が用意されており、Splendid、Vivid、Soft、Theaterといった画質モードが選択できる。これにより、初期状態では落ち着いている表示にメリハリをもたせて、映像視聴向けに味付けすることも可能だ。その効果は一目見て分かるほど強い半面、誇張しすぎの感もあるので、表示する内容に応じて使い分けるのがいいだろう。
また、本体のOSDメニューからは輝度、コントラスト、色温度を含む画質モード(冷たい、通常、温かい、sRGB、ユーザーモード)の設定ができ、ユーザーモードではRGB個別のゲインを調整することが可能だ。低解像度表示のスケーリング機能は4:3(アスペクト比を維持して拡大表示)と、Full(全画面引き伸ばし拡大表示)の2種類が選べる。これらOSDメニューからの設定は、HDMI入力で外部ディスプレイとして使う場合に役立つ。
ET2010AGT最大の特徴ともいえる指2本によるマルチタッチ対応の光学式タッチパネルは、NextWindowの「NextWindow 1950 Touch Screen」を採用する。NextWindowはニュージーランドの光学式タッチスクリーンメーカーで、ソニーやNEC、デル、HPといった大手PCメーカーの採用例も多い。ET2010AGTのマルチタッチ機能は、Windows 7 Home Premium標準搭載の「Windowsタッチ」によって提供されている。
タッチ操作のレスポンスはまずまずで、シングル/ダブルタップやスクロールはタッチパネルに触れると同時に動作し、プレスアンドホールド(画面の長押しで、右クリック動作を行うこと)の反応も問題ない。指2本で画像やWebページを拡大/縮小したり、画像を回転させたりといったマルチタッチでは、指の動きにワンテンポ遅れて画面表示がついてくる感じだが、十分日常的に利用できるレベルといえる。
タッチパネル対応アプリケーションとしては、Windows標準のペイントツール「ペイント」やキャプチャツール「Snipping Tool」などに加えて、ASUSオリジナルの伝言板ツール「Eee Memo」がプリインストールされている。ペイントやSnipping ToolはタッチパネルがないPCでも使えるツールだが、タッチ操作だと実用性がかなり高まるので、試してみると面白いだろう。
そのほか、Webカメラの撮影時に多彩なエフェクトを付加して楽しめる「Eee Cam」、デスクトップ上部のランチャーからさまざまなコンテンツやサービスにアクセスできる「Eee Docking」といった独自のアプリケーションも備えている。Eee Dockingからは、音楽や電子書籍、インターネットラジオなどのコンテンツを提供する「ASUS @Vibe」や、カジュアルゲームを提供する「ゲームパーク」などのサービスを利用可能だ。
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