Nexus 10で最も注目すべきは、やはり10型タブレットとして圧倒的な高画素密度を実現した液晶ディスプレイだ。
10型(正確には10.055型)のワイド画面で2560×1600ドットという高解像度表示に対応する(アスペクト比は16:10)。その画素密度は300ppiと、iPad Retinaディスプレイモデル(264ppi)を超え、iPhone 5(326ppi)に迫る精細さだ。
高画素密度の効果は、アイコンやテキストを表示する画面のドット(ピクセル)が目で見えないことにある。その滑らかで美しい表示は、電源を入れ、画面を見ればすぐに分かるだろう。ホーム画面や設定メニューのテキスト表示だけでも見え方が違うのだ。購入特典として、Google PlayからHD品質の映画『アイス・エイジ』が無料で視聴できるが、これを観れば決定的な精細感の違いを実感できる。解像感の高さに思わず見入ってしまうのだ。
液晶パネルにPLS(Plane to Line Switching)方式を採用している点もトピックだ。PLSはIPS方式の派生版にあたり、一般的なIPSと同様に広視野角ながら、液晶の透過率を高めることにより、高輝度・低消費電力を実現している。
Nexus 10の輝度は特に高いとは感じないが、これだけ高精細の液晶パネルでは開口率(バックライトの光を表に通す部分の面積比率)が下がるので、消費電力を大きく上げることなく、十分な輝度を確保するのにPLS方式が貢献しているのだろう。
視野角は一般的なIPSパネルと遜色ない。見る角度を変えてもコントラストや色味の変化が少なく、全体をはっきり見渡せる。色調のクセも特に感じられないが、強いていえば色乗りがあっさり目で若干白っぽい印象があり、画素密度の高さに対して、色域はあまり広くないと思われる。
ディスプレイの表面には高硬度で定評があるCorningのGorilla Glass 2を採用している。光沢仕上げの表面はツルツルとしており、照明やユーザーの姿がはっきり映り込むが、タッチの操作感は良好だ。
内蔵ステレオスピーカーから奏でられるサウンドもなかなかの迫力だ。特にドルビーラボラトリーズやSRSの音響技術を採用しているわけではないようだが、低音もしっかり再生できる。
タブレットは側面や背面にスピーカーを配置した製品も多いが、Nexus 10では横位置で画面の左右にスピーカーを配置しているため、出力された音が自然に耳へ入ってくるのも好印象に一役買っているのだろう。
ボディサイズが大きいだけあって、スピーカーの設計には余裕があるようで、シャリシャリとしてやや貧弱な印象があるNexus 7の音質とは差がある。エンターテインメントコンテンツへの没入感を高めてくれるサウンドクオリティだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.