付属のリチウムイオンバッテリーは、容量22.7ワットアワー(10.8ボルト/2100ミリアンペアアワー)で最大約500枚のモノクロプリントが可能とされている。スティック型のバッテリーで、背面から手軽に着脱できる構造だ。
試しに、実際のバッテリー駆動時間を計測してみた。テスト内容は満充電の状態からバッテリーが尽きるまで、カラーチャート&テキスト混在データ(JEITA J9.DOC)を標準モードでひたすら印刷し続けるというものだ。測定時間には用紙の補充やインクの交換なども含めている。この条件でテストしたところ、駆動時間は98分20秒、印刷枚数は230枚という良好な結果が得られた。これならば、モバイルシーンで電池切れの心配なく、どんどん印刷できるはずだ。
持ち運ぶことは少ないだろうが、付属のACアダプタはサイズが47(幅)×107(奥行き)×31(高さ)ミリ、重量が本体のみで236グラム、電源ケーブルも含めて398グラムだった。ACアダプタ自体は小さめだが、3ピンの電源ケーブルが少々かさばる。
ちなみにACアダプタは、HPのノートPCでも用いられている「HP 65W」だ。これに対応したHPのノートPCと一緒に持ち歩く場合には、ACアダプタが1つで済むというメリットもある。
コントロールパネルは、カバーを開いた状態の上面に位置している。タッチパネルを搭載した2.36型カラー液晶モニタと、その周囲に配置された白く光るタッチセンサー式のボタンに指で触れることで、各種操作を行う仕組みだ。
液晶モニタのメニューは1画面に表示する項目を絞り込んでおり、最大で4つまでのアイコンしか表示しないので、視認性が高く、指でのタッチもしやすい、タッチセンサー式のボタンも必要なときにしか点灯しないので、どれを押していいか悩むことは少ないだろう。最近の複合機はこうしたユーザーインタフェースが増えているが、HPはかなり前からキオスク端末のようなシンプルで分かりやすい操作性を追求してきた。
タッチパネルでの操作は基本的にタップのみだ。スマートフォンのタッチパネルのように静電容量式ではなく、感圧式なので、ある程度しっかり押す必要があるが、操作感はなかなかのものだ。指を左右になぞるフリック入力は非対応で、ページ送りは画面周囲のタッチセンサー式ボタンを用いるが、メニュー構造が複雑ではないこともあり、特に使いにくさは感じない。
液晶モニタに表示されるメインメニューのトップには、コピー、スキャン、写真(ダイレクトプリント)の3つのアイコンが表示される。いずれもアイコンをタップすれば、専用のメニューに移動する仕様だ。設定できる項目もシンプルにまとまっており、複合機を使ったことがあるユーザーならば、Officejet 150に初めて触れても迷うことなく作業を進められるだろう。
対応OSはWindows XP/Vista/7、Mac OS X 10.5.8〜10.7とされているが、HPのWebサイトから、Windows 8用とMac OS X 10.8(Mountain Lion)用のドライバも入手できる。
今回はWindows 7の環境で試した。Windows用のソフトウェアとしては、「HPツールボックス」と「HP Scan」の2つを付属している。
HPツールボックスは、プリンタのステータス(インク残量、バッテリー残量など)やカートリッジの調整、クリーニング、Bluetoothの設定など、Officejet 150の保守管理を行うソフトウェアだ。これらの機能はOfficejet 150単体でも利用可能だが、HPツールボックスならば1つのアプリケーションでまとめて管理できるため、本体の液晶モニタでメニューの階層を行き来するよりも効率的に扱える。PCと接続して使うならば、こちらを利用するのがベターだろう。
HP Scanはその名の通り、スキャニングソフトだ。単体での起動も可能だが、アプリケーションからTWAINドライバとして呼び出すこともできる。単体で起動した場合は、画面の左に目的別のショートカットメニュー、右にスキャン設定が配置されたメニューとなる。一方、アプリケーションからTWAINドライバとして呼び出した場合には、左がプレビューエリア、右がスキャン設定となる。
いずれの場合でも詳細設定から、傾き補正や自動トリミング、自動露出、しきい値調整などの設定が可能だ。PDFファイルの場合は、日本語OCRをかけることもできる。また、写真原稿用の補正機能として退色補正やゴミ・傷除去などの機能も使える。PC経由でスキャンした場合、ファイルの保存形式はBMP、JPEG、TIFF、PDF、PNG、TXT、RTFなどから選択できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.