PFUは11月12日、ドキュメントスキャナ「ScanSnap」シリーズの新モデル「ScanSnap iX500」を発表した。PFUダイレクト価格は、本体単体が4万9800円、ファイリングソフト「楽々ライブラリ Smart V1.0 with Magic Desktop V1.0」を付属する「iX500 Deluxe」が5万4800円。両モデルともに11月30日より発売する。
ScanSnap iX500は、同社のフラッグシップモデルである「S1500/S1500M」の後継にあたる製品だ。約3年半ぶりとなる今回のモデルチェンジでは、ハードウェアとソフトウェアの両面で機能が大幅に進化している。ポイントは大きく分けて3つ。
1つは独自のデュアルコアCPU「GIチップ」を採用した点で、これにより従来PC側で行っていた画像処理をScanSnap単体で行えるようになり、読み取り速度を大幅に向上。S1500の読み取り20枚/分(A4両面カラー、300dpi時)から、iX500では25枚/分へ高速化した。
また、GIチップには無線LAN機能も内蔵されており、ScanSnap単体でスマートフォンやタブレットとのWi-Fi接続を実現したのが目を引く。これにより、本体のScanボタンを押すだけで、スキャンしたファイル(PDFまたはJPEG形式)を直接iOSやAndroid端末に転送できるようになった(従来のS1500でも同様の機能は実現していたが、これまではPCを経由する必要があった)。スマートフォン/タブレットとの連携において、非常に手軽かつ利便性を増したのが2つ目のポイントだ。
そして3つ目は、ScanSnapシリーズで初めて給紙機構にブレーキローラーを導入した点だ。これは同社の業務用ドキュメントスキャナである「fi-6140Z」などで培った技術を転用したもので、読み取り枚数で20万枚の耐久性を持つ安定した給紙性能を実現したほか、S1500に比べて読み取り対応原稿も拡大し、エンボスの入ったクレジットカードのような媒体もスキャンできるようになった。
このほか、ソフトウェアのクイックメニューに、「お気に入り」と「おすすめ」が加わり、ユーザーが多用する機能を表示したり、スキャンした原稿によって関連するアプリケーションを推奨表示する(名刺を読み取ると名刺関連アプリを表示する)など、使い勝手を向上させる改良が施されている。また、細かいところでは、両面原稿の裏写りを軽減する機能が「読み取りモードオプション」に追加されたほか、Mac OSでWord/Excel/PowerPoint文書に変換したり、検索可能なPDFファイルをアイドル時に行う「バックグラウンドOCR」といったMac向け機能も強化されている。
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