機能が大幅に拡張されたIntel Z68 Expressだが、その性能は既存のチップセットを上回るのだろうか。ベンチマークテストで確かめてみよう。ただし、評価に用いるマザーボードが“チップセットだけを代えた同等モデル”ではないため、消費電力の比較は省いている。評価用システムは通常のベンチマークテストで用いている構成から、メモリを4Gバイト×4枚の計16Gバイトに、グラフィックスカードはRadeon HD 6970に、ストレージはIntel SSD 510 128Gバイト版に、そしてWindows 7にはServic Pack 1を適用した。
評価用システム構成 | ||
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チップセット | Intel Z68 Express | Intel P67 Express |
CPU | Core i7-2600K(3.4GHz、TBT有効時で最大3.8GHz) | |
マザーボード | ASUS P8Z68-V PRO | Intel DP67BG |
メモリ | DDR3-1066 16Gバイト(バルク 4Gバイト×4) | |
GPU | Radeon HD 6970 | |
HDD | Intel SSD 510 SSDSC2MH120A2K5 (120Gバイト) | |
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate SP1 | |
CPUやメモリなどを個別に評価できるSandraの結果で、Intel Z68 Express搭載システムはIntel P67 Express搭載システムを上回る。ただし、明らかに異なるといえるほどの差ではない。最も違いが出たテストはMemory Bandwidthで、チップセットの差ではなくマザーボードのレイテンシの違いがCPU関連のベンチマークテストでも影響していると考えられる。
PCMark Vantageも同様の傾向だ。ただし、HDDスコアのようにIntel Z68 Express搭載システムが下回る局面もある。なお、HDD関連テストに関しては、CrystalDiskMarkでも同じ傾向だった。ライト関連テストの結果で差が大きくないが、リード関連テストで明らかな差が生じている。
3DMark 11では、Entry、Performanceで50ポイント程度の差が生じている。個別テストの結果を検討すると、GraphicsでIntel Z68 Express搭載システムがスコアを落とした一方で、PhysicsではIntel P67 Express搭載システムを上回り、Combinedではほぼ同等という傾向だ。Physicsの処理は3DMark11からGPUではなくCPUで行うよう改められたので、CPUやメモリで性能の高かったSandraのテストの結果とも合致する。一方でGraphicsのスコアでIntel Z68 Express搭載システムが劣ったことの評価は難しい。ただ、いずれにしても明確に異なるといえるほどの差ではなく、チップセットの性能というよりマザーボードの違いと考えるのが妥当だろう。
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