PC USER Pro

もはやA4複合機だってモバイルの時代――「HP Officejet 150 Mobile AiO」を攻略するこんなプリンタが欲しかった!?(4/5 ページ)

» 2013年02月06日 15時30分 公開
[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]

プリント/カラーコピー/スキャンの画質は?

 それでは、画質の評価をしていこう。PCから出力したA4普通紙カラープリントと、A4普通紙カラーコピー、そしてPC経由でのカラースキャンを行い、それぞれの結果を以下に掲載した。

 プリントとコピーのサンプルは出力物をスキャナで取り込んだ結果で、色の再現性は低い。表示する環境によって色やコントラストはかなり違って見えるため、大体の傾向を把握する程度にとどめて、評価そのものは各画像の説明文を参考にしていただきたい。

・プリントサンプル

 A4普通紙カラープリントのサンプルは、テキストとモノクロパターン、カラー画像を組み合わせた独自データを使用した。印刷モードは、「はやい(最速)」「標準」「高画質」の3モードで行っている。

印刷サンプル「はやい(最速)」モード。左の画像は、クリックすると拡大表示(300dpiでスキャンしたものをリサイズ)。中央と右の画像は、クリックすると300dpiでスキャンした原寸サイズの画像を表示(以下、同様)

印刷サンプル「標準」モード

印刷サンプル「高画質」モード

 結果ははやい(最速)モードでもかなり品質が高く、文字の濃度はやや低いが、かすれなどは少ない。6pの小さな文字もしっかり描かれ、問題なく読める。文字情報だけならば、普段使いでも十分といえる品質だ。ただし、モノクロパターンや写真にはバンディングが多く発生しているため、図版が入った印刷物を配布するような用途には向かない。

 標準モードは黒がしっかりと締まり、不満のない出力結果が得られた。よく見れば、バンディングが薄く残っているが、写真の再現性はかなり高く、顧客への提出書類や会議用資料を打ち出す場合にも使えるレベルといえる。

 高画質モードはさらに細部の再現性が高まり、カラーの色乗りがよくなる。標準モードまでで見られたバンディングもなくなっており、普通紙プリントとしては高画質な仕上がりだ。ただし、後述するように高画質モードは印刷時間がかかるため、印刷するデータの内容や用途によって、3つのモードを使い分けるのがよいだろう。

・コピーサンプル

 A4普通紙カラーコピーのサンプルは、専用紙に出力したオリジナルのテストパターン(内容はプリンタ用と同じ)を用いた。画質設定は「標準」と「高画質」の2種類だ。

コピーサンプル「標準」モード

コピーサンプル「高画質」モード

 いずれもコントラストが高めで、ぱっと見には良好な結果が得られた。ただし、暗部の黒つぶれと明部の白飛びがやや見られる。見比べてみると、高画質モードのほうが細部の再現性が高く、グラデーションの表現で勝るが、普段使用するぶんには標準モードでも十分だろう。

 試しに、普通紙に印刷したテキストやイラストでもコピーを行ったところ、それなりに品位の高い結果が得られた。もう少しコピーモードでの設定項目が増えると、なおよかったところだ。

・スキャンサンプル

 カラースキャンのサンプルは、カラーコピーと同様、専用紙に出力したオリジナルのテストパターンを用いた。解像度の設定は200dpi、300dpi、600dpiの3パターンで読み取っている。解像度以外はデフォルトのまま、特に設定を変更していない。

スキャンサンプル「200dpi」

スキャンサンプル「300dpi」

スキャンサンプル「600dpi」

 結果はカラーコピーと似た傾向となった。全体にコントラストが高く、暗部の黒つぶれと明部の白飛びがやや見られる。ただし、PCからスキャンする場合にはドライバからトーンの調整ができるので、いくらでも回避の方法はある。試しにハイライトとシャドー、ミッドトーンを整えるだけで、それなりに高品位のデータが得られた。

 解像度を上げれば当然細部の再現性も高まるが、特に細かい文字などがないA4の原稿であれば、200dpiでも十分使えるだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月11日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  3. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  4. Minisforum、Intel N100を搭載したスティック型ミニPC「Minisforum S100」の国内販売を開始 (2024年05月10日)
  5. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. ASRock、容量約2Lの小型ボディーを採用したSocket AM5対応ミニベアボーンPCキット (2024年05月10日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  10. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー