BIOS(Unified EFI)には、MSIのIntel Z68 Expressチップセット搭載マザーボードの第3世代モデルから導入した「ClickBIOS II」を採用する。メインの設定項目を画面中心に据え、画面上部にCPUやメモリなどのステータス表示エリアを、画面の左右寄りにメニューを配するレイアウトだ。MSIのIntel 6シリーズチップセット搭載マザーボードの第1世代で採用していた、“グラフィカルだけどちょっと分かりにくい”Unified EFI画面からは、使い勝手が大きく改善された。
ClickBIOS IIのUIは、Unified EFIだけでなくWindowsで動くユーティリティでも利用できる。Windows上のユーティリティとUnified EFIのUIはかなり近いレイアウトで、詳細は多少異なるものの、目的の機能がどこにあるのかは容易に見当がつく。
なお、Unified EFIのトップメニューにあって、Windowsユーティリティで省かれている項目に、簡易OSの「Winki」がある。マザーボードで用意するLinuxベースのWinkiは、MicrosoftのWindows OSより高速で起動でき、Webブラウズやメッセンジャー、メールチェックが可能だ。以前からMSIのマザーボードで採用してきたが、その機能は着実に進化しており、Big Bang-XPower IIでは、HDD BackupやLive Updateなどを追加した。


Windows上で利用できるClick BIOS II。Unified EFIと似たUIであることが分かる(写真=左)。詳細設定で項目の一部で表示が異なるが、大きく違わないので、Unified EFIと同じ感覚でWindowsでも設定ができる(写真=中央)。右にあるメニューの「BROWSER」と「UTILITY」といった項目からWinkiが起動する。HDD BackupやLive Updateといった機能も追加した(写真=右)Windows上で利用できるユーティリティとしては、「Control Center」を用意する。Windows上からCPU、メモリ、および、各部駆動電圧やファンの回転数などを制御できるほか、オンボードLEDで示すシステム状況表示の把握がWindows上で可能だ。現在有効になっている電源回路のフェーズ数も把握できる。ただ、実際に利用してみると、一画面上の情報量は多いが、文字やボタンが小さく、スクロールボタンの挙動が一般的なウィンドウとは異なるなど、独自の操作体系になれる必要がある。


「Control Center」のOverclocking設定画面。プルダウンボタンから値を設定できる。“Advanced”ボタンでは詳細設定画面が開き、“More”ボタンでは詳細な情報を表示する(写真=左)。また、OverclockingタブではWindows上からOC Genieを制御できる(写真=中央)。Control Centerは、表示する情報量が多く、システムの状況を把握しやすいものの、それだけに文字が小さすぎる。動作は安定しているが、一部で表示が崩れる画面もあった(写真=右)Big Bang-XPower IIは、“Military Class IIIの5つ星”というMSIが設定する品質基準の最上位クラスを満たす高品質なコンポーネントで構成している。オーバークロックのチューニングをぎりぎりまで詰めていっても、安定動作を重視するとともに、拡張スロットやメモリスロット、オンボードで用意した機能などに充実している。
デザインを含めて、従来のBig-Bangシリーズとも一線を画するBig Bang-XPower IIはMSIが投入する新世代ハイエンドマザーボードとして、同社が遊べる自作PCにたいする“本気”を久しぶりに感じさせるモデルだ。
MSI、OC機能を備えたハイエンド仕様のX79搭載XL-ATXマザー「Big Bang-XPower II」
MSIのプライベートブースで「Z77」マザーを見る
MSI、Military Class IIIに進化した“X79”マザーボード
“ビックE”登場!──6コアな新世代ハイエンドモデル「Core i7-3960X」を全力で走らせる
インテル、“Sandy Bridge-E”シリーズCPUと“X79”チップセット発表
Gen.3とX79とSandy Bridge-Eの関係
MSIブースで「X79」「第3世代」なマザーボードをチェックするCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.