先週の初旬、連休明けにNVIDIAのハイエンドGPU「GeForce GTX 690」を搭載したグラフィックスカードが登場した。週末までにPalitやギガバイト、ZOTAC、MSIなど複数社の製品が10万円弱から12万円弱で登場しているが、各ショップの入荷数は少なく、街全体の在庫はごく少数となっている。
GeForce GTX 690はGTX 680に近い仕様のGPU2つで構成するモデルで、コアクロックは915MHz、メモリクロックは6008MHzとなる。2GPUでCUDAコアは合計3072基あり、搭載カードのメモリはGDDR5が4Gバイトとなる。補助電源は8ピン×2。
ラインアップとしては、GTX 590の後継といえるが、店頭では従来のデュアルチップモデルよりも高い評価を得ていた。ドスパラ パーツ館は「ベースとなっているGPU本来の性能がちゃんと出るのがポイントです。GTX 680と比べてもコアクロックが若干抑えられてるくらいで、シェーダーはそのままですからね。その2チップが1枚のカードに収まって、カード長も28センチ程度。しかもピーク時の消費電力はGTX 680の2倍の390ワットまでいかず、300ワットに留めているのがすごいです」と語る。
そうしたハードの優秀さから、発売日から週末まで「入ってきたら即売り切れ状態が続いています」(フェイス秋葉原本店)といった状況が続いているが、好調の背景にはゲーム側の環境が整ってきこともあるらしい。
PC DIY SHOP FreeTは「海外の人気ゲームはたいてい2GPUに対応していますし、その分の性能の伸びもすごいですからね。スカイリムやシムシティなど、生かせるタイトルはたくさんあります。今回は環境も十分整っていますし、歴代でも最高クラスのヒット作になるんじゃないですかね」と話していた。
ただし、平均で10万円を超える価格から、パソコンショップ・アークは「人気はハイエンドゲーマーに留まっているので、ある意味でIvy BridgeのSシリーズと同じ状況……需要は大きくないけど、それ以上に供給が追いついていない状況なのかなとみています。どこまで伸びるのか興味はありますけどね」と、慎重な姿勢で見守る。
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