MSIの「GT660R」「GX660R」を「LOST PLANET 2」で発表直後に遊んでみた(2/2 ページ)

» 2010年08月24日 15時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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最新ゲームタイトルで“660”はどこまでいける?

 2010年の8月末というタイミングで日本市場に登場するゲーミングノートPCの「GT660R」と「GX660R」であるから、当然、気になるのは最新のゲームタイトルにおけるパフォーマンスとなるだろう。奇遇にも、注目のゲームタイトルベンチマークテストとして、「FINAL FANTASY XIV Official Benchmark」と「LOST PLANET 2 Benchmark」が登場している。

 どちらも、正式リリースを控えた人気ゲームタイトルの最新バージョンが、ユーザーの所有するシステムでどの程度快適に動作するのかを測定する目的で配布されているが、LOST PLANET 2 Benchmarkは、DirectX 11で本格的に実装された機能を大幅に取り入れた新世代のベンチマークテストとしても注目されている。

 そこで、日本市場に向けて発表されたばかりの「GT660R」と「GX660R」が、この最新世代のゲームベンチマークテストで、どの程度の実力を発揮できるのかを、まずは確かめてみたい。

 GeForce GTX 285MとMobility Radeon HD 5870は、どちらもノートPC向けGPUの最上位モデルだが、GeForce GTX 285Mは1つ前の世代になる。そのため、2010年のベンチマークテストで影響する決定的な違いとして、「DirectX 11に対応しない」という点が挙げられる。

 今回、評価作業で用いた機材は、GT660Rがサンプルモデル、GX660Rが製品出荷直前モデル、と完成度に違いがあったため、両者の性能を比較することは避けたが(そのため、ベンチマークテストの結果もグラフで比較するのではなく、表で数値を並べるのにとどめた。なお、グラフィックスドライバに関しては、それぞれのGPUベンダーサイトから入手できる最新版を適用した)、一応、GX660Rが高いスコアを示している。デスクトップPC向けのGPUで示される結果には届かないもの、ミドルレンジクラスを超えるパフォーマンスは発揮できている。

 MSIの独自技術でCPUとGPUの性能を向上させる「TDE+」についても、GT660Rを用いてその効果を試してみた。LOST PLANET 2 Benchmarkでは、その効果が確認できなかったが、FINAL FANTAGY XIV Official Benchmarkでは、確実にスコアが向上している。効果の出るゲームと効果がはっきりと現れないゲームに分かれるようだ。

ベンチマークテストの結果 GT660R GX660R
LOST PLANET 2 Bmode DirectX 9 1280×1024ドット、nonAA 39.8 44.9
1280×1024ドット、8XAA 33.1 41.8
1920×1080ドット、nonAA 28.4 36.5
1920×1080ドット、8XAA 23 30.2
LOST PLANET 2 Bmode DirectX 11 1280×1024ドット、nonAA 23.8
(テッセレーション設定=Middle) 1280×1024ドット、8XAA 17.1
1920×1080ドット、nonAA 18.6
1920×1080ドット、8XCAA 13.3
LOST PLANET 2 Bmode DirectX 11 1280×1024ドット、nonAA 21.8
(テッセレーション設定=High) 1280×1024ドット、8XAA 15
1920×1080ドット、nonAA 17.1
1920×1080ドット、8XCAA 11.8
FINAL FANTASY XIV Official Benchmark LOW 3043 3482
(ヒューランの女) HIGH 1789 2029
Heaven DirectX 10 1280×720ドット、nonAA、nonAniso 44.1/1111 51/1286
(フレームレート/スコア) 1280×720ドット、8XAA、16XnonAniso 25.5/644 30.0/755
1920×1080ドット、nonAA、nonAniso 26.6/671 30.5/769
1920×1080ドット、8XAA、16XnonAniso 10.8/271 17.4/438
ベンチマークテストの結果 GT660R GT660R Turbo
LOST PLANET 2 Bmode DirectX 9 1280×1024ドット、nonAA 39.8 38.7
1280×1024ドット、8XAA 33.1 32.2
1920×1080ドット、nonAA 28.4 27.7
1920×1080ドット、8XCAA 23 22.4
FINAL FANTASY XIV Official Benchmark LOW 3043 3172
(ヒューランの女) HIGH 1789 1880


 GT660Rについては、最新のゲームベンチマークテストを行うとDirextX 11に対応していないことを意識せざるを得ない。とはいえ、実際にPCでゲームをしているユーザーに聞いてみると「うーん、いまはまだ、そこまで影響はないんじゃないかな」という声が多い。

 何から何までよく似ていて、「GTとGXのどちらを選べばいいのか迷うぅぅぅぅ!!」という声も聞こえてきそうだが、GT660RとGX660Rの実売価格の違いと自分の楽しみたいゲームタイトルがDirectX 11に対応しているか、もしくは、DirectX 11で実現する視覚効果によるリアリティと快適なフレームレートのどちらを重視するかで、ユーザーの選択は決まるだろう。

 どちらを選んでも、MSIが掲げる「Exquisite Quality; Exquisite Delight!」をユーザーは思いっきり堪能できるモデルであるのは間違いない。

大型のノートPCでは珍しく、液晶ディスプレイがほぼ180度開く。ひざの上において使うことは、あまりないと思うが、対面の人に画面を見せたいときには便利か(写真=左)。高性能なCPUとGPUを冷却するために、太いヒートパイプを組み込んだ強力なクーラーユニットと、2基のHDDを分散して収容するなど、内部のレイアウトに苦労が感じられる(写真=右)

GT660Rのシステム構成をデバイスマネージャーで確認する。“ディスプレイアダプタ”としてGeForce GTX 280Mを搭載しているが、GX660RではここにMobility Radeon HD 5870が示される

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