プリインストールOSは64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)、オフィススイートはMicrosoft Office Home and Business 2010を備えている。
富士通の個人向けPCらしく、豊富なアプリケーションがそろっており、特に電子辞書系のタイトルが充実しているのが見どころだ。個人的に、大容量ではないSSD搭載のモバイルノートPCではもっと付属ソフトの数を絞り込んでほしい気もするが、初心者でも導入しやすいというメリットはあるだろう。
なお、FMVの2012年春モデルにおける目立ったソフトウェアアップデートとしては、取り込んだ画像データから自動的にFlash形式のアルバム(スライドショー)を生成する「マイフォトミュージアム」を新たに搭載したが、モバイル利用がメインのFMV LIFEBOOK SHでは出番が少ないと思われる。
13.3型ワイド液晶ディスプレイは、白色LEDバックライトを搭載した高輝度カラー液晶(スーパーファイン液晶)とされている。1366×768ドット表示とWindows 7で標準的な解像度だ。実際の輝度は特別明るくはないが、明るい室内でも十分な視認性が確保できる。
照度センサーを内蔵し、周囲の明るさに応じてバックライト輝度を自動調整する機能も持つが、輝度の変化が緩やかではなく、急にガクッと変化するのは改善してほしいところだ(設定でオフにすることも可能)。
ディスプレイの表面は光沢仕上げで、照明やユーザーの姿は映り込みやすい。発色はやや青みが強い印象だ。視野角は上下方向が狭く、黒が浮きがちになるが、液晶ディスプレイの角度は約155度までと大きく開くので、ヒザの上やローテーブルなど低い位置に本体を置いても、画面を見やすい角度に調整できる。
キーボードの上部には小型のステレオスピーカーを内蔵する。ノートPC内蔵の非力なスピーカーであっても、より迫力あるサウンドが味わえるよう開発された補正技術「DTS Boost」に対応しており、モバイルノートPCとしてオーディオ面に不満はない。
キーボードは日本語86キー仕様の6段配列だ。一見、キー間隔を離したよくあるアイソレーションキーボードだが、段の違うキーを誤って押さないようキートップにわずかな段差を設けた「ステップ型キートップ」や、指がフィットするようキートップを緩やかな凹形状に仕上げた「球面シリンドリカル」といった工夫を加えており、「ナチュラルフィットキーボード」と名付けられている。キートップの側面を赤く着色した「サイドカラードキー」を採用し、細部のデザインにもこだわった。
主要キーのキーサイズは約15(横)×15(縦)ミリ、キーピッチは約19ミリと余裕がある。配列にクセはなく、極端に小さなキーが見当たらず、EnterやBack Spaceを大きく取り、カーソルキーを少し下げて配置するなど、全体的に入力しやすい設計だ。キーストロークは約1.7ミリと少々浅いが、適度な反発があって難なく入力できる。キーボード自体の固定もしっかりしており、入力時のたわみも気にならないレベルだ。
キーボードの右奥には「ECO」ボタンがあり、これを押すことで省電力モードへの移行がワンタッチで行える。省電力モード時にどのような状態で動作するかは、専用の「省電力ユーティリティ」から設定可能だ。省電力ユーティリティでは、光学ドライブ、オーディオ、無線LAN、有線LAN、バックライト輝度、ディスプレイのリフレッシュレート、CPUパフォーマンスと、デバイスごとの設定を変えられる。
タッチパッドのサイズは80(横)×40(縦)ミリとかなり横に長いデザインで、縦方向がやや短いが、指の滑りはよく、使い勝手は悪くない。ボタンの間に配置された指紋センサーをなぞることで、上下のスクロールの操作も可能だ。
シナプティクスのドライバ(V7.5)が導入されており、2本指を使ったズームや回転などのマルチタッチジェスチャー機能に対応するが(標準では機能がオフになっている)、パッドの縦方向が短いので、マルチタッチの操作は狭く感じる。
FMV LIFEBOOK独自の工夫としては、タッチパッドの右隣に円形のスクロールパッドを装備している。円を描くようになぞることでスクロールの操作が行えるもので、タッチパッドとスクロールパッドの間で指の移動量が多くなるが、縦に長いWebページや文書を読み進めるシーンなどでは役立つ。
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