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» 2010年11月22日 22時31分 公開

林信行が速攻リポート:「iOS 4.2」ついにリリース――登場8カ月目のiPadを一新するアップデート (2/4)

[林信行,ITmedia]

iOS 4.2の基本機能をおさらいする

 「iOS 4.2はiOSの素晴らしい最新機能をiPadでも利用可能にするOSです」とブロデリック氏。まず1つ目の機能として紹介したのは「フォルダ」だ。

・「フォルダ」

 多くのiPadユーザーはたくさんのアプリケーションを使っている。フォルダはそれらをきれいにまとめる機能だ。これまでは1ページあたり20アプリケーションで、11画面(220個)までのアイコンしか表示できなかったが、フォルダ機能を使えば、1つのフォルダの中に20個のアプリケーションを登録でき、それらのフォルダを1画面に20個まで並べることができる。これにより、合計4400個のアプリケーションをホーム画面に並べることが可能だ。

フォルダには最大20個のアプリを格納できる
フォルダはDockに6個まで置くことが可能だ

・「Unified InBox」(統合インボックス)

 ブロデリック氏が2つめに紹介したのは「Unified Inbox」(統合インボックス)、つまり複数のメールアドレスで受信した電子メールをひとまとめにして表示してくれる、統合メールボックスの機能だ。新しいメールボックスはスレッド表示にも対応しており、何通にもわたるメールのやりとりの流れを、より追いやすくしている。

 iPadは、電子メール機器として非常に評価が高い。それは、電子メールという「演算処理はそれほどしないが、データリッチなメディア」にiPadというデバイスがとてもマッチしていたからではないか、とブロデリック氏は解釈している。実はiOS 4.2では、これに加えて複数のMicrosoft Exchangeのアカウントも登録できるので、ビジネス上、そうしたニーズがある人にも応えてくれるという。

 ちなみにiPadは、企業での採用も進んでおり、米国のFortune 100に選ばれたトップ100企業のうち65%がiPadの採用あるいはテスト導入を始めているという。

メールボックスはUnified Inboxをサポート。複数のアカウントのメールが時系列で一覧できる
メールのスレッド表示もサポート
Exchangeのアカウントも複数設定可能

・「マルチタスク機能」

画面に放り込まれる果実を刀で切っていく「Fruit Ninja」

 「最も多くの人が待ちこがれていたのは、この機能でしょう」と紹介したのがマルチタスク機能だ。

 ブロデリック氏はまず「Fruit Ninja」というゲームをプレイしてみせた。画面に放り込まれる果物を刀で切るというゲームだが、例えばそのゲームの途中で、ホーム画面を2度押しすると、画面の下から実行中アプリケーションの一覧が現れる。ここでメールを押すと、メールの画面に切り替わり、続きの作業ができ、Safariを選べば、先ほどまで見ていたWebページが表示される。そして、もう1度、「Fruit Ninja」に切り替えると、画面に「一時停止」のマークが現れた状態になっていて、これをタップすることで、先ほどプレイしていた続きからプレイが続行できる。

 「我々がiOSで実現しているマルチタスクは、いらないタスクを裏で実行させ続けて、無駄にCPUを使い続けるようなマルチタスクではありません。なので、タスクを実行しすぎてiPadの動作が遅くなることもなければ、無駄に電力を消費することもありません。このFruit Ninjaの例で言えば、非常にインテリジェントにゲームの状態を保存した上で、アプリケーションの切り替えを行い、再び切り替えた場合には、ユーザーがいきなりゲームの続きの状態に放り込まれるのではなく、準備ができてからプレイを続行できるようにと、ちゃんと配慮してマルチタスクを実現しています」

ほかのアプリと同時実行が可能なラジオアプリの「TuneIn Radio」

 「もう1つ、別の例をお見せしましょう」とブロデリック氏が紹介したのは「TuneIn Radio」というラジオアプリケーションだ。iOSのマルチタスクは、バックグラウンド動作にしたすべてのアプリケーションを一時停止するのではなく、ラジオのような負荷が小さく、ほかのアプリケーションの利用の邪魔にならないアプリケーションであれば、同時実行も許している。

 「これまではiPod機能に入れた音楽を聞きながらでしかメールができませんでしたが、これからはこうしたラジオ系アプリケーションを聞きながらもメールやWebのチェックができます」

 同様にマルチタスク機能で、GPSなどを通して定期的に位置を知らせることも可能になるので、今後はiPad用のカーナビゲーションシステムなどのアプリケーションも充実してくることだろう。

 ちなみに、iPadのマルチタスクバーには、iPhoneとは違う部分がある。iPhoneでは、画面サイズが小さいため、左からスクリーンの回転ロックアイコン、音楽アプリの巻き戻し、再生、早送りボタン、そしてiPodなどの音を出しているアプリケーションのアイコンというボタン3つをアイコン2つが囲む構成だったが、iPadでは画面の大きさを生かして、回転ロックアイコンの右側にバックライト輝度調整のスライダーが、そして再生制御系ボタンの右側には音量調整のスライダーが表示される。

 中にはここで、なぜiPadに「回転ロックボタン」が必要なのか? と思う人がいるかもしれない。iPadは本体側面に画面の回転をストップするスライド式スイッチが用意されていたので、画面上の回転ロックは不要なはずだ。

 アップルはiPhoneとの操作の統一性を考えて、このスイッチの役割を変更したという。iOS 4.2をインストールしたiPadでは、スライド式スイッチは、iPhoneのスライドスイッチ同様、マナーモード(サイレントモード)として機能するようになる、という(アップルはなんと、ボタンに割り当てた機能をソフト的に処理していたのだ!)。

ホームボタンをダブルタップすると、iPhoneでおなじみのタスク一覧が画面下部から現れる
タスク一覧のさらに左には、回転ロックや再生操作のボタンに加えて画面輝度のスライダーやボリュームスライダーが用意されている

・「Game Center」

対戦したい相手に招待状を送れるゲームアプリ「Real Racing HD」

 続くiOS 4.2の新機能は「Game Center」だ。すでにiPhoneやiPod touchでもおなじみのゲームのハイスコアなどを共有する機能だが、iPadでは画面の大きさを生かして、Game Center機能の画面そのものが楽しく見やすく、作り直されている。

 Game Centerというと、仲間内でのハイスコアの共有ばかりに使われているようなイメージがあるが、ブロデリック氏は、あまり知られていないGame Centerの機能の事例として「Real Racing HD」というゲームを紹介。このゲームの最新版では、Game Centerを介して、自分の友達にネット対戦の招待状を送ることができる。試しにこの機能を使って相手の名前を選んで招待状を送ってみると、もう1台のiPadの画面にゲームへの招待のアラートが表示され、これを受け付けると対戦ゲームが始まった。

 アップルは今後、ゲームの楽しさをさらに広げていくためにもGame Centerに対応するよう、より多くのゲーム開発者に勧めていくという。

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