ノートPCで3D映像を体験――ツートップ「VIP Note-SR 740CU/360M-3D」メガネをかければそこは3Dの世界(1/2 ページ)

» 2010年08月17日 18時00分 公開
[小川夏樹,ITmedia]

120Hz駆動で3D Vision対応の15.6型ワイド液晶を搭載

VIP Note-SR 740CU/360M-3D

 3D立体視に対応するノートPCが各社から投入されているが、できるだけ安価に入手したいと考えるなら、いわゆる“ショップブランド”の製品が狙い目だ。ツートップ、フェイス、パソコン工房の3ブランドで多彩な商品展開を行うユニットコムも、NVIDIAの3D映像化技術に対応したノートPCをラインアップしている。

 今回試用したのは、15.6型ワイドの高性能なゲーミングノートPCに、3Dグラスキットをセットにしたツートップの「VIP Note-SR 740CU/360M-3D」で、デスクトップPCの代わりにも使える“万能ノート”といった趣の強い製品である。本機は、3DゲームやDVDビデオ、BDタイトルをリアルタイムで立体映像に変換していくNVIDIAの3D映像化技術「3D Vision」に対応しており、付属の3Dグラスキット(USB接続のIRコントローラと3Dグラス本体、ドライバ&ツール類)と組み合わせることで、手軽に3D映像化処理を施したゲームや動画を楽しめるのが特徴だ。NVIDIAコントロールパネルを開くと、NVIDIAが認証した製品であることを証明する「3D VISION-Ready」ロゴが表示される。

製品版の光学ドライブは2倍速のBlu-rayドライブ搭載となるのだが、評価した試作モデルでは、デバイスマネージャでも確認できるようにOptiarcの「AD-7580S」というDVDスーパーマルチドライブが搭載されていた(画面=左)。NVIDIAコントロールパネルを開くと3D Visionに完全対応している場合にだけ、このように「3D VISION-Ready」ロゴが表示される。このロゴはNVIDIAの認証を受けたハードウェアでないと表示されない(画面=右)

 15.6型のワイド液晶パネルは、グレアタイプのいわゆる“テカテカ液晶”で、解像度は1366×768ドット、先述したように3D Visionに対応する120Hz駆動だ。ちなみに別ブランドの製品では1920×1080ドットのフルHD解像度液晶も選択可能だが、3D Vision対応モデルは1366×768ドットのパネルになる。おそらく120Hz駆動に対応したフルHD解像度の液晶は、まだコスト面で不利なのだろう。なお、液晶ディスプレイ上部中央には、SkypeやWindows Live Messengerの映像通話に利用できる200万画素のWebカムを搭載している。

 キーボードは、この手のフルサイズBTOノートに多いアイソレーションタイプで、一部のキーはファンクションキーとの組み合わせて利用するレイアウトだが、テンキーまで搭載している。ストロークがそれほど深いわけではないものの、打鍵感は悪くないし、入力時の反応も満足できるレベルだ。

1366×768ドット表示に対応する液晶ディスプレイは3D Visionに対応する120Hzで駆動する(写真=左)。余裕のあるキーボードは10キー付きだ(写真=右)

必要十分なインタフェース類に加えUSB 3.0対応ポートも搭載

 デスクトップPCの代わりにもなるノートPCらしく、インタフェース類に関しては必要十分な構成だ。右側面には音声入出力関連のステレオジャック類が並び、そこにUSB 3.0対応ポートが用意されている。ここに外付けのUSB 3.0対応HDDなどを接続すれば最大5Gbps(理論値)の高速な転送速度で利用できる。その奥には54/34のExpressカードスロット、eSATAポート×1、外部出力用のDVI-I端子×1が並ぶ。ただ、欲を言えばUSB 3.0ポートがもう1ポートあると、さらに使い勝手が上がったのではないかと思う。ちなみに、電源ボタンは右側のヒンジ部分に設けられており、最初はどこにあるのかと探してしまった。

 一方、本体背面側には、両側に冷却ファンからの排気口が大きく口を開けており、そのためインタフェース類は中央側にまとめられている。まずはケンジントン・ロックがあり、それから外部出力用のHDMI端子、AC電源用コネクタ、USB 2.0が2ポート、いまどき珍しく56Kモデム端子が搭載されているのがユニークだ。

 左側面には光学ドライブが搭載される。その奥には4ピンのIEEE1394ポート×1、USB 2.0ポート×1、そしてSD/MMC/メモリースティック対応のメディアカードスロット、ギガビットLANポートといった順で並んでいる。

本体前面/背面

本体左側面/右側面

 ちなみに、付属のACアダプタはかなりゴツい。19ボルト/6.3アンペアなので消費電力も省スペースPC並みだ。また、搭載するバッテリーは11.1ボルトで3800ミリアンペアとそれなりに容量があるように見えるが、駆動時間は1時間半程度と短いので、部屋を移動するときなど、少しの間ACなしで駆動するための無停電電源装置(UPS)と考えたほうがいいかもしれない。

CPUはCore i7-740QM(1.73GHz)、グラフィックスはGeForce GTS 360M

 本機に搭載されるCPUは、ノートPC向けながら4コア(Hyper-Threadingによる8スレッド実行)のCore i7-740QM(1.73GHz)だ。Intel Turbo Boost技術によって1コア時の最大クロックは2.93GHzとかなり高クロックで動作する(ただしその分、TDPも45ワットとモバイル用CPUにしては消費電力が高めになる)。組み合わされるチップセットはIntel PM55 Expressだ。Arrandale/Clarkdaleとは異なり、CPUに内蔵GPUコアを統合していないため別途グラフィックス機能が必要になる。

 このため、評価機にはNVIDIAのGeForce GTS 360Mが搭載されていた。DirectX 10世代のGPUで、CUDAコア数は96、DirectX9および10世代のゲームまでであれば、必要十分な性能を発揮してくれるはずだ。すでにDirectX11世代のGeForce GTX 480Mが登場してしまっているので、ノートPCでもとことん性能追求したい人には物足りないかもしれない。後述するベンチマークテストの結果からも現状で登場しているゲームをプレイするには、それなり対応できる処理性能は持っている。

CPU-Zによる情報表示。CPUはCore i7-740QMだ。Processor枠内の「Name」項目ではベースとなったCPUであるCore i7-820QMの表示が見えるが同じ枠の下にある「Specification」に実際の名前に近いCore i7 Q740という表記が確認できる(画面=左)。搭載するグラフィックスはNVIDIAのGeForce GTS 360Mだ。グラフィックスメモリは1Gバイトと十分な容量を積んでいる。登場時はハイエンドのGPUであったのでDirectX9や10世代のゲームであれば、不満のない速度で動作するはずだ(画面=中央)。チップセットの情報を見るとIntel PM55 Expressであることが分かる(画面=右)

 ただ、CPUに加えてハイエンドGPUを搭載しているので、当然ながらその分発熱量も増える。そこで本機の冷却システムは、CPUとGPU用を合わせてかなり大がかりな構造になっている。本体の底面にCPU用とGPU用の冷却ファンを各1基備えており、それぞれのファンに向けてヒートシンクからヒートパイプが伸びている。

 前述した後部の排気口から空気を吐き出す構造になっており、ベンチマークテスト時の3Dグラフィックスの重い処理では、両方の冷却ファンがうなりを上げて回転する。ただし、かなり温められた空気が排出されるのでその冷却性能はかなり優秀だと思われる。

 メインメモリの容量は4Gバイトで、2GバイトのPC3-8500のSO-DIMMモジュールを2枚装着する。最大では8Gバイトまで搭載できるが、標準で空いているスロットはなく、既存のモジュールと交換する形になる。OSは標準では32ビット版のWindows 7 Home Premiumとなっているが、特に利用したいソフトや周辺機器が32ビット版でしか動作しないというような制限でもなければ、64ビット版Windows 7を選択したほうがよいだろう。

 搭載するHDDの容量は500Gバイトだ。バッテリーを取り外すとHDD搭載スペースに簡単にアクセスできる構造になっている。SSDを含め最大で2台までの2.5インチHDDを搭載できるスペースが用意されている。プライマリをシステム用のSSDとし、セカンダリをデータ用の500GバイトHDDにするといった構成も可能だ。

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