まず最初に変更されたのはメモリだった。当初選択していた「TED34096M1333HC9DC」から、倍近い価格となるセンチュリーマイクロの「CK2GX2-D3U1333H/ELP」に変更。中川氏は「特に長時間稼働するサーバマシンでは、メモリのトラブルが非常に多いんです。例えば録画サーバなどで、出勤前に番組を予約して、ウキウキ気分で家に帰ってきたらメモリのエラーで落ちてる……なんてことになったらウツですし、ファイルサーバとして使う場合も『いざ会議だ、データを読み出すぞ』となった時、サーバが落ちてたらそれこそ目も当てられません。多少値段が張っても、メモリには本当に力を入れるべきです」とコメント。
加えて、マザーボードも「E350IA-E45」からASUSTeKの「E35M1-I」にチェンジ。この変更について中川氏は「『E-350』搭載マザーは、TDPも低くサーバマシンなどに向いていますが、さらに動作の安定性を考慮してみました。変更したE35M1-Iは、CPUクーラーへファンの代わりに大型ヒートシンクを搭載したモデルです。1つでも稼働部品を減らせれば、それだけ故障のリスクも減りますし、静音性も高まります。サーバマシンは、いかにメンテナンスフリーで使用し続けられるかがキモなので、細かい部分にもこだわりたいですね」と話す。
そして最後に、HDDへ赤入れが行われた。構成時、2台にわけていたHDDドライブを1台にし、シーゲートの「ST2000DL003」を導入した。「サーバのストレージへは、基本的にネットワークからのアクセスになるので、通常のPCのようにHDDに高速性を求める必要はそれほどありません。それよりは、回転数が抑えめのモデルを使って省電力性を高めたほうがいいと思いますよ」とアドバイスをもらった。
以上、中川氏によるダメ出しが行われ、内部構成がまとまった。修正後の構成表は以下の通り。価格は6月上旬のPC DIY SHOP FreeTの店舗価格を参考にしている。
マザーやメモリなどの基幹パーツに、より安定性の高いものを導入。ストレージも無駄を省き、回転数を抑えた1ドライブとしたことで、サーバーマシンとしての信頼性だけではなく、同時に省電力性や静音性も向上した構成へと変化した。
ただ、1つ想定外だったのが修正点の少なさ……。このままでは2ページ程度で終わってしまう思っていた矢先、中川氏がこちらの様子を察して「予算も5万円と限られていましたし、省スペースなマシンということで拡張性もあまり考慮できませんでした。しかし、予算を増やしていいと言うなら、ここからもっと広がりのある構成をご提案できますよ」と気をつかってくれた。
カテゴリ | 製品名 | メーカー | 単価 |
---|---|---|---|
CPU | 下記マザーボード搭載品 | - | - |
マザーボード★ | E35M1-I | ASUSTeK | 1万2980円 |
メモリ★ | CK2GX2-D3U1333H/ELP | センチュリーマイクロ | 1万7980円 |
HDD★ | ST2000DL003 | シーゲート | 6240円 |
光学ドライブ | GH24NS70B-B | LG電子 | 2280円 |
グラフィックスカード | - | - | - |
PCケース | JX-FX400B | JMAX | 8980円 |
電源 | PCケースに付属。300ワットSFX電源 | - | - |
OS | Windows Home Server 2011 DSP版(メモリとセット) | マイクロソフト | - |
そこで次ページからは、予算を倍の10万円とした場合の強化案を、引き続き中川氏より解説してもらった。
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