PC USER的に、2013 International CESの特徴を挙げると、まずは「小型デバイスへのシフトが一気に加速!」となる。Intelや米Sonyの展示ブースだけでなく、メイン会場のLVCCを一通り見ても、2012 CESで主役だったUltrabookですら、タブレットデバイスに展示スペースの多くを奪われた感がある。
この傾向は、以前は広大な展示ブースを構えていた米Hewlett-Packar、同じく大掛かりなプレスセッションを行っていた米DELLだけでなく、これまでCES開幕前に未発表製品を公開していたASUSやAcer、MSIなど、主要なPCメーカーの存在感が、2013 CESではほとんどなくなってしまったことからもうかがえる。
しかし、その一方で、デスクトップPCでは、コンパクトなフォームファクタを利用した製品を積極的に訴求するメーカーもいる。Xi3もその1つで、Intelが2012年の後半に提唱したNUC(Next Unit of Computing)のように、手のひらサイズのデスクトップPC「Xi3 Modular Computer 7 Series」を大々的に紹介していた。
Xi3 Modular Computer 7 Series(Xi3 7)は、AMDの“Trinity”世代のAPUを搭載したプロセッサーボードと2つのインタフェースボードを組み合わせて、約108.5(幅)×92.9(奥行き)×92.9(高さ)ミリという手のひらに収まるサイズのボディに搭載するデスクトップPCだ。

108.5×92.9×92.9ミリというサイズに収まるデスクトップPC「Xi3 7」と、約123.8(幅)×92.1(奥行き)×47.6(高さ)ミリの「Z3RO」(写真=左)。上がXi3 7、下がZ3RO。それぞれの背面には、サイズに見合わず多種多彩なインタフェースを“みっちり”と載せている(写真=右)

Xi3シリーズは、デジタルサイネージやゲームコンソールへの組み込み用“Trinity”APUのAMD Rシリーズを搭載する(写真=左)。そのサイズはVESAマウントに接続して液晶ディスプレイ一体型PCのような運用も可能だ(写真=中央)。Xi3のブースでは、カラーバリエーションも展示していた(写真=右)プロセッサボードに搭載する“Trinity”世代のAPUについて、Xi3のデータシートには、デジタルサイネージやゲームコンソールの組み込み向けを想定したAMD Rシリーズから、「R-464L」「R-460H」「R-464L」のいずれかを搭載するとある。システムメモリはDDR3を4Gバイト、または、8Gバイト載せて、拡張スロットにはPCI Express 3.0を利用できる。
| Xi3 7で採用するAMD RシリーズAPUの主な仕様 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| モデルナンバー | コア数 | 動作クロック | 2次キャッシュメモリ | 統合グラフィックスコア | Radeonコア数 |
| R-464L | クアッドコア | 3.2GHz | 2コアあたり2Mバイト | Radeon HD 7660G | 384基 |
| R-460H | クアッドコア | 2.8GHz | 2コアあたり2Mバイト | Radeon HD 7640G | 256基 |
| R-272F | デュアルコア | 3.2GHz | 2コアで1Mバイト | Radeon HD 7520GG | 192基 |
2種類搭載するインタフェースボードは、一方が「プライマリI/Oボード」と呼ぶもので、4基のeSATA 6Gbpsと4基のUSB 3.0、4基のUSB 2.0、光学サウンド出力、そして、2基のmSATA SSDの接続が可能だ。また、オプションとして、無線接続モジュールの実装もできる。
もう一方のインタフェースボードは「セカンダリI/Oボード」と呼び、ギガビット有線LANとmSATAのほか、外付けのGPUを実装して、APUの統合グラフィックスと連携する「Dual Graphics」によるマルチGPU環境に対応する。さらに、映像出力インタフェースとしてDisplay Port(HDMIとしても利用可能)と2基のMini DisplayPortも搭載する。
Xi3のスタッフは、Xi3 7の出荷について明確な時期は示さなかったものの、価格については999ドルを想定していることを明らかにしている。

Xi3のカバーを外すとXi3を構成する3枚の基板が見える(写真=左)。中央が“Trinity”世代のGPUを搭載するプロセッサボードで、左がチップセットを実装するプライマリI/Oボード、右が外付けGPUを実装するセカンダリI/Oボードだ(写真=右)
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