GPU Boost 2.0の挙動を確かめる:イマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2013年03月28日 17時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

温度管理を強化したGPU Boost 2.0

 GPU Boost 2.0の挙動を調べる前に、GPU Boost 1.0のおさらいをしておこう。GPU Boostは“Kepler”世代のコアを採用したGeForce GTX 600シリーズから導入した機能で、GPUのチップ温度とGPUの処理負荷に応じてGPUコアクロックを自動的に上げるする機能だ。そのため、この世代のGPUの仕様では、定格のBase Clockとブーストクロック(Boost Clock)という2つの動作クロックを表記するようになっている。ただし、Boost Clockは、オーバークロックの上限というわけではない。GeForce GTX 680発表当時で、オーバークロック上限の約7割前後の値とされるもので、設定頻度が高い期待値といったところだ。常に上限に張り付くわけではなく、ずっと定格のままでもない、このブーストクロックに相当するパフォーマンスが得られるだろう、という値だ。

 GPU Boost 2.0はGPU Boost 1.0よりも、積極的にGPU温度のヘッドルームを活用する。GPUがより高いクロックで動作するためには、駆動電圧を高める必要がある。一方で、駆動電圧を上げて動作クロックを上げるとGPUは高温になる。GPUが高温になるとReliability(NVIDIAは、“Max Clock”という意味で使っている)は下がってしまうので、GPU Boost 2.0では、高い駆動電圧で高温になるという状況をなるべく抑えるようにしている。これを抑えることができれば、当然、Reliabilityは高くなる。ただ、過電圧(オーバーボルテージ)の上限も解除して調節可能となっているが、これは設定するユーザーの自己責任ということになっている。

KeplerアーキテクチャのハイエンドGPUでは、GPU温度に応じて、ベースクロック以上の動作クロックに自動的に引き上げ、パフォーマンスを稼ぐことができる。これがGPU Boost 1.0だ(写真=左)。緑がBase Clock、黄緑がGPU Boost 1.0で設定できる動作クロックで、それと若草色部分を合わせた分がGPU Boost 2.0のクロック上昇分になる。GPU Boost 1.0から、さらに70〜90パーセント近く引き上げることをこのグラフは示している(写真=中央)。GPU Boost 2.0では、高電圧で高温という状況になるべくならないよう振る舞うというのが“ブレイクスルー”であるようだ(写真=右)

GPU Boost 1.0とGPU Boost 2.0、そして、GPU Boost 2.0とOver Voltageの関係。GPU Boost 2.0でVrel(Reliability)が高まる一方で、Over Voltageは、Vrelを超えてしまうが、このモードを有効にする場合は自己責任を警告するダイアログで承認する作業をする必要がある

 「駆動電圧を抑えてGPUの温度を下げてヘッドルームを確保してクロックの上昇幅を上げる&自己責任で駆動電圧のリミッターを解除」という流れで、GPU Boost 2.0では、最大クロックを引き上げている。さらに、最大動作クロックだけでなく、平均的な動作クロックも高くなるというのがNVIDIAの主張だ。

 一方で、GPUのスペックを見る限り、GeForce GTX TITANはBase Clockが836MHzに対しBoost Clockを876MHzに設定している。これは、GeForce GTX 680のBase Clock 1006MHz、Boost Clcok1058MHzと比べて上昇幅が少ない。このように、製品ごとにBasei ClockもBoost Clockもその差も異なるため、効果が分かりにくい。GPU Boost 2.0が実際にどのような動きをするのか、GPU負荷状態を通じてログを取り、確認してみる必要があるだろう。そこで、今回は3DMarkとGPU-Zを用い、一連のベンチマークテストを実行しているときの動作クロック時系列変動を確認してみた。

NVIDIAが示す動作クロックの分布図では、GPU Boost 1.0のピーク対し、GPU Boost 2.0のピークは高いクロックに移る。一方、Over Coltageは、GPU Boost 2.0は同じだが、裾野の部分にあたるクロックの上限(Max Clock)は高い値にシフトする

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