そして、LTE対応SIMカードサービス「カメレオンSIM」だ。
日本通信は2012年3月15日にNTTドコモのLTEネットワークとレイヤー2接続を完了。カメレオンSIMは、NTTドコモのLTE回線を借り受けて今回のサービスを提供する。レイヤー2接続は、他社の多くが通信事業者のMVNOとして展開するレイヤー3接続と比べ、中継交換機などの機器を要する半面、帯域幅に応じた接続料金が安価なため、大幅なコストダウンを図れる特長がある。サービスエリアはNTTドコモのXiと同じである。
「なおLTEのU300は、3GのU300と最大速度の値は同じ300kbpsだが、応答速度がぜんぜん違うので、体感値もかなり違う。LTE網ではより快適に使えると思う」(福田専務)
カメレオンSIMの名称は「自分の合うプランを、用途に応じて自由に変えられる」ことに由来する。21日分定額/速度制限なしの利用権(通信量は3Gバイト分まで)を含む初期パッケージを購入(初期手数料3150円分を含めて5800円)し、まずは利用シーンを体験。その後、
カメレオンSIM向け料金プラン | 価格/利用期間 | 条件 |
---|---|---|
U300定額 | 2480円/30日 | 最大300kbpsまで |
高速定額 | 5400円/30日 | 速度制限なし |
1GB Fair | 8800円/120日 | 通信量1Gバイト分まで・4カ月の利用期間あり |
の料金プランを選択して運用していく。
体験利用期間中に自身の使い方を見極め、適切なプランを選択できるのが特長で、上記の初期プランでは、例えば安価だが速度制限のあるU300定額と速度制限のない高速定額を1カ月おきに切り替えながら使えてしまう。
これは2年間の継続利用(2年縛り)が基本条件となる既存通信事業者のデータ通信プランではできなかった(正確には、できないことはないが契約解除が多額に発生する)運用方法だ。カードサイズも標準SIMサイズとMicro SIMサイズの2種類を用意し、Micro SIMカードを用いる(SIMロックフリーの)iPadやiPhone 4などでも活用できる。
上のプランも自分には合わない。そういう人もいるだろう。日本通信はこれを軸に、PCの“BTO(Built to Order)”の概念を取り入れた、“じぶん専用”の料金プランをカスタマイズできる施策「BTO戦略」を構想する。
「基盤はできた。近い将来に導入したい。今回、まずは3つのプランを示したが、実はこれが稼働するとキリがないかもしれない。ただ、自分にピッタリ合うプランは自分が一番よく知っている。これまで“こうなればいいのに”と言っていた人に最適と思う。また、半ば固定化している既存通信事業者の“おおむね多くの層に訴求できるであろう普通のプラン”に対し、日本通信はここまで能力があると示したい。変革に必要なこと、それは1つ。キャリアにできないことをやることだ」(三田社長)
ドコモのAndroidスマートフォンが2012年3月現在、ドコモMVNOのSIMカードを差してもテザリング機能が使えない件について、
「アンフェアだ。APNロックなんてとんでもない」(三田社長)
「NTTドコモと総務省に対してこれはおかしいと抗議している。端末はユーザーのもの。なのに、あるSIMは使えるが、別のSIMでは使えない。これはSIMロックがかかっているのと同じで実質的にユーザーの利便性を損ねていると考える。できるだけ早い段階でユーザーが自由に使えるよう、必要なアプローチは今後も行って行く」(福田専務)
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