7万円台の“侮れない”マルチタッチ対応PC――「ET2010AGT」実力診断Windows 7のタッチ機能を堪能できる(2/3 ページ)

» 2010年08月12日 10時00分 公開
[富永ジュン(撮影:矢野渉),ITmedia]
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1600×900ドット表示の20型ワイド液晶は画質調整に対応

光学式タッチパネル付きの20型ワイド液晶ディスプレイを装備

 液晶ディスプレイは画面サイズが20型ワイド(アスペクト比16:9)で、解像度は1600×900ドットに対応する。画面サイズと解像度のバランスがよく、初期状態でアイコンや文字の視認性は高い。フルHDとまではいかないが、エントリークラスとしては高い解像度を確保しており、広い作業領域が得られる。

 表示品質については、輝度があまり高くなく、コントラスト、発色ともに落ち着いている。派手さはないが、目の負担が少ないため、映像コンテンツの視聴より、Webブラウズや文書作成に向いているような表示だ。ただし、ディスプレイの表面は光沢仕上げなので、設置場所によっては照明や周囲の風景が映り込みやすい。TN方式の液晶パネルなので上下方向の視野角は狭いが、正面近くから映像コンテンツを見るぶんには問題ないだろう。

 画質の調整に関しては、ASUS独自のソフトウェア「Eee Splendid」が用意されており、Splendid、Vivid、Soft、Theaterといった画質モードが選択できる。これにより、初期状態では落ち着いている表示にメリハリをもたせて、映像視聴向けに味付けすることも可能だ。その効果は一目見て分かるほど強い半面、誇張しすぎの感もあるので、表示する内容に応じて使い分けるのがいいだろう。

Windows 7上で動作する画質調整ツール「Eee Splendid」を使えば、映像コンテンツ向けにコントラストを強調した表示にできる

 また、本体のOSDメニューからは輝度、コントラスト、色温度を含む画質モード(冷たい、通常、温かい、sRGB、ユーザーモード)の設定ができ、ユーザーモードではRGB個別のゲインを調整することが可能だ。低解像度表示のスケーリング機能は4:3(アスペクト比を維持して拡大表示)と、Full(全画面引き伸ばし拡大表示)の2種類が選べる。これらOSDメニューからの設定は、HDMI入力で外部ディスプレイとして使う場合に役立つ。

液晶フレーム右下のMENUボタンを押すと、ディスプレイ設定用のOSDメニューが起動する。ここから、輝度やコントラスト、色温度、スケーリングなどの設定が可能だ

マルチタッチ対応の独自ツールも用意

 ET2010AGT最大の特徴ともいえる指2本によるマルチタッチ対応の光学式タッチパネルは、NextWindowの「NextWindow 1950 Touch Screen」を採用する。NextWindowはニュージーランドの光学式タッチスクリーンメーカーで、ソニーやNEC、デル、HPといった大手PCメーカーの採用例も多い。ET2010AGTのマルチタッチ機能は、Windows 7 Home Premium標準搭載の「Windowsタッチ」によって提供されている。

 タッチ操作のレスポンスはまずまずで、シングル/ダブルタップやスクロールはタッチパネルに触れると同時に動作し、プレスアンドホールド(画面の長押しで、右クリック動作を行うこと)の反応も問題ない。指2本で画像やWebページを拡大/縮小したり、画像を回転させたりといったマルチタッチでは、指の動きにワンテンポ遅れて画面表示がついてくる感じだが、十分日常的に利用できるレベルといえる。

 タッチパネル対応アプリケーションとしては、Windows標準のペイントツール「ペイント」やキャプチャツール「Snipping Tool」などに加えて、ASUSオリジナルの伝言板ツール「Eee Memo」がプリインストールされている。ペイントやSnipping ToolはタッチパネルがないPCでも使えるツールだが、タッチ操作だと実用性がかなり高まるので、試してみると面白いだろう。

Windows標準の「ペイント」はタッチ操作だと魅力的なツールになる。画面を指でなぞって作品を描き上げていくこともできるが、画像にプリクラ感覚で書き込みや装飾をして手軽に楽しんでもいい
「Eee Memo」では、上部に表示されている付せんから好きな色を選んでタップし、指で直接画面をなぞって書き込みをする。常に全画面表示となるため、伝言板として活用できる
Eee Memoで付せんを選択し、指で画面をなぞって文字を書き込んでいる例。ペンの色や太さが選べるのはもちろん、音声やビデオの追加、プリント、メールへの添付といった機能もある

 そのほか、Webカメラの撮影時に多彩なエフェクトを付加して楽しめる「Eee Cam」、デスクトップ上部のランチャーからさまざまなコンテンツやサービスにアクセスできる「Eee Docking」といった独自のアプリケーションも備えている。Eee Dockingからは、音楽や電子書籍、インターネットラジオなどのコンテンツを提供する「ASUS @Vibe」や、カジュアルゲームを提供する「ゲームパーク」などのサービスを利用可能だ。

Windowsのデスクトップ上部に表示されるランチャーの「Eee Docking」。大きめのメニューでタッチ操作もしやすい
Eee Dockingからアクセスできる「ASUS @Vibe」。日本のマンガや写真集、小説、音楽などのコンテンツが用意されている

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