「Intel Z77 Express」チップセット搭載マザーでSandy Bridgeを動かしてみるイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2012年03月08日 00時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

同社の命名ルールにのっとれば“Intel Z77 Express”チップセット

 GIGABYTEがCeBIT 2012で、「Intel Z77 Express」チップセットを搭載したマザーボードを展示している。その中から、「GA-Z77X-UD5H」と「GA-Z77M-D3H」を使って、マザーボードの特徴を外観から確認したうえで、“Sandy Bridge”世代の現行CPUを基幹としたシステムで移行するメリットを考察したい。

「GA-Z77X-UD5H」(写真=左)と「GA-Z77M-D3H」(写真=右)は、いずれも未発表のチップセットを搭載した次世代メインストリーム向けマザーボードだ

 GA-Z77X-UD5HはATXフォームファクタに準拠し、GA-Z77M-D3Hはmicro ATXフォームファクタに対応する。GIGABYTEの命名規則から推測すれば、搭載するチップセットを示すのが「Z77」だ。CPUソケットのカバーや周辺のシルク印刷には、「LGA1155」と書かれている。これは、インテルがSandy Bridgeの世代から採用したCPUソケットだ。

 この命名規則から搭載するチップセットの名称が「Intel Z77 Express」と推測できる。2012 International CESなどでの展示内容から、Intel Z77 Expressは、現在主力となっているIntel Z68 Expressの後継となるチップセットで、同時にインテルの次世代CPU「Ivy Bridge」をサポートすると関係者の間では考えられている。

 では、Intel Z77 Expressとはどのような仕様のチップセットなのだろうか。評価したマザーボードから読み取れる範囲で確認していこう。

まずはmicro ATXのGA-Z77M-D3Hからチェック

 シンプルな構成のGA-Z77M-D3Hで用意するSerial ATAは、合計で6基と、従来のGA-Z68M-D3Hと同様だ。白い2基のコネクタ横には、“SATA3”と記されており、水色の4基は“SATA2”とシルク印刷されている。Serial ATAで利用できる数に変更はないようだ。なお、2基のPCI Express x16対応スロットは、CPUに近いスロットが16レーン、その下のスロットから伸びる配線を裏面から確認すると4レーンであるようだ。レーン数が異なるため、CrossFireXをサオートするロゴはあるが、SLIロゴはプリントされていない。

Serial ATAは6基で、“SATA3”と書かれた白いポートが2基、“SATA2”と書かれた水色のポートが4基で、これはIntel Z68 Expressマザーボードと変わらない(写真=左)。基板を裏側から見ると、2基のPCI Express x16対応スロットは、CPUに近い側が16レーン、その下が4レーン対応と思われる(写真=右)

 メモリスロットは4基で、240ピンのDDR3 SDRAM用だ。白と水色とで色分けされているところから、デュアルチャネルであるように思われる。拡張スロットは、先に述べたPCI Express x16対応の2基に加えて、PCI Express x1対応が1基、そして、PCI対応という構成だ。PCI Express 3.0という表記があるが、それ自体は、GIGABYTEの「G3」型番のIntel Z68 Express搭載マザーボードでもサポートしている。ただし、PCI Express x16のインタフェースがCPUに統合された現状において、PCI Express 3.0 x16をサポートするCPUを組み合わせなければ利用できない。

 バックパネルには、映像出力インタフェースを搭載する。GA-Z77M-D3Hでは、HDMI、DVI、アナログRGBの3種類だ。グラフィックスコアを統合したCPUを搭載した場合、ディスプレイ出力をサポートするチップセットということが分かる。

映像出力インタフェースとして、HDMI、DVI、アナログRGBを用意する

 バックパネルには2基のUSB 3.0も搭載する。USB 3.0については、基板のATX24ピン横にもUSB 3.0用ピンヘッダがあるので、合計4基が接続できることになる。ただし、基板には、Intel Z68 Expressチップセット搭載でUSB 3.0インタフェースを用意するマザーボードで必ず実装してしたUSB 3.0用のコントロールチップが存在しない。

 基板で確認できた主なチップを列挙すると、ギガビットイーサネットがAtheros「AR8151-D」、オーディオ機能がVIA「VT2021」、ASMediaのチップも2つほど確認できたが、「ASM1442」はHDMIやDVI出力用に用いるチップだ。こうなると、USB 3.0のコントローラは、チップセットに統合されていると考えるのが妥当だろう。

ASMediaのASM1442チップを2基実装する。ASMediaはUSB 3.0のコントローラも供給しているが、このチップはTMDSだ。GA-Z77M-D3HのUSB 3.0制御機能は、チップセットに統合されていると考えられる(写真=左)。AtherosのAR8151は、1000BASE-Tイーサネットのコントローラで省電力向けタイプだ(写真=中央)。オーディオコントローラはVIAのVT2021を利用する(写真=右)

 チップセットは、Intel Z68 Express同様のシングルチップ構成だ。ヒートシンクのサイズはコンパクトで、発熱もそこまで大きくはないとみられる。CPU電源回路は5フェーズ構成だ。コア用とアンコア用の分配がどうなっているのかは分からないが、定格設定での運用が想定されるmicro ATXフォームファクタということもあって、フェーズ数は十分であるものとみられる。

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