“装備チェンジ”が楽しい13.3型モバイルノートPC――「FMV LIFEBOOK SH54/G」を試す“Made in Japan”の底力(1/4 ページ)

» 2012年03月07日 12時00分 公開

光沢+ヘアライン天面と着脱式ベイ構造が魅力

 富士通の「FMV LIFEBOOK SH」シリーズは、今では珍しい“着脱式の光学ドライブ”を採用した13.3型モバイルノートPCだ。

 店頭向けの2012年春モデルは、薄型軽量を重視した上位機「SH76/G」と、コストパフォーマンスに配慮した下位機「SH54/G」を用意し、いずれも小幅なアップグレードながら、シリーズ全体でSSDを標準搭載しているのが目を引く。今回は下位機のSH54/Gを入手したので、その性能や機能、携帯性をチェックしていこう。

富士通の13.3型モバイルノートPC「FMV LIFEBOOK SH54/G」。写真のカラーはガーネットレッド

 ボディは天面とパームレストにヘアライン加工を施し、さらに天面はヘアライン加工の上に光沢のUVコートを重ねた凝った作りだ。グロッシーな表面の奥にヘアラインがのぞく外観で高級感はなかなかのもの。パームレストに光沢はなく、硬い金属の質感が楽しめるが、タッチパッド周囲が別パーツで構成されていて、周囲と少しなじんでいないのは惜しい。

 ボディカラーは、シャイニーブラック、ガーネットレッド、アーバンホワイトの3色から選べる。今回選んだガーネットレッドは、天面とパームレストの濃いレッドが美しく、ブラックとのツートーンが引き締まった印象を与えている。開発時には天板からの全面加圧試験(約200キロf)、天板からの一点加圧試験(約35キロf)、衝撃試験、電源オフ時の落下試験などを実施し、堅牢性にも注力した。

 本体のサイズは316(幅)×223(奥行き)×17.4〜24(高さ)ミリ、重量は約1.5キロだ。上位機のSH76/Gは本体サイズが316(幅)×223(奥行き)×16.6〜23.2(高さ)ミリ、重量が約1.34キロなので、これに比べると少し厚くて重いが、光学ドライブ内蔵の13.3型モバイルノートPCとしては十分な薄型軽量ボディといえるだろう。

光学ドライブを備えていながら、ボディは薄型軽量で、なかなかスタイリッシュにまとまっている(写真=左/中央)。パームレストとキーボードベゼルはシームレスにつながったデザインで、タッチパッド周辺は別パーツとなっている(写真=右)

 そしてFMV LIFEBOOK SHの場合、光学ドライブを着脱できる「モバイル・マルチベイ構造」を忘れてはならない。光学ドライブを取り外して付属のモバイル・マルチベイ用カバーと交換すれば、公称値で約1.37キロと、13.3型Ultrabook程度の軽さに抑えられるのだ(SH76/Gの場合は約1.22キロ)。

 実際に重量を計測したところ、光学ドライブ装着時で1.475キロ、ベイ用カバー装着時で1.353キロと公称値よりわずかに軽かった。モバイル・マルチベイには、増設用の内蔵バッテリーユニット(オプション)やモバイルプロジェクターユニット(オプション)を装着することも可能だ。

 バッテリー駆動時間は、標準のリチウムイオンバッテリー(72ワットアワー/10.8ボルト/6700mAh)で約13.7時間とされている。また、光学ドライブの代わりに増設用の内蔵バッテリーユニット(28ワットアワー)を装着した状態では、重量増になるが、約18時間もの長時間駆動をうたう。このように、「光学ドライブを使いたい」「本体を軽くして持ち運びたい」「駆動時間を延ばしたい」など、目的に応じてフットプリントを変えることなく、柔軟にシステム構成をユーザー側で変更できるのが最大の魅力だ。

 付属のACアダプタはバッグの中で収まりがよく、持ち運びやすいスティック型を採用する。突起を除いたサイズは30(幅)×132(奥行き)×29(高さ)ミリ、ACケーブルを含めた総重量は224グラムだった(いずれも実測値)。これなら、本体と同時に携帯しても苦にならないだろう。

光学ドライブは背面のレバー操作で簡単に外すことができ、付属のベイカバーなどと交換できる(写真=左/中央)。ネジ止めされた底面のカバーを外すことで、背面のSO-DIMMスロット2基とSSDにもアクセスできる。リチウムイオンバッテリーは液晶ヒンジの下部に装着する仕組み(写真=右)。ACアダプタは小型軽量のスティックタイプが付属する

下位モデルながらSSDとWiMAXを標準搭載

 基本スペックは、CPUがCore i3-2350M(2.30GHz)、チップセットがIntel HM65 Express、グラフィックスがIntel HD Graphics 3000、メモリが4Gバイト(4Gバイト×1/PC3-10600対応/最大8Gバイト)、ストレージが128GバイトSSD、光学ドライブがDVDスーパーマルチだ。

 シリーズ下位機ということでCPUは控えめだが、ストレージに高速かつ静音、省電力、耐衝撃性も高いSSDを採用しているのはうれしい。ただし、ユーザーが利用できるSSDの領域は、各49.5GバイトのCドライブとDドライブに分かれており、購入時でCドライブの空き容量が20Gバイト程度しかないのは気になった。

CPU-Zの情報表示画面。CPUはTDP(熱設計電力)が35ワットの通常電圧版Core i3-2350M(2.30GHz)を搭載。CPU内部に2つのコアを内蔵するデュアルコアCPUで、Hyper-Threadingによって4スレッドを同時に処理できる。EIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)に対応し、アイドル時から低負荷時は最低800MHzまで下がる一方、動作クロックを高めるTurbo Boostはサポートしない

 通信機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN、IEEE802.16e-2005準拠のWiMAX(受信最大20Mbps/送信最大6Mbps)、1000BASE-Tの有線LANを搭載する。Bluetoothは内蔵しないが、WiMAXの標準装備は見逃せない。

 インタフェース類は、最近のモバイルノートPCでは珍しくExpressCardスロット(ExpressCard/34対応)を備えるほか、SDXC対応SDメモリーカードスロット、1基のUSB 3.0、2基のUSB 2.0(うち1基は電源オフでの充電機能付き)、アナログRGB出力、HDMI出力、ヘッドフォン出力、マイク入力を搭載。前述の着脱式ベイ構造と合わせて、モバイルノートPCとして拡張性は高い。

 また、液晶ディスプレイの上部には有効画素数約30万画素のWebカメラ、タッチパッドの左右ボタンの間にはスライド式の指紋センサーを搭載する。

前面にはワイヤレス通信のスイッチとインジケータを配置(写真=左)。背面はバッテリーで占有される(写真=右)

左側面にUSB 3.0、USB 2.0(電源オフでの充電機能付き)、アナログRGB出力、HDMI出力、有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力、ヘッドフォン出力、マイク入力、排気口が並ぶ(写真=左)。右側面には、ExpressCardスロット(ExpressCard/34対応)、SDXC対応SDメモリーカードスロット、着脱式の光学ドライブ、USB 2.0、盗難防止用ロック取り付け穴を用意する(写真=右)

今回入手したSH54/Gのデバイスマネージャ画面。SSDは2.5インチの「TOSHIBA THNSFC128GBSJ」、DVDスーパーマルチドライブは「MATSHITA U38A2AS」を搭載していた。無線LAN/WiMAXモジュールは「Intel Centrino Advanced-N+WiMAX 6150」だ

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年05月14日 更新
  1. ミニPCに外付けGPUを接続できる! 約1.2万円のOCuLink拡張ドック「DEG1」、MINISFORUM AI X1で試した (2025年05月12日)
  2. 18型の超大画面とド派手な演出を楽しめるRTX 5090ゲーミングノートPC「ROG Strix SCAR 18 G835」の実力を検証 (2025年05月13日)
  3. 「光より木!」というシック派がじわじわ増加中の自作PCかいわい (2025年05月12日)
  4. NECPCが直販限定の「LAVIE Direct N15 Slim」を発売 Windows 10のサポート終了を視野に、12万円弱の手頃な価格を実現 (2025年05月13日)
  5. ZOTAC、Core i7+RTX 4070 SUPERを搭載したミニデスクトップPC (2025年05月13日)
  6. PCIe 5.0対応で電力効率に優れたSSD「WD_BLACK SN8100 NVMe SSD」シリーズ登場! 8TBモデルや新型ヒートシンク付きモデルも 発売は6月中旬予定 (2025年05月14日)
  7. 合法的な「コンテンツ利用」と「生成AI活用」の実現に向けての第一歩 アドビがクリエイター支援ツールに取り組む理由 (2025年05月13日)
  8. EIZO、HDR映像制作に適したカラーマネジメント対応の30.5型4Kディスプレイ (2025年05月13日)
  9. エプソンダイレクト、ミニデスクトップPC「Endeavor ST210E」のカスタマイズオプションに第14世代Coreプロセッサを追加 (2025年05月12日)
  10. LG Electronicsが31.5型スマートディスプレイをMakuakeで先行販売 自由なスタイルで利用可能な可動式スタンド付きモデルも (2025年05月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2025年