さまざまなディスプレイサイズがあるAndroidタブレット。なかでも見やすさと持ち歩きやすさのバランスがいいのが7インチ台のモデルだ。しかし片手で持てるとはいえ、よほど手が大きい人でない限り片手“だけ”で行うのは難しい。
例えば電車でつり革につかまっているときなど、必ずしも両手をタブレット操作に専念させられない場面も多い。というワケで、7インチタブレットの操作がちょっと楽になる……かもしれないデバイスとして、片手のそれも2本の指で操作できる「リングマウス」に注目してみた。今回使用したのはサンワサプライの「400-MA031」という製品で、直販価格は3480円だ。
リングマウスの外観はかなりゴツい指輪そのもの。装着方法としては人差し指にはめ、親指で操作する方法がもっとも自然なようだ。上部のセンサーパネルは押し込み式のボタンになっており、その下にも2つのボタンがある。イメージとしては指先サイズの(3ボタン式)タッチパッドという印象だ。
重さは12グラムと軽量だ。電源は本体内のバッテリーで、満充電なら連続24時間動く。充電は付属のUSBケーブルで行い、満充電までの時間は約1時間。注意したいのは本体に充電通知ランプやバッテリー残量を示すインジゲーターが搭載されていない点だ。ケーブル側の通知ランプで充電されているのかをチェックするが、付属品以外のケーブルではキチンと充電されているのか分かりにくい。
なお、やや割高にはなってしまうが、5ボタンと本体に充電中ランプの搭載した「リングマウスPlus」という上位モデルも存在する。PCの利用も含め、リングマウスを本格的に使い倒すなら、そちらの導入を視野に入れてみても良いだろう。
さて、リングマウスを使うには、付属のレシーバーをPCやタブレットに装着する必要がある。ただAndroid端末のUSB端子はMicro USBのため、このレシーバーを直に装着することはできない。そこでUSBホストケーブルを介して接続する。USBホスト機能がサポートされている端末であればそれだけでマウスポインターが出てくるので、リングマウスで操作が可能だ。
今回はタブレットに「Nexus 7」を使っているが、Android 3.x以前の古いタブレットではUSBホストをサポートしていないので外部のUSB機器を利用できない。現行モデルはほとんどサポートしていると思われるが、OSとは別に端末のハードウェアとして対応している必要があるので、事前にチェックしておきたい。
なお、本体とレシーバーの接続方法は、一般的なワイヤレスマウスで使われている2.4GHz帯を利用した無線通信。Bluetoothではないので付属のアダプターが必須だが、逆に言えば煩わしいペアリングの設定が必要なく、ただレシーバーをUSB端子に挿すだけで利用できるのは手軽だ。利用可能な範囲を試してみたところ、おおよそ5メートル程度までは認識した。
Windows PCでリングマウスを使う場合、センサーパネルのボタンを押すと左クリックになり、右下にあるボタンが右クリックとして動作する。左下のボタンはカーソル機能とスクロール機能の切り替えだ。
ただAndroidのマウス操作には「右クリック」という概念がない。リングマウスのセンサーパネルを押しても、右下ボタンを押しても、Androidは「タップされた」と認識する。タップ機能は基本中の基本なので問題ないが、Androidにはそのまま指を滑らせるフリックやスワイプ、2本指で操作するピンチイン・ピンチアウトという操作もある。
フリックやスワイプは、ボタンを押しながらセンサーパネルに指をすべらせると認識してくれた。ただかなり難しいので、うまく扱うまでは、それなりの慣れが必要になる。またピンチイン・ピンチアウトの操作はできないようだ。現実的には、カーソル移動とタップ操作ができる程度と考えてよさそうだ。
またUSBホスト機能を利用して接続するため、Android側では外部キーボードが接続されたと認識されてしまう場合がある。すると文字入力が必要な場面でソフトキーボードが出てこなくなってしまう現象もあった。
リングマウスは本来PC向けの製品であり、プレゼンテーションをする場合やリビングでくつろいでいる際にPCで利用することを想定した製品だ。ただ対応機種にはUSBホスト機能に対応したスマホやタブレットも含まれている。今回のようなAndroidでの利用はもちろん、Windows 8を搭載したタブレットでも活用できるだろう。たださまざまな制限があるため、それらを理解する必要がありそうだ。
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