「メインマシンに影響を与えずにインストール」を考えた場合、「使用していないマシンにインストールする」という選択肢が最も安全で確実だ。ただ、空いているPCなぞない、というユーザーも少なくないだろう。そういう場合は、次善の策として仮想マシン(VM)環境を作ってそこにWindows 8をインストールするのがいい。ただWindows開発チームのシノフスキー氏によれば、「Windows 8ではハードウェアアクセラレーションが多用されており、機能制限の加わる仮想マシンでの実行はOS本来のパフォーマンスを生かせない」とのことで、性能低下はある程度甘受しなければいけない。
仮想環境にインストールする場合、どのような仮想マシン化ソフトウェアを使えばいいのだろうか? Microsoftでは、Windows 8 DPの利用にあたって、動作可能な仮想マシンと不可能な仮想マシンを、Building Windows 8 Blogのエントリの中でリストアップしている。
動作可能
動作不可能
傾向としては、Hyper-Vのようなハイパーバイザでは問題なく動作すること、また、VMware Workstationは最新バージョンでサポートされるようだ。一方でMicrosoftのVirtual PCや、同じ動作環境を持つWindows 7 XP Mode、バージョン番号の古い仮想マシンでは動作しない。そのほか、Building Windows 8 Blog以外でもMac OS X向けに提供されているParallels DesktopやVMware Fusionの最新バージョンで動作が報告されている。
この連載では、実行環境にVirtualBoxを選んだ。VMware Workstationは30日間の試用版だが、VirtualBoxはフリーで配布している。また、9月中旬のBUILD時点ではサポートされていなかったドライバ関係のツールが現時点でWindows 8でも利用できるなど対応も早い。不完全ながらUSBのパススルー接続にも対応しており、Windows 8 DPの実験環境にちょうどいい。
VirtualBoxは、もともとSun Microsystemsの製品だったが、買収を経て現在はOracle VMブランドとなっている。そのため、最新バージョンの入手はOracleのWebページから行うといいだろう。なお、原稿執筆時点の最新バージョンは「v4.1.4」だ。ゲストOS対応プラットフォームはWindows(32ビット版/64ビット版)のほか、Mac OS X、Solaris、Linux各ディストリビューションとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.