シマンテックは2月9日、スマートフォンやタブレット端末でのWebブラウジングを監視、制限できるアプリ「ノートンセーフティマインダー」を発表した。同社が提供するWebベースのペアレンタルコントロールサービス「ノートンオンラインファミリー」のAndroid端末版で、子どもがスマートフォンでアクセスしているサイトを保護者がチェックし、不適切と判断したサイトの閲覧をブロックできる。
Webページのフィルタリング機能(カテゴリ毎にファイル共有、ポルノ、カルト、SNSなど40以上)や、子どもが閲覧したWebサイトを時系列で整理するといったリポート機能などはPC版のノートンオンラインファミリーと同様に利用できる。PC版で設定したWebフィルタリングルールをAndroid端末に適用することも可能だ。リポートはWebブラウザ上で見られるため、iPhoneやiPadなどインターネットが利用できるあらゆる端末から閲覧できる。ただし、PC版に実装されている検索語句の監視や、利用時間の制限といった機能はない。
子どものAndroid端末にアプリをダウンロードし、保護者のノートンオンラインファミリーアカウントにログインするとサービスを開始する。アンインストールの際にも、同サービスのアカウントとパスワードが必要なので、子どもがアンインストールするのは難しい。ただし、ブラウジングを監視できるのは標準ブラウザを使用している場合のみとなる。
アプリはAndroid Marketから無料でダウンロード可能で、対応OSはAndroid 2.2/2.3だ。Android 3以降への対応やiOS向けアプリは現在開発中(シマンテック)としている。なお、auのみ3G回線で接続している場合は監視できない。フィルタリング機能が正しくはたらかない可能性があり(シマンテック)、原因が特定できていないためだという。
製品発表会では、シマンテック執行役員 ノートン事業部 マーケティング本部長のロジャー ヨーダー氏が「日本の10代におけるインターネット/スマートフォンの利用形態」と題して、Webブラウジングを監視する必要性について説明した。
ヨーダー氏は「PCが家庭に1台しかなかった時代ならば、保護者が子どものインターネット利用をコントロールするのは簡単だったが、低価格で購入できるPCやスマートフォンの普及により、子どもでも複数のデバイスからインターネットにアクセスする時代となった。もはや、従来のフィルタリングサービスだけでは、子どもたちをリスクから守ることはできないだろう」と述べ、保護者が子どものインターネット利用をコントロールする必要性を強調した。
ノートン事業部 リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャの吉田一貫氏も「保護者の93%が電話やインターネットの利用にルールを決めているのに、半数以上の保護者はペアレントコントロールのツールを利用していない。特に日本では、保護者より子どものほうがネットリテラシーが高い場合が多く、親はコントロールを諦めるか、厳しい制限を設けるかという極端な選択をしてしまいがちだ」と述べた。極端な選択をすれば、子どものネットリテラシーが育たなくなると吉田氏は危惧する。
保護者側が一方的に子どもの行動を制限するのではなく、親子がしっかりと話し合って、インターネットを利用することが大事だという。「プライバシーの問題があるといってノートンオンラインファミリーの導入をためらう人もいるが、あくまで親子間のコミュニケーションでルールを決めることが目的。保護者が見てくれている、守ってくれているという感覚で使用してほしい」(吉田氏)。
アプリは無料だが、有償のプレミア版も準備しているという。プレミア版はWebページのフィルタリング機能に加え、ショートメールやMMS、アプリまで監視できる機能を備える予定で、「2012年内にはリリースしたい」と吉田氏は語った。また、このアプリはPCやスマートフォンのセキュリティサービスを、1つのアカウントで集中管理するパーソナライズドサービス「Norton One」にも対応するという。
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