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» 2011年01月05日 11時11分 公開

気がつけば国際観光都市になっていた秋葉原2010年アキバまとめ(街編)(3/3 ページ)

[古田雄介,ITmedia]
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「アキバには2つの顔がある」――観光都市としてみた街の姿

ソフマップ AKIBA DutyFree'Sも店頭に銀聯カードのロゴを掲げている

 アキバの各店舗で重点を置いているのも、やはり中国人観光客だ。ソフマップ代表取締役の平岡氏は「ビザの緩和も含めて、中国の方が訪日しやすい環政策もとられているので、結果として中国の方がたくさん来られるような環境になってきたのかなと思いますね」と話していた。同社の免税店でも、英語と中国語、韓国語が話せるスタッフを常駐させており、今後も外国人スタッフを含めて、複数の言語が操れる人材を積極的に採用していく考えがあるとのことだ。

 もちろん、アキバを訪ねる外国人は中国人だけではない。ある家電量販店のスタッフは匿名で「中国の方はデジカメやパソコンを大量に買っていきますね。ビラ配りしているメイドさんを気にする人も多いですが、基本は家電製品のショッピング目的です。逆に、欧米の人たちはサブカル系のグッズやショップを楽しむために来たという方が多いです。ただ、街に落としてくれる金額は、サブカル系より家電製品のほうが圧倒的に大きい。なので、訪問者数の割合以上に、中国の方の存在感はアキバ全体で大きくなっていると感じます」と語っていた。

 上記のコメントに基づけば、欧米人と中国人では、同じ場所にいながらも別の目的を持っているといえる。丹下氏も「外国人からみて、秋葉原は2つの顔があると思います。1つは家電。もう1つはアニメやフィギュアなどのサブカルチャーですね。それぞれの顔が世界各国で知名度を持っているので、我々が各国に向けて日本全体のパンフレットを作るときも紹介する機会が多いんですよ」と話していた。

 観光庁は国ごとにパンフレットやキャンペーンをカスタマイズしているが、実際に日本のポップカルチャー人気の高いフランス向けでは、アニメの街としてアキバを紹介しているという。

 再開発によって生まれ変わったアキバ。高層化した町並みに昔からの個性を維持しながら、いつのまにか国際観光都市という側面も強化していた。「ブームのピークが終わったあとも共存していける多重化OKなところが、アキバの魅力です」(ユニットコム 小川氏)と評価される個性が、また1つ磨かれることを期待したい。2010年の訪日外国人旅行者数は10月時点で700万人を超えており、年間目標の1000万人に達する可能性は高い。等身大の視点で細部を観察するとさまざまな不安や課題がみえてくるが、ふかんしてみればまずまず順調な成長を遂げているといえそうだ。

JR秋葉原駅電気街口の改札や広場の案内看板は、日本語と英語、中国語、ハングルの4言語でナビゲートしている(写真=左/中央)。東西自由通路内にある外貨両替コーナー(写真=右)


 これまで3回に渡り、年をまたいで2010年のアキバを振り返ってきた。本来ならここで筆をおくところだが、もう1つ大きなトピックがある――2011年1月23日から試験的に再開される歩行者天国だ。この復活劇なしに、今のアキバは語れない。その理由は、次回の最終編で明らかにしていく。

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