フロントパネルのダイヤルは、大きくしっかりした動きで操作感は良好だ。ただ、電源オン時にダイヤル周りがカラフルに光る(ゆっくり色が変化する)──というか光りすぎるのは困る。さらに真空管の下部に埋め込まれた青色LEDもかなり強烈に点灯し、こちらも多少のミスマッチ感がある。このへんは海外製品ならではの派手目な演出が好まれるためと推測するが、可能なら点灯をオフに、せめて1色固定で勘弁してほしかった。
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真空管の下部が青色LEDで、さらにダイヤル周りもカラフルに光る
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USB DAC機能は、48kHz/16ビット対応とオーソドックスな仕様だ。とりあえずはこれで十分だが、もう少しハイスペックなものを望むなら別途好みのUSB DACを導入し、本機のアナログ入力に接続する使い方もありだろう。
仕様については、USB端子がStandard-Aタイプである点が戸惑うところかもしれない。ハイクオリティ志向のUSBケーブルで接続したいとなると手持ちで選択肢がなく困った。今回はStandard-B→Standard-A変換プラグを用いたが、次期モデルがあるならPCオーディオこだわり層に向けて端子の変更を望みたい。
サウンドは、細やかでていねいだ。さらに特性のよい倍音成分によって、ピアノが心地よく響き、一方で弦楽器、特にヴァイオリンの音色も美しい。また、女性ヴォーカルは甘い響きを持ちながらもしっかりした芯のある、心地よい美声を聞かせてくれる。解像度感の高さ、ていねいな演奏の再現は文句のないクオリティである。
また、絶対パワーの限界の高さからダイナミック感はそこそこのレベルにとどまるものの、ハードロックなどを聴いても切れがよく、小気味いいグルーブ感を持つサウンドを楽しませてくれた。接続するスピーカーに多少の能率のよさを求める傾向はあるが、音楽ジャンルに関しては予想以上に懐が深い印象だ。
そう、実はこれは「しっかりした作りの真空管アンプが持つ独特のキャラクター」でもある。真空管アンプは「自然で柔らかい」サウンド一辺倒ではなく、使い方次第で芯のある力強い音も引き出せるわけだ。
そういった懐の深さから、本機はなかなか本格派でコストパフォーマンスの高いモデルと評価できる。美しく懐かしい物体──だけでない、真空管アンプならではの美音をPCオーディオで再び楽しんでみてはいかがだろうか。
| 音質評価 | |
|---|---|
| 解像度感 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
| 空間表現 | (ナロー−○−−−ワイド) |
| 帯域バランス | (低域強調−−−○−フラット) |
| 音色傾向 | (迫力重視−−○−−質感重視) |
もしかして……かなり本格派?:“クアッド真空管”仕様──「USB DAC機能搭載真空管アンプ」
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