低パワーでもいい。予算10万円で“超サクサク”なPCがほしいショップのダメ出し!(2/3 ページ)

» 2012年03月21日 10時49分 公開
[古田雄介(ぜせ),ITmedia]

CPUは低価格で高クロック化、SSDはランダムアクセス重視で変更

ほめ上手なクレバリー秋葉原店の秋葉晃一氏

 構成表を数十秒眺めたのち、秋葉氏は「これは基本的に問題ないですね。目的通りの構成だと思います」と構成表を評価してくれた。そのうえで、「ここからさらに割安なパーツや性能の高いパーツを突き詰めていきましょう」とブラッシュアップの方向を提示してもらうことになった。

 元の構成表のうち、秋葉氏の評価が最も高かったのはマザーボードだ。ASRockのZ68マザーのうち、ATXサイズで最下位の位置付けとなる「Z68 Pro3 Gen3」で、SATA 3.0とUSB 3.0はそれぞれ最低限の2基ずつとなる。サードパーティ製のチップは少ないが、映像出力はHDMI/DVI/アナログRGBとフルに用意している。

 割安さとZ68チップセットの多機能さからこのマザーボードをチョイスしたが、秋葉氏は「実測で比較すると体感レベルで分かるんですが、ASRockはほかのメジャーメーカーより起動が速いんですよ。そのうえ、Z68 Pro3 Gen3はチップの数も少ないので、より素早い起動やシャットダウンが可能だと思います。今回のコンセプトにうってつけのマザーといえますね」と語る。その特典には一切気づいていなかったが、ほめられるとうれしい。

 ブラッシュアップの手始めはCPUだ。「Core i5-2500Kのままでもいいですが、今回の目的なら内蔵GPUはIntel HD 3000にこだわる必要はないので、末尾の“k”がない、Intel HD 2000内蔵タイプにしてもいいと思います。そのうえで狙い目なのが、『Core i3-2130』です。2コア4スレッドのCPUですが、動作クロックはCore i7-2600と同じ3.4GHzもあるんですよ。マルチタスクでガンガン処理するという使い方でないなら、切り替えるのもありでしょう」という。提示されるままに、Core i5-2500Kより100MHzクロックが高く、約7000円安いCore i3-2130に切り替えた。

ASRock「Z68 Pro3 Gen3」。もちろんキープだ(写真=左)。インテル「Core i5-2500K」と「Core i3-2130」。甲乙付けがたいが、Core i3を選んだ(写真=右)

 そして、SSDにもメスが入った。高速環境の要といえるパーツだけに、CPUとは逆に予算をかける方向で調整する。「SSDはシーケンシャルとともにランダムアクセスの速度も重視して選ぶのがいいと思います。データコピーや起動の速さはシーケンシャル速度が関係しますが、普通に使っているときはむしろランダムアクセスのスピードのほうが重要だったりするんですよ。なので、究極を求めるならいまはプレクスターの『M3 Pro』シリーズがいいでしょう」とのこと。1万9470円と高価ながら、PX-128M3Pをチョイスした。M3 Proシリーズの128Gバイトモデル「PX-128M3P」と「AGILITY 3 120GB」の仕様は以下の通り。

公称値 M3 Pro 128GB(PX-128M3P) AGILITY 3 120GB(AGT3-25SAT3-120G)
シーケンシャルリード 535Mバイト/秒 525Mバイト/秒
シーケンシャルライト 350Mバイト/秒 500Mバイト/秒
ランダムリード(4Kバイト) 7万5000IOPS 2万IOPS
ランダムライト(4Kバイト) 6万9000IOPS 5万〜8万5000IOPS

取材時はPX-128M3Pは売り切れていた。3月中旬現在もシリーズ全体で品薄傾向だ(写真=左)。クレバリー1号店で撮影した、プレクスター「PX-128M3P」(写真=右)

 ちなみに、240〜256Gバイト超の大容量SSDに変更する案と、RAID 0を構築する案はいずれも不採用となった。秋葉氏は「SSDは大容量になるほど速度が上がりますが、費用対効果で考えると120〜128Gバイトクラスがベストといえます。また、複数のSSDでRAID 0を構築するのは、マシン起動時にRAID BIOSが読み込まれることと、Trimコマンドが使えなくなることから、今回の目的ではあまりオススメしません」と説明してくれた。

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