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» 2013年06月20日 13時00分 公開

真の実力が明らかに:「VAIO Pro 11」「VAIO Pro 13」徹底検証(後編)――“世界最軽量”タッチ対応Ultrabookは1Gバイト/秒の“爆速”PCIe SSDも魅力 (4/5)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

BBench 1.01のスコア

 パフォーマンスの次はスタミナをテストしていこう。ここではBBench 1.01(海人氏)を利用して、実際のバッテリー駆動時間を測定した。無線LANでインターネットに常時接続し、Bluetoothはオン、NFCはオン、キーボードバックライトはオフ、Windows 8の電源プランは「バランス」(ディスプレイの輝度40%)に固定、「画面の明るさを自動的に調整する」オプションは無効にしている。

 BBenchの設定は、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」だ。WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフに設定している。この状態で満充電から残り5%で休止状態へ移行するまでの時間を計測した。

BBench 1.01で計測したバッテリー駆動時間

 VAIO Pro 11とVAIO Pro 13の結果は非常によい。VAIO Pro 11の店頭モデルは標準で8時間14分、シートバッテリー装着時で18時間8分、VAIO Pro 13の店頭モデルは標準で9時間15分、シートバッテリー装着時で18時間25分という結果だった。PCIe SSDをはじめ、ハイスペックな構成でテストしたVAIO Pro 13のVOMモデルも9時間2分の駆動時間を確保している。

 カタログ記載のJEITAバッテリー測定法(Ver.1.0)はかなりの長時間駆動が可能なので、さすがに公称値(VAIO Pro 11の店頭モデルで約11時間、VAIO Pro 13のVOMモデルで約13時間)には届いていないが、ネットに常時接続した環境でのWeb閲覧テストでこれだけ長く動作するのは実に心強い。

 店頭モデルで比較した場合、VAIO Pro 13は、ノートPCスタイルで計測したVAIO Duo 11のほぼ2倍のバッテリー駆動時間を記録した。VAIO Duo 11は多機能で明るい液晶ディスプレイを採用しているぶん、第3世代Core搭載のUltrabookとして駆動時間が長いほうではないが、特に短いわけでもなく、標準的な水準にある。つまり、VAIO Pro 11とVAIO Pro 13のスタミナはまさに飛躍的な進歩を遂げているのだ。

「VAIOの設定」の「電源・バッテリー」メニューでは、内蔵バッテリーの充電量を80%や50%に抑えることで、バッテリーの寿命を延ばす「いたわり充電モード」を用意(画像=左)。ディスプレイのリフレッシュレートを40Hzに下げて、消費電力を抑える設定もある(画像=中央)。Intel Smart Connect Technologyによって、スリープ時に一定間隔でインターネットに接続し、情報更新(メールチェックなど)を行うことも可能だ(画像=右)

PCMark 8のスコア

 PCMark 8(Futuremark)は、PCMark 7の後継となる最新ベンチマークテストだ。PCMark 7と同様、PCのさまざまな用途をシミュレートする内容だが、シナリオが今風にアップデートされている。一般公開前(Professional Editionのみ先行配布)で、筆者自身もまだベンチマークの全貌を把握するまでには至っていないため、細かい分析は避けるが、テスト結果を見ていこう。

 PCMark 8では、Home、Work、Creative、Storage、Application(Microsoft Office、Adobe Creative Suitesを利用したテスト)と5種類のテストセットが用意されているが、ここでは「Home」をBattery Lifeモードで計測した。テストにはOpen CL 1.1デバイスを選択する項目があるが、デフォルトのDisableにしている。

 この「Home」には、Webブラウズ、文章入力、写真編集、ビデオチャット、カジュアルゲーミングといった内容が含まれている。Battery Lifeモードでは、これらのテストをバッテリー残量が20%になるまで実行し、それまでの時間を記録することで、バッテリーを使い切るまでの推定駆動時間を算出して表示する。Battery Lifeモードでもテストのスコアは出るため、バッテリー駆動時のパフォーマンスも確認できる。

 テスト結果については、システムに高い負荷をかけ続けているため、BBench 1.01よりもはるかに短いバッテリー推定駆動時間となっている。それでもVAIO Pro 13の店頭モデルは、VAIO Duo 11に比べて50%も長い。VAIO Pro 11とVAIO Pro 13の省電力技術は、こうした高負荷が続く状況でも有効だと分かる。

Battery Lifeモードで実行したPCMark 8/Homeのスコア。Homeテストの結果(グラフ=左)とバッテリー推定駆動時間(グラフ=右)

動作時の騒音と発熱は?

 騒音計を本体手前から5センチのところに置き、アイドル時、低負荷時、高負荷時それぞれの騒音レベルを計測した。Windows 8の電源プランは「バランス」に固定し、CPUとファンの動作モードは「標準」と「パフォーマンス優先」の両方でテストしている。

 今回テストした試作機の動作音については、VAIO Zなどと同系統のトーンで、小さなファンが高速回転しており、高い音から騒音計の数値以上に耳に付く印象がある。ファンノイズに敏感な方は気になるかもしれない。

 標準モードでは、VAIO Pro 11とVAIO Pro 13でファンの音量自体はあまり変わらないが、高負荷時に音量が大きく上がるタイミングは、ボディの大きなVAIO Pro 13のほうが遅い。パフォーマンス優先モードでは、どちらもちょっとした負荷で威勢よくファンが回り、高負荷時はかなりノイズが大きくなる。これだけ薄型軽量のボディを限られたスペースの放熱機構で冷やすのだから、仕方がないところだ。

暗騒音32デシベル/室温27度の環境において、本体手前5センチに騒音計を設置し、動作音を測定した結果。標準設定の結果(グラフ=左)、パフォーマンス優先設定の結果(グラフ=右)

 発熱に関しては、3DMark Vantageを2回実行し、終了直後に放射温度計で各部の温度を計測した。底面の奥側はかなり熱くなるが、手がよく触れるパームレストに熱はあまり伝わってこない。VAIO Pro 11、VAIO Pro 13ともにパームレストの表面温度は30度を少し超えるくらいで、この季節(室温27度)としては優秀だろう。ファンがよく回るパフォーマンスモードのほうが全体に温度は低めだ。

室温27度の環境において、3DMark Vantageを実行した直後のボディ表面温度を放射温度計で測定した結果。(グラフ=左)。標準設定の結果(グラフ=左)、パフォーマンス優先設定の結果(グラフ=右)
ソニーが提供するVAIO Pro 11(左)とVAIO Pro 13(右)の内部構造写真。第4世代Coreでは、グラフィックスを統合したCPUとチップセットの機能が1パッケージに収まっているため、ここに熱源が集中しており、銅製ヒートパイプと小型のファンで側面に熱を逃がす(排気する)設計だ。吸気は主に本体部の背面から行う

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