「VAIO Sシリーズ15」を自己責任でパワーアップしてみた:メモリ増設+SSD化で再レビュー(2/5 ページ)

» 2012年08月21日 00時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

増設用メモリにはセンチュリーマイクロのDDR3L/DDR3を用意

 そんなわけで、今回は個人的に店頭モデルのイケてないと感じる部分、つまりメモリとデータストレージをカスタマイズしてみることにした。

 まずはVAIO Sシリーズ15の仕様を改めて確認してみよう。メモリには1.35ボルト駆動のDDR3L-1333を採用している。4Gバイトがオンボードで実装されているほか、底面にはSO-DIMMスロットを1基搭載しており、ここに4Gバイトモジュールを差せば8Gバイトに、8Gバイトモジュールを差せば12Gバイトまで容量が増やせる。

オンボードで4Gバイトのメモリを実装している。メモリは1.35ボルト駆動のDDR3L-1333だ

 メモリの標準仕様がシングルチャンネルアクセスなので、メモリモジュールを増設すればデュアルチャンネルアクセスになり、メモリを多く使わない用途でも速度面でメリットがある(12Gバイト構成時は8Gバイトの範囲内までデュアルチャンネル動作)。

 底面のカバーを開けてみると、SK Hynixの「H5TC2G83CFR」というチップが8枚見える。2Gビットのチップなので、もう8枚は基板の裏側にでも隠れているのだろう。

 今回手配した増設用メモリは、メモリモジュール一筋30年という異色のスペシャリスト企業であるセンチュリーマイクロの製品だ。基板の自社設計、国内製造による「Made in Japan」体制を特徴とする、産業用中心に高い実績を誇るブランドで、とにかく品質、信頼性には定評がある。今回はDDR3Lというまだそれほど普及していないメモリでもあり、何か問題が出ると面倒なので「堅い」ブランドのモジュールを選んだ次第だ。

 今回は、PC3L-10600 SO-DIMMの4Gバイトモデルと8Gバイトモデルに加えて、低電圧駆動でない通常(1.5ボルト駆動)のPC3-10600 SO-DIMMも用意した。VAIO Sシリーズ15が搭載するIntel HM77 Expressチップセット、DDR3Lチップともに1.35ボルト/1.5ボルト両対応なので、DDR3を増設しても余計な負担がかかる心配はないが、バッテリー駆動時間は少し違うかもしれない。その辺りのことも試してみたい。

ラベルの「Made in Japan」が光るセンチュリーマイクロのPC3L-10600 SO-DIMM「CD4G-SOD3LU1333」(4Gバイトモデル)。チップはオンボードのメモリと同じSK Hynix製、パーツナンバーも「H5TC2G83CFR」で共通だ。グレードナンバーはオンボードメモリの「H9A」より上位の「PBA」で、チップ自体はより高速なDDR3L-1600での動作に対応している。ちなみに8GバイトのPC3L-10600 SO-DIMM「CD8G-SOD3LU1333」もSK HynixブランドのDDR3Lチップを搭載しており、パーツナンバーは「H5TC4G83MFR」だ。スピードグレードナンバーはこちらも「PBA」で、チップ自体はDDR3L-1600(PC3L-12800相当)の動作に対応したものになっている

こちらは1.5ボルト駆動のPC3-10600 SO-DIMM「CD4G-SOD3U1333」(4Gバイトモデル)だ。SK HynixのDDR3チップを搭載しており、パーツナンバーは「H5TQ2G83MFR」となっている。スピードグレードナンバーは「PBC」だ

CPU-Zの情報表示画面。左から、標準時、4Gバイト増設時、8Gバイト増設時だ。鉄板ブランドだけに何の問題もなくあっさりと認識され、何事もなく動作した。増設により、デュアルチャンネル動作していることも分かる

換装用のSSDはランダムアクセスに優れた「Intel 520」

 データストレージは、2.5インチのSerial ATA対応HDDを搭載している。今回入手したVAIO Sシリーズ15には、Samsungの「ST750LM022/HN-M750MBB」(750Gバイト/5400rpm)が積まれていた。Serial ATAの転送速度は3Gbpsだ。これはHDDが3Gbps対応というだけでなく、インタフェース自体に3Gbpsのポートを用いていると推測される。

 というのもVAIOオーナーメードモデルで、SSD RAIDのオプションを選ぶことができるからだ。このSSD RAIDは独自の基板で実装されており、6Gbpsポートが2基使われていることが過去の例から分かっており、SSD RAIDモデルとHDDモデルでマザーボードの構造を変えるということは考えにくい。

 つまり、標準のHDDをSerial ATA 6Gbps対応のSSDに換装しても、3Gbpsでしか動作しないと思われる。最近のSSDは実測でもSerial ATA 3Gbpsの理論最大転送速度(300Mバイト/秒)を超える性能を持っているので、3Gbpsのインタフェースがボトルネックになってしまい、本来のシーケンシャル性能(連続したデータの転送性能)は出せないことが想定される。これが嫌ならば、ソニーストアでSSD RAIDを選ぶしかないだろう。

 もっとも、HDDに対するSSDの最大のメリットはランダムアクセス性能で、起動時間やOS操作のレスポンスに影響するのもランダムアクセス性能だ。高速なSSD同士の細かい比較になると、また考え方も変わってくるのだが、今回はランダムアクセス性能の高さに定評のある「Intel 520」を換装用SSDとして用意した。IntelのSSDにはファームウェアのアップデートや性能最適化などが行なえる使い勝手のよいユーティリティソフトが付属しており、使い続けていくうえで便利だというメリットもある。

換装用に用意したSSDは「Intel 520(SSDSC2CW240A3K5)」(写真=左)。容量は240Gバイトだ。コントローラにLSI SandForceの「SF-2281」、Intelの同期転送対応NANDフラッシュメモリ「29F16B08CCME2」を搭載しており、ランダムアクセスの性能には定評がある。IntelのSSDは使い勝手のよいユーティリティ「Intel SSD Toolbox」が付属するのもメリットの1つだ(画面=右)。診断用のテスト機能のほか、性能低下を防ぐための最適化、初期状態に戻すSecure Erase機能、Superfetch無効化など、OS設定のSSD向け調整、ファームウェア更新機能などが用意されている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー