一方のUH55/Hは、エントリークラスの13.3型Ultrabookだ。海外で生産され、ボディの内部設計やデザインは上位モデルのUH75/Hと大きく異なる。
カラーバリエーションはUH75/Hと同じ2色展開で、「アルマイトレッド」と「アルマイトシルバー」を用意するが、こちらは細部までコストをかけた作りではなく、コストパフォーマンスに重きを置いている。本体サイズは323(幅)×234(奥行き)×18(高さ)ミリ、重量は約1.6キロと、画面サイズが一回り大きなUH75/Hより大きく重いボディだ。実測の重量は1.616キロだった。


「アルマイトシルバー」はブラックとシルバーのツートーン(写真=左/中央)。UH75/Hと異なり、底面はネジ穴やスリットが多い(写真=右)。保証対象外の行為だが、ネジで固定されたカバーを外せば、2基のSO-DIMMスロットやHDDにアクセスできる内蔵バッテリーはリチウムポリマー(42ワットアワー)で着脱不可。バッテリー駆動時間は約6.5時間(JEITA測定法1.0)と、UH75/Hより公称値で約2.6時間短い。付属のACアダプタはスティック型ではないが、実測でのサイズが39(幅)×88(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量が約204グラム(電源ケーブル含む)と小型軽量だった。
基本スペックもUH75/Hと違って、従来の第2世代Core(開発コード名:Sandy Bridge)がベースとなっている。Core i3-2367(1.4GHz)、Intel HM76 Expressチップセット、4Gバイト(2Gバイト×2/交換不可/PC3-12800/1333MHz動作)メモリ、320GバイトHDD(5400rpm)に高速処理用の32GバイトSSDを組み合わせたハイブリッドストレージ、Intel HD Graphics 3000(CPUに内蔵)といった仕様だ。直販専用のカスタムメイドモデルは用意されず、スペックは固定となる。
13.3型ワイド液晶ディスプレイは光沢仕様、解像度は1366×768ドットでUH75/Hと変わらない。キーボードは約17.75ミリピッチ、約1.5ミリストロークの日本語91キー仕様だ。上位機と同様、キー間隔を離したアイソレーションデザインだが、キーレイアウトは異なり、Enterの右にPgUp/PgDnキーなどが並んでいるのは気になる。パームレストは76〜82ミリと広めだ。
タッチパッドは左右のボタンを一体化したクリックパッド型を採用する。実測での98(幅)×60(奥行き)ミリと十分広い。指の滑りはUH75/Hのほうがよかった。


13.3型ワイド液晶ディスプレイの解像度は1366×768ドット(写真=左)。UH75/Hに比べて、液晶のフレーム部は太くなっている。液晶はTNパネルなので、上下方向の視野角は広くない。液晶ディスプレイの開く角度はUH75/Hより浅い(写真=中央)。キーボードやタッチパッドのデザインもUH75/Hと異なる(写真=右)通信機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとIEEE802.16e-2005準拠のWiMAX(受信最大20Mbp/送信最大8Mbps)を標準装備。エントリーモデルながら、WiMAXを備えているのはポイントだ。DTCP-IPによるホームネットワーク機能も搭載するが、上位機と異なり有線LANには対応しない。
インタフェース類はUSB 3.0×2(1ポートは電源オフUSB充電機能付き)、USB 2.0、HDMI出力、ヘッドフォン出力、SDXC対応SDメモリーカード/メモリースティックPROスロット、有効100万画素のHD Webカメラ、ステレオスピーカーなどを備える。UH75/Hが搭載する指紋センサーは省かれている。
プリインストールOSは64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)、オフィススイートはPowerPointとOneNoteが付かないOffice Personal 2010を採用する。
以上、FMV LIFEBOOK UHの試作機2モデルを写真とともにチェックした。同じシリーズだが、見比べてみると完全な別製品で、上位モデルのUH75/Hがあらゆる面で勝っている。価格面以外でUH55/Hを積極的に選ぶ理由はないだろう。UH75/HのCPUスペックや発売時期、価格がどのようになるのかは現時点で不明だが、今夏にUltrabookの購入を検討しているならば、有力な選択肢になりそうだ。

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