ドリーム・トレイン・インターネット(以下、DTI)は9月12日、低価格で利用できる仮想サーバサービス「ServersMan@VPS」のバージョンアップを行った。
ServersMan@VPSは、仮想環境でCentOSなどを利用したサーバ機能を利用できるVPS:Virtual Private Serverサービス。数万PV/日程度のアクセスをまかなえる490円/月(Entryプラン)より利用できる低廉なプランを用意する点を特長とし、今回のバージョンアップで、全プラン保証メモリ容量を倍増させた。最も低廉なEntryプランも標準512Mバイト以上に設定し、これまでの256Mバイトでは動作しなかったアプリケーションも動作できるようになるとする。399円/月で512Mバイト分を追加する「メモリ追加オプション」も用意する。
DTIは、かつてのPCを軸にした“デジタルハブ”、現在主流のクラウドサービスを軸にした“クラウドハブ”の次とする「ユビキタスハブ」の実現を推進するISP(インターネットサービスプロバイダ)として事業を展開。ユビキタスハブ構想は無線LANや3Gデータ通信など、何らかのネットワーク接続機能を持つ機器がインターネット全体をハブとして機能させる利用シーンを想定した、いつでも、何でも、どこでも、ネット接続もできるだけ意識させずインターネットサービス全般を利用できるようにする構想だ。PCやスマートデバイス、AV機器以外に、家電・その他電子機器、あるいは同社の無線LAN機能付きSDメモリーカード型機器「Cloud@SD」などにより既存デジタルカメラなども対象になるとし、これらをアドレス範囲を拡充させたIPv6での運用を想定する。490円/月の低価格3Gデータ通信サービス「ServersMan SIM 3G 100」もユビキタスハブ構想実現のための1手段という考えである。
ServersMan@VPSは、コンシューマーには家庭内Linuxサーバの代わりに仮想サーバ機能を初期投資なしの低廉価格において利用できるサービスとして、さらにSMB/SOHOの中小規模ビジネスシーンでの活用に向く。OSはCentOS 6.3かDebian GNU、Webサーバやファイルサーバの機能をCUIでのシェル操作ないしWebブラウザ経由で管理できる。同社のクラウドストレージサービス「ServerMan@Disk」との連携活用も行える。
用意するプランと仕様は以下の通り。
ServersMan@VPS | Entryプラン | Standardプラン | Proプラン |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | ||
月額利用料 | 490円 | 980円 | 1980円 |
メモリ | 旧:256Mバイト→新:512Mバイト | 旧:512Mバイト→新:1.2Gバイト | 旧:1Gバイト→新:2.4Gバイト |
最大メモリ | 1Gバイト(1024Mバイト) | 2Gバイト(2048Mバイト) | 4Gバイト(4096Mバイト) |
ストレージ | 10Gバイト | 30Gバイト | 50Gバイト |
最低利用期間 | なし | ||
OS | CentOS 6.3 | ||
root権限 | ○ | ○ | ○ |
IPv6対応 | ○ | ○ | ○ |
サーバ管理ツール | ○ | ○ | ○ |
グローバルIPアドレス | 1個 | 2個 | 4個 |
独自ドメイン | UbicNameで対応 | ||
同サービスについて、2011年11月ごろより発生したパフォーマンス低下の課題は、約6カ月かけて徹底した検証とバグ取りを実施。2012年5月21日に実施した改修版仮想化ソフトウェアの導入でほぼ解消し、2012年9月現在は安定稼働していると同社植松聡介COOは述べる。
「VPSの品質改善にはかなり時間がかかってしまいご迷惑をかけたが、改修版仮想化ソフトウェアにより現在は安定稼働できている。ServersManブランドは、ユーザーニーズに沿った低コストで展開し、下層から市場を崩していく方針で展開する計画。数年前の専用サーバに匹敵するサービスレベルを490円/月で実現するServersMan@VPSとともに、ServersMan@Disk、CloudMail、(IPv6サービスの)Feel6、ServersMan SIM 3Gといったサービス群により、直近は“クラウドハブ”との連携にしっかり対応、さらに“ユビキタスハブ”構想のためのサービスも順次強化すべく、アクセルを踏んでいく」(DTIの植松COO)
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