Big BangがX79を載せるとこうなった──MSI「Big Bang-XPower II」の機能を総ざらいイマドキのイタモノ(2/3 ページ)

» 2012年01月30日 16時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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X79なBig Bangはミリタリーデザインで攻める

 Big-BangシリーズをはじめとするMSIのハイエンドマザーボードといえば、黒い基板にコーポレートカラーの青い拡張スロットというカラーリングが多い。しかし、Intel X79 Expressチップセットを搭載するBig-Bangシリーズの新モデルとして登場した「Big Bang-XPower II」は、基板もスロットも黒に統一しただけでなく、デザインのアクセントとして“ミリタリーテイスト”のヒートシンクを用意した。チップセットヒートシンクは金色の弾倉型で、VRMヒートシンクはガトリング砲の銃身を模している。冷却性能的にはあまり意味はないが、FPSゲーマーの好みを狙って訴求する効果は期待できるかもしれない。

弾倉型のチップセットヒートシンクと、ガトリング砲銃身を模したVRMヒートシンクが“XPOWER II”のデザインで“強烈な”アクセントになる

 MSIで“Military”といえば、同社のマザーボードで品質を訴求する独自基準「Military Class」がある。Big Bang-XPower IIでは、最新の基準となる「Military Class III」に準拠する。

 MSIのMilitary Classは、第1世代の“Military Class”から、第2世代の“Military Class II”がすでに設定されていて、今回設けられた最新のMilitary Class IIIは、第3世代となる。一口にMilitary Classといっても、そこで満たすべき条件は世代ごとに異なる。

 Military Class IIIに必要な構成要素は、「DrMOS II」、「Hi-c Cap」、「SFC」、そして、「固体コンデンサ」の4つだ。DrMOSは、従来VRMに用いていた複数のチップをワンパッケージにしたチップで、チップ点数を減らしつつ、変換効率を向上させ、そのことで発熱を抑制する効果がある。

 DrMOS IIは、従来のDrMOSに実装していた機能に加えて、温度センサとプロテクション機能を統合した。温度センサから取得したデータに基づき、115度でシステムが警告を発し、130度でシステムを自動的にシャットダウンする。ただ、一般的な用途で、100度を超えるような高温になることはそうあり得ない。このプロテクション機能については、オーバークロック設定動作などでシステムに異常が発生したときに作動する“緊急停止”のための機能という理解でもいいだろう。

 高品質なタンタルを用いるHi-c Cap コンデンサは、一般的な固体コンデンサと比べて電気特性が優れるとされる。SFCは、コイル鳴きしないというフェライトチョークで、MSIは、最大供給電流はMilitary Classの条件としていたIcy Chokeと比べて30パーセント増えたほか、電力効率も10パーセント改善され、長寿命とオーバークロック耐性が実現したと訴求する。固体コンデンサの採用も、いわゆる電解コンデンサより高い信頼性をアピールする。

 Military Class IIIは、以上の構成要素をどの程度満たすかによって、星の数で5段階のグレードを設けているが、Big Bang-XPower IIには、すべての構成要素を満たす最上位の「5つ星」を与えている。

 DrMOS IIを搭載する場所は、CPUに電力を供給する回路を実装するVRMヒートシンクの下になる。MSIによれば、従来と同様に、RenesasのDrMOSを採用している。Hi-c Capは、主にCPUとメモリの電源回路周辺に用いられている。ただ、LGA1156を採用する「Big-Bang Trinergy」のように、マザーボードのコンデンサすべてがHi-c Capというわけではない。電源回路でいえば、CPU周辺が最も負荷が高く、そのほかの回路は、そこまでの電流を要求するわけではない。バイタルパート(重要防御区画)に高効率で低発熱なタンタルコンデンサを採用していれば十分という考えだ。SFCは、CPUとシステムメモリの電源回路部分に加えてPCI Express用の回路にも実装している。

 CPUに供給する電源回路のフェーズ数は22とされる。MSIのマザーボードは、DrMOSを採用することで、少ないフェーズ数でも十分な電力が供給できると説明してきたが、Big Bang-XPower IIは、DrMOSを搭載し、かつ、電源回路を多段フェーズ構成にした、ある意味“ぜいたく”な仕様だ。22フェーズのPWM回路によって供給可能な電流量は770アンペアとされている。これは、Intel X79 Expressのリファレンスデザインで示している315アンペアの約2.4倍に相当する。同時に、PWM制御によって発熱も14パーセント抑制できるとしている。

 そのほか、電源回路では、CPU用のEPS12Vを2系統設けているほか、グラフィックスカード用に6ピンのPCI Express用コネクタを搭載する。2系統のEPS12Vから供給可能な電力は300ワットに達し、6ピンPCI Expressでは150ワットの供給が可能という。

CPUの電源回路部には、安定動作の独自品質指標となるMilitary Class IIIの基準を満たすチップが集中する。このほかにも、メモリスロットやPCI Express x16対応拡張スロットなどの電源回路部にも集中的に配置する(写真=左)。CPUソケットの裏にもHi-c Capが搭載されている(写真=右)

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