このようなデモンストレーションの端々には、iPadへの対抗心が見え隠れする。PCの次の存在、“ポストPC”として10型クラスのタブレット端末市場を寡占しているiPadは、マイクロソフトにとって手強いライバルだ。そのiPadの弱点(アンテナの性能、メモリカードスロット、スタンドの有無など)を狙ったデモが続く。
デジタル一眼レフカメラとUSBで接続し、「ほら、すぐに読み込んでブログが書けるよね。世の中にある4億2000万以上のデバイスとすぐにつながるんだよ」とやってみせたのも、USBでデバイスとの接続が行えないiPad(彼らは決して口にすることはなかった)の存在があったからだ。

本体を自立させるキックスタンドを背面に設けており、スタンドを開くと、microSDメモリーカードスロットが現れる(写真=左)。側面にはフルサイズのUSBポートも備えている(写真=右)。Windows RTモデルはUSB 2.0、Windows 8 ProモデルはUSB 3.0となっている「キックスタンドを使ったときの22度の傾斜、傾斜時に水平になるよう調整されたアウトカメラ、キーボード機能の付いたカバーなど、あらゆる点でとても優れたタブレットだが、完全にPCとしても機能する」と、パネイ氏はFlex Foundというマグネット式ジョイントでつながるキーボードを操作しながら満足そうに紹介した。
このマグネットジョイントはキーボード側をつまんで振ってみても、本体が離れて落ちないよう設計されている。ただし、落としたとしても大丈夫。「体験会場で実際に落としても構わないよ。絶対に壊れないから」(パネイ氏)

キーボード付きのカバーは、クリック感がなく感圧式センサーを内蔵した3.25ミリ厚のTouch Cover(下)と、メカニカルキーボードが備わった6ミリ厚のType Cover(上)を用意している(写真=左)。ひっくり返したカバー表面(写真=右)Surfaceは全米に60店舗を展開するMicrosoft Storeと、インターネット上のMicrosoft Online Storeで10月26日(米国時間)から販売が開始される。価格は32Gバイト版で499ドル。実物は高性能かつ、とても高い質感を持っていた。iPadを多分に意識した価格だが、果たして市場はどのように反応するだろう?
残念ながら日本市場への導入は見送られたが、“マイクロソフト最大の賭け”の結果は、そう遠くないうちに現れることだろう。
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