“P67”“H67”入りましたっ──ASUS「P8Z68-V PRO」で“Z68”を試す!イマドキのイタモノ(4/4 ページ)

» 2011年05月11日 16時01分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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小容量SSD+大容量HDDでバランスの取れた性能

 次は、SSDとHDDを組み合わせて利用する、「Intel Smart Response Technology」(ISRT)の利用方法を紹介して、その有効度を確認してみよう。

 ISRTの準備段階として、HDDとSSDをフォーマットしてからシステムに接続する。次いで、BIOSからSerial ATAのモードをRAIDに設定し、Boot順位をHDD→SSDにする。これで再起動すると、BIOSプロセスでRAIDの設定を行う画面(Ctrl+I)が表示されるが、ここでは何も設定しない。そのままOSをHDDにインストールし、OS、および、ドライバのセットアップが終わったところで、「Intel Rapid Storage Driver」(IRST)を導入する。

 導入が終わると、スタートメニューに「インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー」用のユーティリティが追加されるはずだ。このユーティリティを起動して「高速」という項目を選ぶとインテル スマート・レスポンス・テクノロジーという設定が表示される。ここにある「高速の有効」ボタンを押せばISRTが有効になる。

 この設定でユーザーが指定できる項目に、キャッシュメモリに割り当てるサイズ、高速化するディスク、ボリューム、高速モードがある。容量では、「18.6GB」と「全ディスク容量」が選べる。なお、全ディスク容量の右に「最大64GB」と記載されている。今回の評価作業では、128GバイトのSSDを用いたが、この記載が正しければその半分しか使わないことになる。実際、RAID設定から見ると64Gバイトで領域を切られているようだ。残りの容量はエクスプローラから見えない。

 高速モードには、さらに「拡張モード」と「最速モード」というのがある。ASUSの資料によれば、拡張モードが標準で、最速モードは「より高速だがセキュアにかける」(この“セキュア”はセキュリティというよりも安定性の意味になる)という。

初期状態におけるインテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー ユーティリティの設定。ステータス画面では2台のドライブが認識されている(写真=左)。ISRTを設定するには「高速」の画面に移行して「高速の有効」を選択する(写真=右)

「高速の有効」を選択すると、設定画面が開く(写真=左。キャッシュに用いる容量、対象ドライブやモードの選択をここで行う。設定後にISRTが有効となるが、そのあとも高速画面から有効と無効の切り替え、モードの切り替えなどが可能だ(写真=右)

 ISRTの評価作業では、Intel SSD 510 128GBとWesternDigitalのCavior Black WD2002FAEX(2Tバイト、Serial ATA 6Gbps、7200rpm、64Mバイトキャッシュ)、Cavior Green WD20EARS(2Tバイト、Serial ATA 3Gbps、回転数が可変のIntelliPower、64Mバイトキャッシュ)を用意し、それぞれのストレージの組み合わせを試している。ベンチマークテストはブート時間を計測できるBoot Racer(5回の計測で5回目を採用)、転送速度を計測するCrystalDiskMark、PCMark VantageのHDDテストだ。基本は拡張モードで、高速HDDのみ最速モードも計測している。

Boot Racer

CrystalDiskMark 3.0.1 x64(その1)
CrystalDiskMark 3.0.1 x64(その2)

PCMark Vantage:HDD

PCMark Vantage:HDD:個別テスト(その1)
PCMark Vantage:HDD:個別テスト(その2)

 Boot Racerの測定では、ISRTを利用してもSSDほど高速とはいかなかった。トータル時間でSSDが15秒に対し、ISRTは低速のWD20EARSも高速のWD2002FAEXも26秒を要している。効果があるといえるのはWD20EARSを組み合わせた場合だ。WD20EARS単体構成の34秒からISRTを適用することで26秒まで短縮している。一方で、WD2002FAEXの場合はISRTを適用しても1秒短縮できただけだ。ISRTではBIOSプロセスでRAID設定に要する時間があるので、この時間をプラスすると、WD2002FAEXとの組み合わせでは起動までの時間が逆に長くなることになる。

 性能に与える影響はCrystalDiskMarkの結果で検討する。HDDと比べると明らかに高速化しているようだ。リード関連テストでSSDに劣るが、それでもHDD単体構成からは大幅に向上している。一方で、ライト関連テストの結果はHDD単体構成からわずかに向上した程度だ。これはWD20EARSでもWD2002FAEXでも変わらない。WD20EARSで利用するISRTとWD2002FAEXで利用するISRTを比較すると、ブート時間では差がなかったが、HDD側の性能が影響するライト関連テストのスコアは、高速のWD2002FAEXが上回る。

 PCMark Vantageの結果では、HDD単体では4桁だったスコアがISRTを適用することで5桁に向上している。個別のテストによっては2桁も増えているケースもある。こちらでも低速のWD20EARSより高速のWD2002FAEXと組み合わせたISRTの結果が上回る。SSDと構築するISRTの性能を十分引き出したいという場合は、できるだけ高速のHDDを選ぶことになるだろう。

 最速モードで測定した結果では、ライト関連のテストで拡張モードから高速化している。ただし、すべてのテストで結果が向上するのではない。特にリード関連のテストで拡張モードから下回るケースがある。ただ、PCの体感速度では、シーケンシャルだけでなくランダムリード・ライトの性能も重要になるが、最速モードのランダムライトの性能はSSD並みに高速だった。

すべての選択肢をそろえてくれるZ68の深さ

 繰り返しになるが、Intel Z68 Expressチップセットは、Intel P67 Express+Intel H67 Express“+α”であり、その性能に関してはIntel P67 Expressと大差ない。さらに、Intel Z68 Expressを搭載するマザーボードは、VirtuやISRTによって、性能と機能が拡張された。

 Virtuは、LucidLogicの技術であって、その性能は彼らが開発するドライバに依存する部分が大きい。特に、i-Modeでは自分が利用するゲームタイトルが対応しているのかを確認しなければならない。ワールドワイドで販売されるゲームタイトルではなく、ローカル限定の場合、LucidLogicが対応してくれるのかという懸念が残る。とはいえ、Virtuのd-Modeは安定しており、外付けGPUの性能も十分引き出せている。消費電力も現時点ではi-Modeと差がないので、d-Modeだけの利用でも構わないだろう。

 ISRTは、システムドライブとして使える大容量SSDを所有するユーザーには無用だ。ただし、現在のSSDの価格では、そういうことができるユーザーも限られる。予算を抑えたい法人利用ではなおさらだ。多くのPCで、システムドライブはSSD、データドライブはHDDと使い分けている。異なるドライブの性能差を感じているユーザーであればISRTは意味を持つことになる。

 個人の自作PCユーザーとしては、Intel Z68 Express搭載マザーでCPUも統合されたグラフィックスコアもオーバークロックできる点が大きい。CPUにグラフィックスコアが統合され、オーバークロック機能が制限され、モデルごとにできることとできないことが線引きされてきた従来のチップセットラインアップに、すべてに対応するモデルが登場したということは、自作PCユーザーから高く評価してもらえるだろう。

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