フルHD液晶を搭載したSandy Bridgeノート――「LuvBook K」シリーズの実力診断7万円台から……だと!?(2/2 ページ)

» 2011年08月19日 12時22分 公開
[小川夏樹,ITmedia]
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CPUは第2世代Core i7を採用

 搭載するCPUはSandy Bridgeこと第2世代Core i7-2820QM(2.30GHz)だ。コア数は4でHyper-Threadingによって8スレッドの同時実行が可能である。4コア駆動の標準クロックは2.3GHzだが、Turbo Boostによるクロックアップ動作では1コア時の最高クロックが3.4GHzまで跳ね上がる。パフォーマンス的にまったく不満のないCPUだ。

 メインメモリはDDR3(PC3-10600)のSO-DIMMを採用し、標準で4Gバイトのモジュールが2枚差さっている(デュアルチャンネル動作)。最大容量の8Gバイトなので空きスロットはない。なお、標準搭載するOSは64ビット版のWindows7 Home Premiumだが、32ビット版を選ぶと8Gバイトを選べなくなるので注意が必要だ。

CPUはSandyBridge世代のCore i7-2820QM(2.30GHz)だ。4コアでHyper-Threadingによって8スレッドの同時実行が可能。4コア駆動の標準クロックは2.3GHz、Turbo Boostによるクロックアップ動作で3.4GHzまで跳ね上がる。性能的には十分だろう(画面=左)。CPU-Zでチップセットを確認してみるとIntel HM65 Expressであることが分かる(画面=中央)。搭載するメインメモリはDDR3のPC3-10600のSO-DIMMモジュールで容量4Gバイトを2枚搭載する。64ビットのWindows 7を快適に動作させるのに十分だ(画面=右)

 HDD容量は1Tバイト(2.5インチ、SATA、5400回転)。高速転送が可能なSSD(容量は80Gバイトか120Gバイト)構成も選べるので、パフォーマンスを追求したいならこちらも検討したいところだ。

 搭載するチップセットはIntel HM65 Expressで、CPU内蔵グラフィックス機能のIntel HD Graphics 3000が有効になっている。ただ、前述したように内蔵グラフィックス以外に別途外部グラフィックスとしてNVIDIAのGeForce GT 555M(グラフィックスメモリー1Gバイト)を搭載する。このグラフィックスチップはNVIDIAのGPU切り替え技術Optimusテクノロジーに対応しており、負荷に応じてIntel HD Graphics 3000からGeForce GT 555Mにシームレスに切り替わる仕組みだ。

CPU-Zで確認するとCPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 3000だけ認識している(画面=左)。CPU-Zでは認識されていないが、プログラムを右クリックするとこのように、どっちのGPUで駆動させるかを選択できるようになっている(画面=中央)。NVIDIAのコントロールパネルでは、PC内部をスキャンしてアプリケーションを検出し、どちらのGPUで駆動させるか自動的に設定してくれるようになっている。かなりインテリジェントに指定してくれるので通常は自動で問題ないだろう(画面=右)

 Optimusテクノロジーではアプリケーションごとに内蔵グラフィックス動作と外部GPU動作を個別に指定できるようになっている。もっとも、バージョンが上がるにつれてドライバ側で自動的にどのGPUで動かすか判別してくれるようになってきているので、特に気にする必要はないだろう。

 ただ、Optimusテクノロジーはパフォーマンスのバランスを取る技術なので、AC電源駆動では内蔵GPU、バッテリー駆動時には外部GPUといったAMDのPowerPlayのような動作指定はできない。バッテリーの持続時間はメーカー公称で4時間半以上(約4.6時間)となっている。フルサイズノートPCを持ち運ぶことはほとんどないと思われるが、UPS(無停電電源装置)と考えれば、かなりの長時間駆動だ。

各種ベンチマークでパフォーマンスをみる

Windows 7 エクスペリエンスインデックス。HDDをのぞく項目で高いスコアとなっている

 それではK801X2のパフォーマンスをいつものように検証していこう。例によってWindows 7のエクスペリエンスインデックスをはじめ、各種ベンチマークテストを実行した。なお、Intel HD Graphics 3000がGeForce GT 555Mよりも高い性能とは思えないので、各種ベンチマークの動作を内蔵グラフィックスに指定した状態によるベンチマークは省略している。

 まずはWindows 7のエクスペリエンスインデックスから見ていこう。プロセッサの7.5、デュアルチャネル動作が影響しているのかメモリが7.6と最高スコアだ。Windows Aeroのデスクトップパフォーマンスと3Dビジネスおよびゲーム用グラフィックスパフォーマンスも6.9と高い。1番低いのはHDDの5.9。HDD以外のスコアが7前後と高く、ハイスペックといっていいだろう。BTOでストレージをより高速なSSDにするとさらにスコアは高くできるが、体感的にはHDDでもまったく問題はなさそうだ。

 次に、PCMark05、PCMark Vantage、3DMark 06、3DMark Vantageといった定番のベンチマークに加えDirectX 11に対応した3DMark 11を実行した。3DMark 11に関しては3種類の設定「Entry」「Performance(標準)」「Extreme」で計測している。また3Dゲーム系ベンチマークはFINAL FANTASY XIV Official Benchmark、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3を行っている。また、試しにPCMark7 Basic Editionも計測した。

PCMark05(画面=左)とPCMark Vantage(画面=右)の結果

3DMark06(画面=左)と3DMark Vantage(画面=中央)、3DMark11の結果(画面=右)

FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3(画面=左)とFINAL FANTASY XIV Official Benchmark(画面=右)の結果

 ベンチマークの結果はグラフの通り、総じて十分に高い性能を示した。クアッドコアなのためマルチスレッド対応のCPU性能でスコアに違いが出るベンチマークテスト(PCMark VantageのCommunications Suiteなど)では特に高いスコアを出している。なお、PCMark 7 Basic Editionのスコアは2423だった。

 FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアが若干低いのが気になるが、古いゲームなら高解像度でプレイできそうだ。DirectX 11対応の最新ゲームも画面効果を調整すれば動かすことが可能だろう。

 今回試用したモデルは11万9700円となっている。グレードの高いCPUやBD-REドライブ、大容量のHDDなどを搭載している点を考慮すれば、性能、機能、コストパフォーマンスすべての点において不満のない、バランスのとれたマシンだ。また、エントリーモデルの「LB-K801B」なら、クアッドコアのCore i7-2630QM(2GHz)を搭載しつつも、8万円を切る7万9800円という低価格で購入できる。こちらもコストパフォーマンスが非常に高く、価格優先でデスクトップPC代替機を探しているのなら、真っ先に検討したい1台だ。

 LuvBook Kシリーズは、3Dゲームをバリバリプレイするというよりは、クアッドコアの8スレッド実行を生かしたマルチメディア関連、動画変換や動画編集といった目的で利用するのがオススメのマシンだ。何よりもフルHD解像度対応の液晶ディスプレイを条件にしている人には、魅力的な選択肢になるだろう。

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