第4世代CoreプロセッサーがノートPCの再発明を加速する――Intel基調講演COMPUTEX TAIPEI 2013(2/2 ページ)

» 2013年06月05日 15時54分 公開
[本間文,ITmedia]
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第4世代Coreプロセッサーを正式発表

 一方、COMPUTEX TAIPEI 2013の開幕にあわせて正式発表された、Haswellこと第4世代Coreプロセッサーでは、すでに発売が開始されているクアッドコア製品に加え、Ultrabookやタブレット向けのデュアルコア製品も9月〜10月に搭載製品が登場する見込みであることが明かされた。

 キルロイ氏は「HasellはUltrabook向けにイチから開発されたCPUであり、当初計画では35ワットだったTDPは、その半分の17ワットに、デバイス設計にあわせてSoCの動作温度などを下げることで省電力化を実現する新しい熱設計消費電力であるSDP(Scenario Design Power)のターゲットも、当初の半分に低減するなど、Intelの歴代CPUにおいても圧倒的なの進化を果たした」と説明。これにより、バッテリー駆動時間は同じ22ナノメートルプロセスを採用する現行の第3世代Coreプロセッサー(Ivy Bridge)に比べて1.5倍、3Dグラフィックス性能は2倍に向上させている。

 同氏は、Haswell世代の2-in-1 Ultrabookでは、ノートPC形態とタブレット形態を自動的に関知し、ソフトウェアキーボードやコントローラなどのユーザーインタフェースがシームレスに切り替わるようにできるほか、スタイラスペンを使った手書き文字入力、ジェスチャーや音声認識による操作などが可能になると紹介。そのデモにはHawellベースの次期VAIO Duoとみられる製品も登場した。

Haswellこと第4世代Coreプロセッサーを正式発表。同CPUがUltrabookのためにイチから設計され、2-in-1への移行を推進する存在と位置づける(写真=左)。第4世代CoreプロセッサーがノートPCの再発明を加速するとして、タッチや、2-in-1への変換機構、より薄型のボディなどを実現しやすくなると説明(写真=右)

当初計画では35ワットだったTDPは、その半分の17ワットに、SDPも当初計画の半分に低減するなど、Intelの歴代CPUの中でも初めての大きな進化となった(写真=左)。同じ22ナノメートルプロセスを採用する現行の第3世代Coreプロセッサー(Ivy Bridge)に比べ、バッテリー駆動時間で1.5倍、3Dグラフィックス性能は2倍に向上する(写真=右)

第4世代CoreプロセッサーのIris Proグラフィックスと、第3世代Coreプロセッサーのグラフィックスパフォーマンスデモを披露(写真=左)。中央の2-in-1デバイスは、Iris Proグラフィックスを搭載しながら、ファンレスデザインを実現しているという(写真=右)

Iris Proのグラフィックスパフォーマンスデモ
第4世代Coreプロセッサーの登場で、Ultrabookは2-in-1へ進化する(写真=左)。第4世代Coreプロセッサーを搭載した2-in-1デバイスとして、パナソニックの「Let's Note」や、ソニーの「VAIO Duo」、東芝の「Potege」などが紹介された(写真=右)

2-in-1デバイスの形態を感知し、ユーザーインタフェースも自動的に切り替わる

ジェスチャー認識やスタイラス入力のデモには、ソニーの次期VAIO Duoとみられるデバイスが利用された

 キルロイ氏は、「PCは死んだという報道があれば、PCは依然として堅調だという報道もあるが、その両方とも事実だ」とし、「これまでのPCは確かに死んだと言っていいだろう。しかし、それは新しいPCの時代が始まるということだ」と述べ、業界が2-in-1デバイスのような、新しい革新・再発明に向かう必要を説く。

 そして、それを実現するために、Intelの特徴でもある半導体からアーキテクチャ、ソフトウェアまで一貫した生産体制と、台湾ベンダーが得意とする、革新的なデザインや、先進の製造技術、スケーラビリティといった2つの「マジック」が組み合わされることで、PC業界を新しい成功に導くことができるとし、ノートPCでは90%以上、大手ブランド製タブレットでも80%以上を手がける台湾企業の協力を求めて、キーノートを締めくくった。

「PCは死んだ」、「PCはいまだ健在だ」という二つの報道。キルロイ氏はその両方が正しいとし、古いPCは死に、新しいPCの時代が始まるとアピール

Intelと台湾ベンダー、互いが得意とする「マジック」を結集して、新しいコンピューティングデバイスの時代を切り開こうとアピール

 なお、6月2日の販売解禁にあわせて第4世代Coreプロセッサーの一部はすでに公開されていたが、今回の正式発表にともない、型番末尾にY/Uを付加する1チップ化されたモバイル向けCPUが追加発表された。主なスペックは以下の通り。

モデル名 Core i7-4650U Core i7-4550U Core i7-4500U
コア/スレッド 2/4 2/4 2/4
クロック 1.7GHz/最大3.3GHz 1.5GHz/最大3GHz 1.8GHz/最大3GHz
内蔵グラフィックス HD Graphics 5000 HD Graphics 5000 HD Graphics 4400
グラフィックスクロック 200MHz/1100MHz 200MHz/1100MHz 200MHz/1100MHz
メモリ 1600MHz 1600MHz 1600MHz
L3キャッシュ 4MB 4MB 4MB
TDP 15W 15W 15W

モデル名 Core i5-4350U Core i5-4250U Core i5-4200U Core i5-4200Y
コア/スレッド 2/4 2/4 2/4 2/4
クロック 1.4GHz/最大2.9GHz 1.3GHz/最大2.6GHz 1.6GHz/最大2.6GHz 1.4GHz/最大1.9GHz
内蔵グラフィックス HD Graphics 5000 HD Graphics 5000 HD Graphics 4400 HD Graphics 4400
グラフィックスクロック 200MHz/1100MHz 200MHz/1000MHz 200MHz/1000MHz 200MHz/850MHz
メモリ 1600MHz 1600MHz 1600MHz 1600MHz
L3キャッシュ 3MB 3MB 3MB 3MB
TDP 15W 15W 15W 11.5W

モデル名 Core i3-4100U Core i3-4010U Core i3-4010Y
コア/スレッド 2/4 2/4 2/4
クロック 1.8GHz 1.7GHz 1.3GHz
内蔵グラフィックス HD Graphics 4400 HD Graphics 4400 HD Graphics 4200
グラフィックスクロック 200MHz/1000MHz 200MHz/1000MHz 200MHz/850MHz
メモリ 1600MHz 1600MHz 1600MHz
L3キャッシュ 3MB 3MB 3MB
TDP 15W 15W 11.5W

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