「Intel Z77 Express」チップセット搭載マザーでSandy Bridgeを動かしてみるイマドキのイタモノ(2/2 ページ)

» 2012年03月08日 00時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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GA-Z77X-UD5HはmSATAを備えIntel SRTが利用可能

 GA-Z77X-UD5Hは、ATXフォームファクタに準拠する。GIGABYTEのIntel Z68 Expressマザーボードは、最上位モデルがGA-Z68XP-UD4/WIFIだ。黒い基板と、“UD5”という型番から推測すると、最上位モデルか、そうでなくとも、かなり上位ポジションのモデルと予想できる。

 CPUソケットと拡張スロットの間にはmSATAスロットを備える。Intel Smart Response Technology(ISRT)のロゴも基板に記載されているが、これはmSATA対応のSSDと組み合わせてHDDのアクセスを高速化する技術だ。GIGABYTEのIntel Z68 Expressチップセット搭載マザーボードでは、一部モデルにmSATAスロットを搭載している。

CPU電源回路は15フェース構成だ。基板にはmSATAスロットも搭載する。ヒートシンクは高さこそ抑えられているが、CPU電源回路の上辺と左辺、そして、チップセットまでヒートパイプで結んだ巨大な構造となっている

 拡張スロットは、PCI Express x16対応が3基、PCI Express x1対応が3基、そして、PCIとなる。3基のPCI Express x16対応スロットのレーン構成は、CPUソケットに近い側から16レーン、8レーン、4レーンで、GA-Z77M-D3Hと異なる。PCI Express x16のインタフェースがCPUに統合されるため、おそらく、CPUソケットに近い2基のスロットは、片方のみ有効のときは16レーン、両方有効になると8レーン×2となるだろう。そのためのスプリットチップも基板に存在した。バックパネルには、映像出力インタフェースとしてDisplayPort、HDMI、DVI、アナログRGBと4種類を搭載する。

 GA-Z77X-UD5HのUSB 3.0は、バックパネルに4基、そして、基板のピンヘッダが3カ所6基で、全部で10基になる。ただし、VIAのVL810というUSB 3.0ハブコントローラチップを実装しているので、これを経由することで利用できるUSB 3.0インタフェースを増やしている可能性がある。Serial ATAは、6Gbps対応が3基、バックパネルにはeSATAが確認できる。

映像出力インタフェースは、DisplayPort、HDMI、DVI、アナログRGBをそろえる。USB 3.0もバックパネルだけで4基を用意する(写真=左)。白いSerial ATA 6Gbpsが2基、黒いSerial ATA 3Gbpsが4基、そして、灰色の6Gbps(GIGABYTEが追加したSerial ATA)が2基、奥にも白い6Gbpsが1基ある。USB 3.0のピンヘッダは、ATX24ピン横に1基、Serial ATAの左側に2基確認できる。Serial ATAの右にSerial ATAデバイス用の電源コネクタがある(写真=右)

Marvellの88SE9172は、PCI Express x16スロットの間に1基、Serial ATA横に1基実装する。Serial ATA 6Gbpsのコントローラだ(写真=左)。PCI Express x16対応スロットの間にはPCI Express 3.0対応スイッチチップのNXP「L04083B」を実装する(写真=右)

1000BASE-T対応のネットワークコントローラには、IntelのWG82579V(写真=左)と、AtherosのAR8151(写真=右)を備える

オーディオコントローラはRealtekのALC868を利用する(写真=左)。VLIのUSB 3.0ハブチップVL810を2基搭載。1基はバックパネルの後ろで、もう1基はSerial ATAの横に配置する(写真=右)

USB 3.0のコントローラはチップセットに統合するか

 今回評価するIntel Z77 Expressとみられるチップセットを搭載したマザーボードは、どちらも基本的な機能はIntel Z68 Expressチップセット搭載モデルと変わらない。その中で、USB 3.0コントローラをチップセットに統合した可能性があるのは、注目したいポイントだ。

 GA-Z77M-D3HとGA-Z77-UD5HのCPUソケットはLGA1155で、Sandy Bridge世代のCore i7-2600K(3.4GHz、Turbo Boost Technology有効時で3.8GHz)を搭載してみたところ動作した。OSにWindows 7を導入して、デバイスマネージャから、この未発表チップセットを確認してみると、「Intel 7シリーズ/C216チップセットファミリ」という記述が確認できた。さらに、USBコントローラの項目では、「インテル USB 3.0 eXtensibleホスト・コントローラ」と、「インテルUSB 3.0ルートハブ」という記述が確認できた。

デバイスマネージャから見たGA-Z77M-D3Hのハードウェア構成。チップセットがIntel 7シリーズ/C216チップセットファミリ、USBコントローラはインテル USB 3.0 eXtensibleホスト・コントローラと確認できる

次世代CPUを正式サポートする意義は大きい

 現時点で判明したIntel Z68 Expressとの機能の違いは、USB 3.0のコントローラがチップセットに統合された可能性があるだけだ。すでに多くのマザーボードが、USB 3.0の専用コントローラを実装している現状で、チップセットにUSB 3.0コントローラを統合してもユーザーとしてはその変化に気が付かないぐらいだろう。

 このチップセットで一番重要なのは、インテルの“次世代”CPUを正式にサポートする点だ。PCI Express 3.0 ReadyなIntel Z68 Expressマザーボードが数多くリリースされているものの、PCI Express 3.0対応のCPUが出ていない状況下における上位互換と下位互換では、安心感が違う。CPU自体に新機能が追加される可能性もあり、Intel Z68 Expressがその新機能に対応できるのかも不明だ。

 以上のような事情から、Intel Z68 Expressから乗り換えようとするユーザーは、CPUとセットであることが望ましい。一方、Sandy Bridge世代のCPUやIntel 6シリーズチップセットより古いシステムのユーザーであれば、次世代CPUとIntel Z77 Expressには無条件で移行を検討していいだろう。

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