6万3000円で、Core i5+外部GPU仕様──「HP Pavilion dv4-3100 ルビーレッド+BDモデル」の実力検証売れ筋構成で販売再開、14型サイズの新シリーズ(2/2 ページ)

» 2011年07月30日 10時00分 公開
[岩城俊介(撮影:矢野渉),ITmedia]
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あなどれないパフォーマンス Sandy Bridge世代のCPU+Radeon HD 6750Mを採用

 続いてパフォーマンスをチェックする。

 dv4-3100評価機の基本システムは、デュアルコア/Hyper-Threading Technology対応で、最大4スレッドの同時処理を可能とするCore i5-2410M(2.3GHz/最大2.9GHz)+Intel HM65 Expressチップセットの組み合わせに、4Gバイトのメインメモリ(DDR3)、500GバイトのHDD、BD-ROM/DVDスーパーマルチのコンボドライブ、14型ワイド液晶ディスプレイ(1366×768ドット)、そしてグラフィックスにRadeon HD 6750M(グラフィックスメモリ1Gバイト)を採用し、OSは64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)をプリインストールする。

photophotophoto 評価機はデュアルコアで4スレッドの同時処理に対応するCore i5-2410Mを採用する。Turbo Boost Technologyにより、熱設計上限まで余裕があれば最大2.9GHzまで動作クロックが引き上がる
photophoto GPU-ZでそれぞれのGPUを表示
photo CPU統合グラフィックス(Intel HD Graphics 3000)と外部GPU(Radeon HD 6750M・グラフィックスメモリ1Gバイト)、用途に応じて2種類のグラフィックスを切り替えられる。

 ちなみに、本機のグラフィックス機能はCPU統合のIntel HD Graphics 3000と、外部GPUであるRadeon HD 6750Mを切り替えて使用できる「スイッチャブルグラフィックス」仕様である。これにより、省電力/低発熱で動作させるならCPU統合グラフィックス、高いパフォーマンスを得たいなら外部GPUをというように、用途や利用シーンに合わせて半自動的に切り替えて利用できる。

 こちらはグラフィックス機能の設定ツール「Catalyst Control Center」より、特定のアプリケーションを外部GPU(ハイパフォーマンス)で動作させるよう個別指定することも可能だ。同価格帯のベーシックPCの多くはCPU統合グラフィックスの仕様にとどまるため、同じ価格でより高いパフォーマンスを望むならかなりの評価ポイントとなる。

 ベンチマークテストとして、外部GPUの有効/無効(CPU統合グラフィックス)別、および同世代のCPUを搭載する他機種と比較したところ、3D描画性能を計るテストでそこそこの差が付いた。比較対象としたVALUESTAR W VW770/ESは本機より上位のCore i7-2630QM(クアッドコア/2GHz/最大2.9GHz)を採用しつつ、グラフィックスはCPU統合のIntel HD Graphics 3000とする仕様だが、3DMark06で140%ほどスコアが上回った。また、Catalyst Control Centerで外部GPUの有効/無効で比較した3DMark Vantageの結果も130%ほどスコアの向上に結び付いた。半面、旧世代のゲームとなるFINAL FANTASY XI Official Benchmark3は、比較PCとのCPU性能の差がそのままスコアの差として表れている。


photophoto PCMark05の結果(左) PCMarkVantageの結果(右)
photophoto 3DMark06の結果(左) 3DMark Vantageの結果(右)
photophoto FINAL FANTASY XI Official Benchmark3の結果(左) Windowsエクスペリエンスインデックスの結果(右)

 また、(端子が青色でないため判別しにくいが)本体右側面にUSB 3.0ポートを2基搭載する。USB 3.0対応の外付けストレージなどを用いることで、これまでのUSB 2.0接続より高速かつ快適にデータを転送できるようになる。USB 3.0対応HDDを使用したところ、シーケンシャルライト時で約340%の転送速度向上が確認できた。

photophotophoto 内蔵ストレージおよび外付けHDDデータ転送速度を計測。左からUSB 3.0対応HDDをUSB 2.0接続、同じくUSB 3.0接続、内蔵HDDの転送速度結果

 バッテリー動作時間はカタログ値で約6時間である。バッテリー動作時間のベンチマークテスト「BBench 1.01」(海人氏作)で測定した(測定条件は、初期状態設定の60秒間隔でのWeb巡回と10秒間隔のキーストローク。通信は、評価機都合によりWiMAXルータ AtermWM3500RをリモートNDISデバイス/USBモデムとしてUSB接続したWiMAX環境で行った)ところ、電源プラン:省電力で約253分(約4時間13分)、同ハイパフォーマンス+Internet Explorerを外部GPU動作とするよう設定した状態で約184分(約3時間4分)動作し、残量7%で休止状態に移行した。

photo 電源プランを手軽に切り替えられるユーティリティツールも付属する

 実消費電力は、電力プランをHP推奨モードおよび省電力モードにしたアイドリング時において、ワットチェッカー読みで約12ワット、高負荷動作時(3DMark06+外部GPU動作時)で約51ワット、フルHD解像度のMPEG-4 AVC/H.264動画再生+輝度を最大にした状態で約21ワットだった。PCゲームや映像再生を行うと消費電力はやや高くなるが、普段は40ワットクラスの白熱電球1つより低い消費電力で動作することが伺える。

 本機は、家の中で手軽に持ち出し、好きな場所で楽しめる“ホームモバイル”の使い方を提案するモデルだ。実動約4時間という値は、常に持ち歩くリアルモバイルPCとするなら短いものの、ホームPCとして屋内/家庭内で使うなら及第点だ。映画タイトルを1〜2本視聴できるほどとなればそこそこ贅沢な値と思われ、別途数千円前後より購入できるUSB接続の地デジチューナー機器を用意してプライベートルーム用の地デジPCに仕立てるのもよいし、昼間の電力ピーク時にバッテリーで動作させるシーンにも対応できるだろう。

Core i5+Radeon HD 6750Mの評価機構成で6万3000円 コストパフォーマンスはかなりよい

photo  

 これまで、数万円台と比較的手軽に購入できる価格帯のPCは、絶対的なPCとしてのパフォーマンス、グラフィックス性能、メモリやストレージ容量、搭載インタフェースの種類・数など、何らかの妥協点が見つかることがあった。しかしHP Pavilion dv4-3100は、あとは何があれば……と考えるほどベーシックノートPCの範囲においてバランスよく仕上がっている。

 性能・仕様・インタフェース・操作性・画面サイズ・重量・バッテリー動作時間、多くの購買ポイントで平均点以上と評価でき、価格についてはかなり高いポイントが与えられる。何しろ最小構成仕様(スイッチャブルグラフィックス+Pentium B940+2Gバイトメモリ+250GバイトHDD+DVDスーパーマルチ)で4万9980円から、今回の評価機構成(スイッチャブルグラフィックス+Core i5-2410M+4Gバイトメモリ+500GバイトHDD+BD-ROM/DVDスーパーマルチコンボ)と同じ「dv4-3117TX ルビーレッド・ブルーレイROMモデル」でも6万3000円である。

 14型サイズのボディは、国内ノートPCで売れ筋の15.6型サイズよりほどよく小さく軽量だ。15.6型では大きすぎるが、モバイルノートPCとなると外に持ち出すわけではなく、やや高価になってしまう傾向と感じていたファミリー層にちょうどよさそうだ。また、スタンダードモデルには興味がないPCリテラシーが高めの層においても「ほうほう、この仕様でこの価格なのか。それならば家族用に。いやまてよ、もったいないので自分のセカンドマシンに」などと一考させるコストパフォーマンスを発揮するPCといえる。



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