その利用シーンは縦横無尽──「IdeaPad Yoga 13」をグニッと折って使ってみる見た目と違ってまじめなUltrabookなんです(3/3 ページ)

» 2012年11月06日 09時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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レノボが「イロモノではありません」といえるほどの高性能を発揮するIdeaPad Yoga 13

 IdeaPad Yoga 13が初めて姿を現して、その変形ギミックに多くの関係者が注目することになったが、レノボは、ユーザーが、その部分だけを抽出して「変わったイロモノUltrabook」と記憶するのを避けるため、製品を説明する機会があるごとに「IdeaPad Yoga 13は、イロモノではなく、メインマシンとしても使える正当なUltrabook」と訴求していた。その、根拠としていたのが「高い処理性能を発揮するハードウェア構成」だ。

 2012年11月の時点で、IdeaPad Yoga 13は、搭載するCPUとシステムメモリの容量が異なる2種類の構成がある。上位構成はCore i7-3517U(1.9GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.0GHz)と8Gバイトのシステムメモリを搭載し、下位構成では、Core i5-3317U(1.7GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大2.6GHz)と4Gバイトのシステムメモリを搭載する。そのほかの仕様は共通で、データストレージは容量128GバイトのSSD、チップセットはIntel QS77 Expressを採用する。

 実売価格は、上位構成が13万円前後で、下位構成が12万円前後と1万円ほどしか違わない。そうなると、予算の制約が厳しくなければ、ちょっと無理してでも上位構成を選択するのが望ましい。

 評価用機材は、Core i7-3517Uを搭載する上位構成だ。PCMark 7やCINEBENCH R11.5、3DMark 11、そして、CrystalDiskMark3.0.1Cなど、従来のWindows 7搭載PCでも使ってきたベンチマークテストで測定したが、PCMark 7のPCMarksでいえば、3000台の第2世代Coreプロセッサ・ファミリー搭載のUltrabookとくらべて、IdeaPad Yoga 13は4000台後半と確実に高い値を示している。同じCPUを搭載する最新のUltrabookと同等の処理性能を備えていると考えていいだろう。

デバイスマネージャーで評価機材の構成を確認する

評価機材で測定したWindows エクスペリエンスインデックス

ベンチマークテスト項目 IdeaPad Yoga13
PCMark7 PCMarks 4603
lightweight 3109
productivity 2325
creativity 8311
entertainment 3119
computation 14351
system_storage 4913
CrystalDiskMark3.0 1000M:Read Seq 268.8
512K 208.6
4K 15.12
4K QD32 192.3
1000M:Write Seq 250.3
512K 236.2
4K 34.41
4K QD32 101.1
CINEBENCH R11.5 OpenGL 13.13
CPU Multi 1.91
CPU Single 1.23
CINEBENCH R10 CPU Single 5207
CPU Multi 7297
3DMark11 Entry 3DMarks E1097
Graphics 994
Physics 2326
Combined 828

 なお、IdeaPad Yoga 13が内蔵するリチウムポリマーバッテリーは、容量が約16.6ボルト3300ミリアンペアアワー(YbInfoで測定)で、データシートにおけるバッテリー駆動時間は7.5時間としているが、BBench 1.01(海人氏・作)で条件「60秒間隔でのWeb巡回」「10秒間隔でのキーストローク」「電源プランはバランス」「液晶ディスプレイ輝度は10レベル中、下からレベル5」で測定したところ、起動から6時間30分でバッテリー残量5パーセントになった。

標準付属のACアダプタは、サイズが105×65×17ミリと薄型でコード込みの重さは実測で約301グラムだった。出力は20ボルト3.25アンペアになる

 また、表面パネルの温度を非接触タイプの温度計で測ると、高負荷をかけた状態でもキーボード面は高くならず、最も高いFキートップでも35.8度だった。ただ、右半分より左半分が高くなる傾向も確認している。また、底面の表面温度はキーボード面と比べて高く、背面寄り中央で40.8度、同じく、背面寄り左で43.4度と長い時間ひざに載せて使うのは難しい。ただ、アイドル状態では、最も高い部分でも35.2度にとどまる。

温度測定(机面温度は28.2度)
3DMark 11ループ実行時(3巡目) パームレスト左 29.4度
パームレスト右 23.6度
“F”キートップ 35.8度
“J”キートップ 25.4度
“Z”キートップ 33.8度
“?”キートップ 30.0度
アイドル状態 パームレスト左 29.6度
パームレスト右 28.4度
“F”キートップ 31.8度
“J”キートップ 30.4度
“Z”キートップ 32.0度
“?”キートップ 29.6度


 Internarional CESなどのイベントで、レノボがリリースに先行して公開する参考機材は、見た目が先行して話題となるが、実際の製品となるとなかなか登場しないか、投入する市場を限定(多くの場合、中国など)して短期間投入して、また次のイベントでユニークな参考展示をするということを繰り返してきた。

 IdeaPad Yoga 13が2012年1月に登場したときも、多くの関係者はギミックに注目していたが、実際に登場した製品は、コンバーチブルとして使いやすく、ほかの複雑な機構を採用するモデルと比べて、クラムシェルスタイルからスレートスタイルに姿を変えて利用するのが無理なくできる。実用性が高いコンバーチブルタイプのUltrabookといえるだろう。

 同様の仕組みを採用するLet'snote AX2と比べて、スレートスタイルの「タブレットモード」では、従来の「立って片手で持って使う」という常識から離れた利用方法を考えることになる。それでも、レノボが提案するスタンドモード、そして、Let'snote AX2より使いやすい「テントモード」は、IdeaPad Yoga 13の利用シーンを広げてくれるはずだ。

 常時持ち歩けるほどに薄くて軽く、移動途中の休憩や屋内で座って机に置いて使うという想定なら、IdeaPad Yoga 13は、その名の通りに、これまでにない利用シーンでも柔軟に使いこなすことができる、汎用性の高いUltrabookとなるだろう。

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