インターネット経由で映像を確認できるネットワーク対応カメラといえば、従来は防犯目的の監視カメラなど高価なイメージがあったが、最近では1万円を切る手ごろな価格のモデルも多数販売されている。ペットを飼い始めたけれど、ひとり暮らしなので外出中も気になって仕方がない……そんな人は、手軽に導入できる低価格モデルがオススメだ。
もちろん、業務用ではないので、屋外設置を視野に入れた防水性能や、室内への入退出を監視する顔検出機能などは持たないものの、外出先からスマートフォンでちょっとペットの様子を見てみたい、という目的には十分すぎる機能を持つ。また、あえてフレームレートを低く設定して植物などを定点観察し、録画した映像を早送り動画に編集する、といった“自由研究”的な使い方もできる。
ここではアイ・オー・データ機器の「Qwatch」シリーズにラインアップされている「TS-WPTCAM」と「TS-WLCAM」を使って、実際に筆者の自宅で飼っているネズミを観察してみた。
TS-WPTCAMとTS-WLCAMは、有線/無線(IEEE802.11n/g/b)に両対応するネットワークカメラだ。このため、設置場所の自由度が高く、ワイヤレス接続と市販のモバイルバッテリー(5ボルト/0.5アンペア以上)を使えば完全にケーブルレスで利用することもできる。
また、設定が容易なのも特徴の1つ。特にスマートフォン/タブレットからQwatchの映像を閲覧するためのiOS/Android向けアプリ「LCAM View」は、各デバイスに内蔵されるカメラからQRコードを読み込むだけでQwatchの登録とDDNS設定(アイ・オー・データ機器が提供)が完了し、すぐにインターネット経由で利用できるようになる。このほか、ライブ映像の閲覧だけでなく、静止画や動画の撮影してNASに保存するなど、基本的な機能は一通りそろえている。
なお、価格はTS-WPTCAMが2万6400円、TS-WLCAMが7770円と開きがあるが、前者はパン355度/チルト120度の首振り機構と、赤外線LEDを利用した暗所撮影機能を備えているほか、SDメモリーカードスロットやマイクの内蔵など機能差も大きい。ただし、Webベースのユーザーインタフェースや、モバイル端末向けのLCAM Viewは共通化されているので、使い勝手はほぼ同じだ。
それではさっそく使ってみよう。
まずはじめにQwatchを自宅の無線LANルーターに接続する。ルーターがWPSに対応していれば、WPSボタンを押してQwatch側のボタンも押せば自動的に接続が完了する。その後、同社のサイトから「Magical Finder」をダウンロードして起動すると、ホームネットワーク内にあるQwatchがすべて「設定が可能なネットワークデバイス一覧」に表示され、ここで見たいカメラの「ブラウザ」ボタンを押せば、Webブラウザのメイン画面が起動してライブビューを眺めることができる。
一方、設定にWPSを利用しない場合は、ルーターとQwatchを有線で接続しておき、Magical Finderで該当カメラの「ブラウザ」ボタンを押し、画面右上の「設定」から「無線LAN設定」の項目で、接続する無線LANルーターのSSIDや暗号化方式を設定すればよい。こちらもほとんど迷うことはないはずだ。ちなみに、2つのQwatchを設置してライブビューを表示するまでにかかった時間は、開封なども含めて30分ほどだった。
設定画面では、映像品質や動作検知の範囲とアクション、撮影した静止画/動画の保存先などを設定できる。また、パン/チルト機構を持つTS-WPTCAMは、首を振る動きの速さや、カメラ位置のプリセット(最大4カ所)、パトロール機能(プリセットした位置へ時間で移動する)といった設定も行える。ノートPCで外部ネットワークからQwatchにアクセスするには、Webブラウザからアイ・オー・データ機器が提供するDDNSサービス(iobb.net)のURL(wcam-xxxxxxx.iobb.net:ポート番号)にアクセスすればいい。
なお、TS-WPTCAMとTS-WLCAMを比べると、130万画素カメラを搭載するTS-WLCAMのほうが低価格ながら画質はよいと感じた。ただ、解像度を最高の1280×960ドットまで上げるとフレームレートは10fpsが上限になるので一長一短といったところ。一方、高機能なTS-WPTCAMはカメラの周囲に赤外線LEDを内蔵するため、TS-WLCAMでは撮影できない暗所でもモノクロの映像ではっきりと被写体を確認できるのが面白い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.