Sandy Bridgeこと第2世代Core iプロセッサ・ファミリーを採用する新型「MacBook Air」がついに登場した。次世代Mac OS「OS X Lion」のリリースとともに、ハードウェア新製品も投入されるという事前のウワサがあったため、「MacBook Pro」や「iMac」に続く“Sandy Bridge世代のMacBook Air”を心待ちにしていた人は多いだろう。
新ハードウェアとして、「Mac mini」と「Apple Thunderbolt Display」も登場しているが、まずはMacBook Airの11インチと13インチモデルを取り上げ、旧機種との比較を交えながらレビューしていく。
まずは新旧MacBook Airのスペックをおさらいしてみよう。既報の通り、最大の変更点は内部システムの刷新だ。Penryn世代のCore 2 Duoを搭載していた旧機種に対して、第2世代Core iプロセッサを搭載する最新モデルは、Nehalemを飛び越し一気に2世代進化したことになる。また、これに応じて1333MHz動作のDDR3メモリが採用され、処理性能は最大2.5倍(公称)に引き上げられた。グラフィックス機能は、従来のチップセット統合型グラフィックスであるGeForce 320Mから、CPU内蔵のIntel HD Graphics 3000を利用する仕様に改められており、この辺りの変化も気になるところだろう。
2010年10月に登場した旧MacBook Airは、11インチモデルの登場とボディデザインの一新、およびSSDの採用による“iPad”らしい高速起動を実現したのが特徴だったが、見た目がほとんど変わらない今回のほうが、実はより大きなアップグレードといっていいかもしれない。最新のOS X Lionがプリインストールされる初めてMacBook Airにふさわしい内容だ。なお、アップグレードに物理メディアを使わないLionでは(基本的にMac App Store経由でアップグレードする)、SSD内に専用の復元領域を持つため、USBメモリによるリカバリメディアが付属しなくなった。
おなじみのアルミユニボディは、旧機種をほぼそのまま踏襲している。ご存じの通り、アルマイト加工が施された外装は、ボディ両端に向かってわずかにわん曲し、光の加減でかすかなグラデーションを描く美しいデザインだ。最薄部がわずか3ミリのボディは、実際に薄いだけでなく、“薄く見せる”ということに関しても他のノートPCとは一線を画していると感じる。旧モデルの登場からすでに8カ月が経過し、特に目新しさはないはずなのに、改めて本体を眺めたときや、カバンから取り出す瞬間などに、ふと「やっぱり薄い。カッコイイ」と思わせる魅力がMacBook Airにはある。
ただ、本体をつぶさに眺めると、旧機種と違う部分も散見される。先にリリースされたMacBook ProやiMacと同様に、右側面に搭載されていたmini DisplayPortがThunderboltに代わったのがその1つ(コネクタ形状は同じだが、印字がイナズマのロゴになった)。Thunderbolt対応機器の状況は、サードパーティに頼る部分も大きいため、まだまだこれからという印象だが、MacBook Airのリリースにあわせてアップル自らがThunderbolt対応ディスプレイを投入したのはうれしいニュースだ。
27型ワイド(2560×1440ドット)のApple Thunderbolt Displayは、USB 2.0やFireWire 800などの各種ポートをはじめ、MacBook ProとMacBook Airを充電できるMagSafeアダプタや、MacBook Airにはない有線LANポートも搭載するなど、ノート型Macのドッキングステーションという側面を持つ。最安MacBook Airと同じ8万4800円とやや値が張るものの、普段はモバイルで利用するAirを、自宅やオフィスでは広いデスクトップ領域で使いたい、というニーズにぴったりだ。
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