10.1型ワイド液晶を搭載したタブレット本体は、サイズが271(幅)×177(奥行き)×12.98(高さ)ミリ、重量が約680グラムだ。実測での重量は681グラムと公称値通りだった。
ほかのAndroid 3.0タブレットと比べた場合、10.1型ワイド液晶搭載の「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」は本体サイズが249(幅)×167(奥行き)×12.9(高さ)、重量が約700グラム、8.9型ワイド液晶搭載の「Optimus Pad L-06C」は本体サイズが243(幅)×150(奥行き)×12.8〜14.1(高さ)ミリ、重量が約620グラムとなっており、薄さと軽さは十分だが、フレーム部分がやや厚い。しかし、モバイルキーボードドックとの接続を考慮すると、フレーム部分に幅が必要なので、これは納得できる部分だろう。

上から、Optimus Pad L-06C、MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M、Eee Pad Transformer TF101の順に重ねた様子。Eee Pad Transformer TF101は横幅と奥行きが長めだタブレット本体のデザインも凝っており、黒いフレームの外側にブラウンのメッシュとメタルフレームが露出し、ほかとは違ったルックスにまとめているのは好印象だ。裏面も無粋な継ぎ目などは一切なく、全体にディンプル加工を施すことで、指紋が付きにくく、サラッとした手触りに仕上げている。モバイルキーボードドックのデザインも共通化され、パームレストは落ち着いたメタリックカラー、裏面はこれまた継ぎ目のない同様のディンプル加工でそろえており、デザインへの注力も並々ならぬものがある。


黒いフレームの外側にブラウンのメッシュとメタルフレームが露出しているのが印象的なデザイン(写真=左)。裏面は全体にディンプル加工を施したシンプルな見た目だ(写真=中央)。製品パッケージは黒を基調に、大きく製品写真を配置している(写真=右)

モバイルキーボードドックにタブレット本体を装着した状態での天面(写真=左)、キーボード面(写真=中央)、底面(写真=右)。モバイルキーボードドックはタブレット本体とデザインがマッチするように作られている。キーボード面はメタリックブラウンが高級感を醸し出す基本スペックは、現状のAndroid 3.0タブレットとして標準的なラインだ。CPUにデュアルコアのNVIDIA Tegra 2(1.0GHz)を採用。メモリは1Gバイト(LPDDR2-600/増設不可)、ストレージはeMMC(embedded Multi Media Card)準拠のNANDフラッシュメモリを32Gバイト搭載する。
念のため、Androidでよく利用されているベンチマークテストアプリの「Quadrant Professional Edition」を実行したが、大体ほかのAndroid 3.0+Tegra 2タブレットと同レベルの結果となった。テスト結果は5回実行した平均値だが、Quadrantはかなりスコアのバラツキが大きいテストなので、100や200のスコア差が体感の違いとなって現れることはまずない。結果は参考程度に見てほしい。
なお、ベンチマークテスト終了後にネット動画の再生やシステムに負荷をかけるような使い方を連続して行ったが、タブレット本体の発熱は抑えられ、裏面が少し温かくなる程度だった。もちろん、モバイルキーボードドックにCPUなどのパーツはないため、長時間の利用でもクールに保たれる。
液晶ディスプレイは1280×800ドット(アスペクト比16:10)表示の10.1型ワイドパネルで、広視野角のIPS方式、10点マルチタッチ対応の静電容量式タッチパネル、剛性の高いゴリラガラスといった特徴を持つ。ディスプレイの視認性は高く、タッチ操作のレスポンスも良好で不満はない。
サウンドチップはWolfson WM8903を採用し、ステレオスピーカーとデジタルマイクも内蔵。サラウンド技術の「SRS Premium Sound」もサポートする。
カメラは正面(120万画素)と背面(500万画素)に配置。通信機能はIEEE802.11b/g/nの無線LANとBluetooth 2.1+EDRを内蔵する。GPS、電子コンパス、外光センサー、加速度センサー、ジャイロスコープといった、最近のタブレットでおなじみのセンサー類も一通り網羅している。


広視野角のIPSパネルなので、横位置、縦位置でも表示の見た目が変わらない(写真=左/中央)。モバイルキーボードドック装着時は、液晶の角度が130度程度まで開く(写真=右)。IPSパネルのおかげで、液晶が大きく開かず、画面を少し斜め上から見るような場合でも視認性は高いソフトウェア面では、先に触れたファイルマネージャーや日本語入力ソフトのほか、独自のアプリも用意した。Webストレージ(MyContent)、リモートデスクトップ(MyDesktop)、マルチメディアコンテンツ配信サービス(@Vibe)にアクセスするための「MyCloud」、家庭内ネットワークのDLNA対応機器やPCと映像/音楽コンテンツの共有が行えるDLNAサーバ/クライアント「MyNet」、電子書籍を整理するための「MyLibrary」といったアプリを備える。電子書籍関連では、オンライン電子書籍ストア「BookLive!」の専用アプリ「Booklive!Reader」も提供されている。初期状態でなかなか充実したソフトウェア環境がそろっているといえる。
さらにMicrosoft Office互換アプリの「Polaris Office」も標準搭載しており、Word、Excel、PowerPointのファイル閲覧や編集に対応する。ただし、フォントはひらがなとカタカナがゴシック体なのに、漢字だけ明朝体になるなど見た目がよくないほか、キーボード入力が正確にできない場合があるなど、使い勝手はいまひとつだった。簡易的なOffice文書のビューワーとして使うぶんにはよいが、顧客や大事な相手に見せるには、PDF化して電子書籍アプリや別のビューワーで表示したほうが見栄えがよいだろう。


オンライン電子書籍ストア「BookLive!」の専用アプリ「Booklive!Reader」も用意(写真=左)。Microsoft Office互換アプリの「Polaris Office」は表計算やプレゼン用スライドの作成にも対応する(写真=中央)。カメラアプリはホワイトバランスなどの設定が可能(写真=右)。カメラの画質はもうひとつといったところCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.