「気づかれればブレイク」候補を尻目に、店頭に並んだ時点でユーザーの関心を一手に集めるモデルもある。先週目立っていたのは、米コモドールの「Commodore 64型PC」だ。1982年から世界を股に売られた8ビットパソコン「コモドール64」そのものの外観に、現行のmini-ITXマザーやDVDマルチドライブなどを組み込んでいる。PC DIY SHOP FreeTの価格は7万9800円。在庫はすでに売り切り、次回入荷待ちとなっている。
Commodore 64型PCは、左右側面にDVDドライブとカードリーダーを配置し、背面にマザーボードのリアパネルをはめ込んでいる。同店によると、マザーボードにMSIのFusion E-350搭載モデル「E350IA-E45」、HDDに2.5インチの500Gバイトモデル、メモリにDDR3-1333 4Gバイトを採用しているという。
本体にキーボードを搭載したユニークなデザインに、当時のコモドール64を知らない層からも注目されているそうだ。「いかにも昔のコンピューターといった感じのカラーで、キーボードのスイッチ感も当時を意識して調整しているようです。キーの種類は若干変更していますが、このままでも博物館に置いてある雰囲気があるので、興味深く眺めている人は多いですよ」という。
それでも、購入する人には現役のコモドール64に触れた世代が多いとか。同店の森田氏は「テレビゲーム時代の黎明(れいめい)期を支えたヒット作だけあって、2〜30年前の製品ながら、潜在的なファンは多いんですよね。お客さんの中には、コモドール64が普通に売られていたころからアキバに通っている人もたくさんいますし、そういう人の心をちょっとはつかめたかなと思います」と、確かな感触を得た様子だった。
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