GA-Z77X-UD5Hは、ATXフォームファクタに準拠する。GIGABYTEのIntel Z68 Expressマザーボードは、最上位モデルがGA-Z68XP-UD4/WIFIだ。黒い基板と、“UD5”という型番から推測すると、最上位モデルか、そうでなくとも、かなり上位ポジションのモデルと予想できる。
CPUソケットと拡張スロットの間にはmSATAスロットを備える。Intel Smart Response Technology(ISRT)のロゴも基板に記載されているが、これはmSATA対応のSSDと組み合わせてHDDのアクセスを高速化する技術だ。GIGABYTEのIntel Z68 Expressチップセット搭載マザーボードでは、一部モデルにmSATAスロットを搭載している。
拡張スロットは、PCI Express x16対応が3基、PCI Express x1対応が3基、そして、PCIとなる。3基のPCI Express x16対応スロットのレーン構成は、CPUソケットに近い側から16レーン、8レーン、4レーンで、GA-Z77M-D3Hと異なる。PCI Express x16のインタフェースがCPUに統合されるため、おそらく、CPUソケットに近い2基のスロットは、片方のみ有効のときは16レーン、両方有効になると8レーン×2となるだろう。そのためのスプリットチップも基板に存在した。バックパネルには、映像出力インタフェースとしてDisplayPort、HDMI、DVI、アナログRGBと4種類を搭載する。
GA-Z77X-UD5HのUSB 3.0は、バックパネルに4基、そして、基板のピンヘッダが3カ所6基で、全部で10基になる。ただし、VIAのVL810というUSB 3.0ハブコントローラチップを実装しているので、これを経由することで利用できるUSB 3.0インタフェースを増やしている可能性がある。Serial ATAは、6Gbps対応が3基、バックパネルにはeSATAが確認できる。
今回評価するIntel Z77 Expressとみられるチップセットを搭載したマザーボードは、どちらも基本的な機能はIntel Z68 Expressチップセット搭載モデルと変わらない。その中で、USB 3.0コントローラをチップセットに統合した可能性があるのは、注目したいポイントだ。
GA-Z77M-D3HとGA-Z77-UD5HのCPUソケットはLGA1155で、Sandy Bridge世代のCore i7-2600K(3.4GHz、Turbo Boost Technology有効時で3.8GHz)を搭載してみたところ動作した。OSにWindows 7を導入して、デバイスマネージャから、この未発表チップセットを確認してみると、「Intel 7シリーズ/C216チップセットファミリ」という記述が確認できた。さらに、USBコントローラの項目では、「インテル USB 3.0 eXtensibleホスト・コントローラ」と、「インテルUSB 3.0ルートハブ」という記述が確認できた。
現時点で判明したIntel Z68 Expressとの機能の違いは、USB 3.0のコントローラがチップセットに統合された可能性があるだけだ。すでに多くのマザーボードが、USB 3.0の専用コントローラを実装している現状で、チップセットにUSB 3.0コントローラを統合してもユーザーとしてはその変化に気が付かないぐらいだろう。
このチップセットで一番重要なのは、インテルの“次世代”CPUを正式にサポートする点だ。PCI Express 3.0 ReadyなIntel Z68 Expressマザーボードが数多くリリースされているものの、PCI Express 3.0対応のCPUが出ていない状況下における上位互換と下位互換では、安心感が違う。CPU自体に新機能が追加される可能性もあり、Intel Z68 Expressがその新機能に対応できるのかも不明だ。
以上のような事情から、Intel Z68 Expressから乗り換えようとするユーザーは、CPUとセットであることが望ましい。一方、Sandy Bridge世代のCPUやIntel 6シリーズチップセットより古いシステムのユーザーであれば、次世代CPUとIntel Z77 Expressには無条件で移行を検討していいだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.